競走馬はセリで落札されます。特に「サトノ」の冠名で有名な里見治さんが落札する馬は高額馬で有名ですね。
高額馬が注目される中、逆に破格の値段で落札される馬もいます。
その多くは特に目立った活躍もないままに引退しますが、中には高額で落札された馬に勝ちきった馬もいます。
当記事では1000万円前後の金額で落札された安い馬をまとめました。
現役で活躍している安い馬
※2019年9月2日時点で現役の競走馬です
グァンチャーレ 牡7歳 セリ価格210万円
現在7歳馬でありながらも重賞路線で活躍しているグァンチャーレは210万円で落札されました。
父はスクリーンヒーローで母はチュウオーサーヤ。
母は現役時代、ダートで1勝上げています。
キタサンブラックやドゥラメンテと同期の馬で、3歳のときに出走したシンザン記念の勝ち馬です。
NHKマイルカップや日本ダービーにも出走した経験があります。
ダービーのあとはオープン戦で走り続けました。
ときどき好走をするもののそこまで勝ち星あげられませんでした。
そのグァンチャーレが俄に花開いたのが昨年10月に開催されたスワンステークスでしょう。
モズアスコット、ロードクエストに続いての3着に入選すると、次走キャピタルステークスで重賞4勝馬であるタワーオブロンドンに先着しました。
今年の京都金杯は鞍上古川騎手の仕掛けどころが悪く6着に敗れてしまいましたが続く洛陽ステークスを勝ちます。
次走、マイラーズカップではダノンプレミアムに続いての2着入選でモズアスコットやインディチャンプといったG1馬相手に先着しました。
安田記念本番では年齢のためか、13番人気にまで人気を落としましたが、好枠からの強い先行競馬で4着にまで奮闘しました。
晩成型の馬で、今年に入って本格化しているグァンチャーレ。マイル路線で調子をあげているので今年の秋も大舞台での健闘に期待がかかります。
ブレスジャーニー 牡5歳 セリ価格270万円
現役で活躍している馬でかなり有名な格安馬でしょう。
父親はバトルプラン。
母親はエルフィンパークで現役時代の勝ち星はありませんでした。
生産牧場はかつてタケシバオーを輩出した競優牧場です。競優牧場はその後は経営不振が続き、2016年の2月に2頭の1歳馬がライフルで射殺されました。サラブレッドに掛けていた保険金が目的だったようです。
ブレスジャーニーは2015年のサマーセールで落札されたので被害に合いませんでしたが、時期がズレていたら被害を被っていたかもしれません。
東京競馬場でデビューをしました。
新馬戦こそ3着に敗れましたが次走、未勝利戦で勝利し、秋の2歳重賞戦であるサウジアラビアロイヤルカップにて、後にAJCC、京都記念を勝つダンビュライトに先着して優勝しました。
サウジアラビアロイヤルカップを制した後は、東スポ杯2歳ステークスに出馬します。
初めての1800m戦でしたが得意の稍重馬場で追い込みをし、後にダービー2着、大阪杯を制したスワーヴリチャード相手に優勝します。
クラシック候補として名乗りを上げましたが骨折が判明し長期休養を余儀なくされます。
休養中に美浦の本間厩舎から栗東の佐々木厩舎に転厩しました。
骨折も快復傾向にあり、迎えた初戦は菊花賞でした。鞍上・柴田善臣騎手はJRA騎手最年長。ブレスジャーニーも骨折明けに加えて3000mどころか2000mも走ったことのない状態で出馬を表明したため、巷では人馬ともに体力がもつのかと不安視されました。
さすがに初めてのステイヤーレースで、しかも大雨の影響で泥んこ馬場となったこの菊花賞で好走は難しく12着に敗れてしまいました。
その後はチャレンジカップで馬券に絡めたことを最後に、なかなか上位争いに加わることはできていません。
4歳の頃は得意のマイルから距離を伸ばし、そえも慣れない右回りの小回りな函館、札幌競馬場を使われました。
距離も右回りも不慣れでありながらも掲示板に入選できたのはこの馬の地力でしょう。
今年に入ってからは距離短縮に加えて左回りの東京・新潟で使われましたが掲示板入選が一杯いっぱいでした。
骨折の影響からか、オーナーサイドのレース選択がミスマッチしているからか、勝ちきることができていません。
デビュー前から他馬とは違う数奇な運命をたどり、デビューしてからも何かと忙しいブレスジャーニーですが、2歳のときに大物相手に勝ちきった走りを再び見てみたいものです。
ロードクエスト 牡6歳 セリ価格626万円
現役で走るロードクエストも実は1000万円以下で落札された馬です。
父親はマツリダゴッホで母親は地方競馬で走っていたマツリダワルツです。
2歳のときに新潟2歳ステークスを制しました。当時G2だったホープフルステークスにも出走して2着に健闘しました。
3歳のスプリングステークスで3着に入選し、皐月賞への優先出走権を得ました。
クラシックは皐月賞8着。ダービー11着でした。
ところがその間に開催されたNHKマイルカップでメジャーエンブレムに3/4馬身差の2着に好走したことで短距離路線に矛先を変えます。
秋の京成杯オータムハンデカップを勝ちましたがマイルチャンピオンシップでは敗れてしまいました。
しばらくは勝ち星から遠ざかっていましたが昨年のスワンステークスで春のマイル王であるモズアスコットとの叩き合いを制して優勝。京成杯オータムハンデカップ以来となる2年1か月ぶりの勝ち星をあげることができました。
今年も引き続き1400m~1600mの距離を中心に使われてきています。
年齢の影響からか、凡走が続いていますが東京新聞杯や阪急杯で上位争いをしているようにはまったときの末脚はまだまだ侮れませんね。
マイネルハニー 牡6歳 セリ価格669万円
父はマツリダゴッホで母は平場で2勝したブライアンハニーです。
母の父は三冠馬であるナリタブライアンです。
チャレンジカップ勝ち馬のマイネルハニーは669万円で落札されました。柴田大知騎手とのコンビでの逃げが有名ですね。
マカヒキやサトノダイヤモンドが同期で、ダービーでは1枠2番からの競馬で最後の直線まで逃げの競馬を披露しました。
古馬になってからも重賞、オープン戦問わず馬券内に入選していました。
ところが今年の中山金杯を最後に蹄葉炎を発症したそうです。
現在は療養中ですが幸いにも快復傾向に向かっているようです。競馬場で柴田大知騎手とのコンビをまた見てみたいものです。
トリオンフ セ5歳 セリ価格864万円
小さいキタサンブラックともいえる逃げ馬トリオンフも格安で落札されました。
父はアイルランドで生産されたタートルボウル。母は平場で3勝。ステイヤーレースであるダイヤモンドステークスで2着に好走したメジロトンキニーズです。
5歳馬で成績は(6-4-0-6)と好走しています。
特に小倉競馬を得意としていて小倉成績は(3-1-0-0)と抜群の成績です。
トリオンフが制した2つの重賞も小倉記念、小倉大賞典なので小倉との相性はばっちりですね。
特に小倉記念はレコード勝利をおさめるくらいの強い競馬でした。
その小倉記念を制した昨年の夏を最後に、ターフで姿を見せていません。
噂では屈腱炎を発症したといわれていますが、ターフで強い逃げの競馬を見てみたいです。
ロンドンタウン 牡6歳 セリ価格950万円
父はダートG1を7勝したカネヒキリで母親は大井競馬で2勝したフェアリーバニアンです。
2017年の韓国のコリアカップを優勝しG1ホースとなりました。その翌年のコリアカップも勝利し、連覇を達成しましたね。
今年は3連覇の可能性もありましたがあいにく日韓関係が悪くて、日本馬が招待されない事態になり、3連覇はなくなりました。
6歳馬で競走馬としてのピークは越えていますが今年のマーチステークスで2着に好走すると、次走アンタレスステークスでも勝ち馬アナザートゥルースに0.1秒差の3着に健闘しました。
まだまだ衰えしらずの一頭です。
セイウンコウセイ 牡6歳 セリ価格1404万円
1000万以上の馬ではありますが格安の馬でG1を制したことで当記事で取り上げることにしました。
父はアドマイヤムーン。母親はアメリカで生まれたオブザーヴァントです。
セイウンコウセイの知名度を一気に広めたのはなんといっても4歳のときに出走した高松宮記念でしょう。見事な先行競馬で優勝しました。5歳のときに出走した函館スプリントステークスも逃げ切り勝ちしました。
4~5歳のときは短距離重賞戦で出馬しましたがG1ホースということで斤量負担が大きく、惨敗することも珍しくありませんでした。
時々好走するものの安定のない馬で馬券には手を出しづらい存在でした。
ところが、6歳になった今年。
初戦で出走したシルクロードステークスは15着に敗れ、人気を落として挑んだのは3年連続出走することになった高松宮記念でした。ここで、得意の中京にくわえて内枠からの先行競馬で2着に入選しました。
一昨年の高松宮記念の勝ち馬ながら、近走が悪くて12番人気にまで人気を落としていた中でのこの快挙に競馬ファンは空いた口が塞がりませんでした。
夏のスプリンター戦であるCBC賞でも得意の中京ということもあり3着に入選。
6歳になって少しずつ全盛期の力を取り戻しつつあります。
秋の大舞台でも期待のかかる一頭でしょう。
引退した馬でG1を制した安い馬
タマモクロス セリ価格500万円
芦毛のタマモクロスも安く競り落とされた馬の一頭です。
父親はシービークロスはG1タイトルこそつかめませんでしたが金杯、毎日王冠、目黒記念を勝ちました。母はグリーンシャトーです。
タマモクロスは4歳新馬戦でデビューを果たしましたがデビュー戦は7着でした。その後、未勝利戦を勝利するもののこの年のクラシックには間に合わず、クラシックは未経験のまま、条件戦で走り続けます。
タマモクロスが大舞台を目指して賞金を加算しているころ、故郷の錦野牧場は倒産してしまいます。牧場にいた母親のグリーンシャトーも他の牧場に売られましたが売られた矢先、13歳で亡くなりました。
タマモクロスはデビューした年に故郷と母親を亡くしてしまったのです。
その影響をしってかしらずか、この年の秋からタマモクロスは調子をあげてきます。条件戦で賞金を積み重ね、当時、暮れに開催されていた鳴尾記念を勝利し、初の重賞タイトルをつかみました。
そして翌年。古馬となったタマモクロスは金杯を制し、次走阪神大賞典も勝ちます。
破竹の勢いで重賞3連勝したまま天皇賞春へとすすみます。
初のG1でした。
相手には昨年の有馬記念を勝ったメジロデュレン。
阪神3歳ステークスを勝ったゴールドシチーが相手にいましたが全く物ともせずに3馬身差の快勝でした。
続く宝塚記念はG1タイトルを3つ掴んだニッポーテイオーが立ちはだかりましたが2馬身半差の快勝でした。
秋は天皇賞秋から始動し、ジャパンカップ→有馬記念へとローテーションを組みます。
現在の競馬でもトップクラスの馬が使う路線ですね。
天皇賞秋ではこの年地方の笠松から移籍して快進撃をしたオグリキャップがいました。
人気はオグリキャップに次いでの2番人気でしたがオグリキャップとのたたき合いを制して見事優勝しました。
芦毛馬は決して弱くないということを世に広めたのはオグリキャップとこのタマモクロスでしょう。
また、同じ年の天皇賞春・秋を初めて制覇したのもタマモクロスです。
ジャパンカップは繁殖馬として有名なトニービンにこそ先着し、オグリキャップにも先着しましたが、アメリカの伏兵ペイザバトラーに敗れて2着。
引退レースとなった有馬記念はオグリキャップを筆頭にマイルチャンピオンシップ勝ち馬のサッカーボーイ、この年の菊花賞を制したスーパークリークとの戦いとなりました。
さすがに秋の中距離G1の3戦目ということで疲れもあったと思いますが最後の最後まで強い競馬でサッカーボーイ、スーパークリークに先着しました。
しかし直線で先に抜けたオグリキャップには届かずの2着でした。
その後、芦毛馬としての汚名はオグリキャップの活躍により、さらに返上されることとなるのです。
引退後は種牡馬となりました。
G1勝ち馬こそいませんが、重賞3勝したカネツクロスやチューリップ賞を制したアンツシリウスはタマモクロスの仔です。
また、昨年、10歳馬で引退したヒットザターゲットの母の父もタマモクロスです。
余談ですが、漫画「みどりのマキバオー」の主人公であるミドリマキバオーのモデルはタマモクロスだそうです。
参考記事
テイエムオペラオー セリ価格1050万円
2000年の最強馬は間違いなくこの馬でしょう。
若き和田竜二騎手を育てたといっても過言ではないテイエムオペラオーです。
父はアメリカ出身のオペラハウスでG1を3勝しました。母はワンスウエドです。
デビュー戦こそ2着でその次の未勝利戦も4着でしたがその後条件戦を勝ち、重賞である毎日杯も制して皐月賞へと進みます。皐月賞ではオースミブライドを捕らえて見事クラシック一冠目を頂戴しました。
その後、ダービーでアドマイヤベガ、ライバルであるナリタトップロードに先着を許しての3着。菊花賞はナリタトップロードが最後の一冠を奪取しました。
クラシックは意外と皐月賞のみという成績でしたが、ダービー・菊花賞・暮れの有馬記念でも複勝圏内に入っていて非常にポテンシャルの高い馬でした。
そのポテンシャルがフルに開花したのが2000年でしょう。
世間ではミレニアムと騒がれていたころ、競馬界も大きく騒ぐこととなります。
京都記念、阪神大賞典を勝利し、天皇賞春を制覇。
宝塚記念もメイショウドトウ相手に先着し、春のグランプリを制しました。
秋は京都大賞典から始動します。
3歳の頃からのライバルだったナリタトップロードをものともせず勝ちきると天皇賞秋、ジャパンカップと今度は今年の宝塚記念のリベンジに燃えるメイショウドトウ相手に先着します。
ジャパンカップもメイショウドトウに勝ち、中距離G1最後の有馬記念に挑みます。
有馬記念は直線、馬群の後ろでした。
どう考えても進路がなく、テイエムオペラオーの快進撃もこれまでかと思われたところ、馬群の間をついて飛び出してきました。
メイショウドトウをハナ差でとらえて見事優勝。
グランドスラム(当時の中距離G1をすべて勝つことをさします。)を達成しました。
翌年、初戦に選んだ産経大阪杯で4着に敗れたことで連勝記録8で止まりました。
それでも次走、天皇賞春でメイショウドトウに先着し、優勝。
宝塚記念は逆にメイショウドトウに敗れての2着でした。
秋の大舞台でも京都大賞典を勝利し、天皇賞秋は2着、ジャパンカップも2着。
引退レースとなった有馬記念は5着に敗れてしまいましたが上位入選を果たしています。
シンボリルドルフに並ぶG1最多勝利7をあげ、また、獲得賞金の世界記録を樹立しました。
この世界記録は2017年にアメリカのアロゲートに塗り替わるまで保持していました。
その後、テイエムオペラオーは引退し、繁殖馬としての余生をすごすことになります。
産駒はお世辞にも恵まれたとはいいがたいです。
2003年産駒のテイエムトッパズレこそ障害の重賞を3勝しましたが、平場で重賞を獲得した産駒はいません。
種牡馬を引退した後は余生を過ごしていましたが2018年の5月に亡くなりました。
主戦の和田騎手はテイエムオペラオーでG1を制して以来、G1タイトルにあと一歩という日々が続いていましたが、テイエムオペラオーが亡くなった次の月のG1宝塚記念でミッキーロケットでG1タイトルを掴みました。
インタビューで和田竜二騎手がテイエムオペラオーが背中を押してくれたと語ったことは有名なお話ですね。
最後に、ライバルだったナリタトップロードについて話したいと思います。
ナリタトップロードはテイエムオペラオーが引退した次の年の有馬記念まで走り続けました。
G1勝ちこそ菊花賞のみですが、古馬路線でも京都記念、阪神大賞典、京都大賞典と、テイエムオペラオーがかつて制した重賞タイトルを掴ました。
最後の最後に余談ですが、ナリタトップロードの主戦を務めていた渡辺薫彦騎手は2012年に引退し、現在は調教師として活躍しています。
今年のチューリップ賞、桜花賞で2着に健闘したシゲルピンクダイヤは渡辺調教師の馬で、鞍上は和田竜二騎手でした。
現役時代にしのぎを削った両者が大舞台を目指して手を組むという、古くからの競馬ファンからしたら胸が熱くなる展開です。
オークスこそ7着に敗れましたが今年の秋はローズステークスから、再び和田竜二騎手を背にターフを走るみたいです。
参考記事
メイショウドトウ セリ価格500万円
テイエムオペラオーの記事でも触れたメイショウドトウも実は格安で取引された馬なのです。
その価格は500万円。
最終的に9億近く稼いだことを考えるといかにお手頃価格だったかが分かりますよね。
テイエムオペラオーと同い年ですがこちらは大舞台までの道のりは険しかったといえるでしょう。
デビューはなんとダートでした。
新馬戦を2着。続く未勝利戦で勝利を飾りました。
ダートで2勝したあと、芝デビューするために札幌で3戦使われますがいずれも馬券外でした。
そのままダートに戻るかと思われましたが引き続き芝で走ることを選択します。
夏競馬を終え、テイエムオペラオーがナリタトップロードと戦っているころ、日の当たらないところでこつこつと賞金を加算しました。
そして翌年を迎えます。
この年は言わずもがなテイエムオペラオーが快進撃を繰り広げていました。
テイエムオペラ―に注目が集まる背景で、メイショウドトウも着実に賞金を加算し、重賞路線でも結果を残して春のグランプリである宝塚記念に挑みます。
宝塚記念は先行競馬で勝ちに行きますが番手につけていたテイエムオペラオーに最後かわされ2着でした。
秋はオールカマーを勝利し、テイエムオペラオーと同じく天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念のローテーションに挑みます。
天皇賞秋はテイエムオペラオーに敗れて2着でした。
続くジャパンカップは先行競馬で勝負しますが、宝塚記念同様最後にテイエムオペラオーにかわされて2着でした。
この年最後のレースとなった有馬記念ではなんと後方からの競馬となってしまいましたが、直線で末脚を披露し先行勢を抜いていきます。
テイエムオペラオーが馬群の後ろだったこともあり、初めてテイエムオペラオーに先着するかと思われましたが馬群と馬群の間をこじあけるかのように突っ込んできたテイエムオペラオーに最後はかわされて2着で幕を下ろしました。
この年の勝ち星はテイエムオペラオーに譲ることとなりましたがまだまだあきらめません。
翌年、日経賞を勝ち、天皇賞春で再びテイエムオペラオーと対決することとなりましたが、前を行くテイエムオペラオーにわずかに届かず2着に敗れます。
次の宝塚記念もテイエムオペラオーとの戦いでした。
先行競馬でレースをします。逆にテイエムオペラオーは他馬の包囲網の影響でかなり苦しい位置でした。直線、コーナーワークを問題なくこなすメイショウドトウに対してかなり大外ぶん回しとなったテイエムオペラオー。
最後に後方からテイエムオペラオーが迫りかかってきますが、追随を許さず、そのままゴールしました。
包囲網こそありましたがここで初めてテイエムオペラオーに勝ったのです。
その後は昨年同様天皇賞秋からジャパンカップ、有馬記念を走ることとなります。
結果は天皇賞秋が3着でジャパンカップが5着、有馬記念が4着でした。
テイエムオペラオーと同じくこの有馬記念が引退レースとなりました。
フランケルに対してのエクセレブレーションのような馬で、もしテイエムオペラオーがいなければもっとG1を手にしていたことを考えると、産まれる時代が悪かったといえる馬でしょう。
それでも、上位入選して最終的に9億近く稼ぎました。
引退後は種牡馬になりましたが、産駒に恵まれず2017年に種牡馬も引退し、現在は日高町のヴェルサイユファームで過ごしているようです。
参考記事
>> 最大のライバル!メイショウドトウとテイエムオペラオー、それぞれの産駒一覧、主戦騎手、現在
モーリス セリ価格1050万円
記憶に新しい馬でしょう。
日本と香港のG1を6つ制し、2015年の年度代表馬に選ばれました。
父親はスクリーンヒーローで母親はメジロフランシスです。
同期にイスラボニータやワンアンドオンリーがいます。
新馬戦こそ3馬身差の圧勝でしたが2歳、3歳の重賞レースに勝つことができずに、クラシック路線に名乗りをあげることはできませんでした。
モーリスが激変したのは4歳以降となります。
長期休養を挟んで迎えた若潮賞を勝ち、スピカステークスをも勝ちきって重賞マイル路線に切り替えます。ダービー卿チャレンジトロフォーも勝ちきるとその勢いで安田記念に進みます。
安田記念でヴァンセンヌやシルバーコレクターのフェイロに勝ちきり春のマイル王となりました。
次走はなんとマイルチャンピオンシップにぶっつけで挑むこととなります。
同期の皐月賞馬イスラボニータ、前走で辛苦を味わったフィエロとの再戦となりました。
京都の1600m戦で不利と言われる8枠を引いてしまったこと、長距離輸送に叩かずに本番を迎えることで4番人気としてレースに挑むこととなりましたが直線で痛烈な末脚を披露しフィエロ、イスラボニータに先着して見事優勝しました。
暮れの香港マイルでも洋芝をなんなくこなして優勝。
この年の年度代表馬となりました。
翌2016年は香港のチャンピオンズマイルを勝利し、安田記念連覇に向けて駒を進めます。
例年、安田記念はフルゲートになりがちですが、快進撃を続けていたモーリスの存在からか多くの有力馬が回避しました。
最終的には12頭立てで開催されることになりました。
相手は同期の皐月賞馬であるイスラボニータ
一つ上の皐月賞馬ロゴタイプ
重賞でも好走するフィエロ
翌年の安田記念を制することとなるサトノアラジン
一つ後輩でドバイのG1を勝ったリアルスティール
香港馬コンテントメント
といった骨のあるメンバーがそろいました。
レースはまるでモーリスを包囲するかのような展開となります。
しかしながらモーリスは地力で抜け出しますが、まさかの逃げで最後の最後まで突き放したロゴタイプが優勝することとなりました。
このころ、モーリスは中距離路線で活躍するのではないかといわれるようになります。
日本のマイルG1は制覇してましたし、一度試すこととなりました。
試金石となったのはまさかの札幌記念でした。
相手関係もこれまでにないほど楽で、なおかつ鞍上が香港のモレイラ騎手ということで1番人気に押されましたが、伏兵ネオリアリズムの逃げ切り勝ちで2着に敗れました。
また、3着馬であるレインボーラインに最後、かなり詰め寄られていることから、中距離での不安の声も上がっていましたが次走は中距離の大舞台ともいえる天皇賞秋へ目指します。
秋の中距離馬決定戦である天皇賞秋は毎年豪華メンバーがそろいます。
この年も快速の逃げ馬エイシンヒカリを筆頭に
中距離路線で活躍するアンビシャス。
2000m専用機のステファノス。
良血馬リアルスティール。
昨年の勝ち馬ラブリーデイ。
といった面々がそろいました。
鞍上はマイルチャンピオンシップで勝利に導いたムーア騎手です。
レースは中枠から5番手くらいの位置で競馬をし、直線、好位をつけると2000mの距離をものともせずに末脚を伸ばします。
先行集団をあっさりとらえると後方からの追い込み勢を全く寄せ付けずに優勝しました。
2000mの距離でも完勝しG1タイトル5つ目を手にします。
引退レースは暮れの香港カップを選択しました。
香港は今まで2戦2勝と抜群の適性を見せていましたし2000mの距離不安も前走天皇賞秋で払拭していました。
日本馬からはクイーンズリングやステファノス、エイシンヒカリも出走したこの香港カップ。
天皇賞秋同様直線で抜け出すとぐいぐいと脚を伸ばして2着馬シークレットウェポン相手に3馬身差つけて勝利。有終の美を飾りました。
引退後は種牡馬入りし、繁殖馬として生活しています。
2020年にはモーリス産駒が見られることでしょう。
ジャスタウェイ セリ価格1260万円
ハーツクライ産駒として、ドバイデューティフリーを制し、世界No.1の馬に輝きました。
父はハーツクライで母は0勝でターフを去ったシビルです。
馬主の大和屋暁さんはアニメ脚本家で「銀魂」というアニメの登場人物から名前が付けられました。
デビューこそ勝利するものの3歳の頃はアーリントンカップを制覇するにとどまり、皐月賞、ダービーでも特に見せ場がありませんでした。
ただ、秋に挑んだ毎日王冠では12番人気ながら2着に健闘し、伏兵馬としての頭角をあらわしたりもしました。
晩成型のハーツクライ産駒らしく、4歳の頃から本格化します。
重賞路線で勝ちきれないまでも馬券内に入選し続けます。
3歳の時に連対圏に入選した毎日王冠でこの年も2着に好走。
天皇賞秋へと駒を進めます。
天皇賞秋では同期の三冠牝馬であるジェンティルドンナやダービー馬であるエイシンフラッシュをとらえて見事優勝しました。
この年は天皇賞秋を制して休養に入ります。
5歳の初戦は中山記念を選択しました。
中山記念を勝ち、ドバイデューティフリーを勝ちきったことで世界リーディングナンバーワンの評価を得ることとなりました。
また、国内に帰ってからの安田記念では不良馬場のなか、直線で追い込みを仕掛け、グランプリボスを捕らえきったレースは今やジャスタウェイと鞍上柴田善臣騎手のベストバウトレースとして挙げられるほどとなっています。
この年の桜花賞馬ハープスターや6冠馬のゴールドシップとともに挑んだ凱旋門賞こそ8着に敗れてしまいましたが、ジャパンカップで2着。
同期のジェンティルドンナが制した有馬記念では4着に入選しました。
この有馬記念がジャスタウェイの引退レースとなりました。
引退後はポストハーツクライ産駒として繁殖馬生活を送っています。
今年からジャスタウェイ産駒もデビューしつつあります。
お父さんのような負けん気の強い子供が誕生することに期待したいですね。
参考記事
>> 一時代を築いた名馬!ジャスタウェイの現役時代とドバイで手に入れた世界一の称号
格安馬でも全く侮れません。
国内の馬で現役、引退している馬を12頭あげました。
一頭一頭のエピソードが濃く、長文になってしまい、読みづらい記事になってしまったことをお詫び申し上げます。
本当はもっと多くの馬を取り上げたかったのですが挙げればキリがありません。
現役で活躍しているグァンチャーレやロンドンタウン、セイウンコウセイならまだまだ重賞G1の舞台でも活躍できるだけの力はあるでしょうね。
ちなみに海外馬でも格安で活躍した馬はいます。
例えば、凱旋門賞にてオルフェーヴル、キズナを捻じ伏せたトレヴは22,000ユーロ(1ユーロを120円とすると約260万円)で買い取り手が付かず、生産者が引き取ることとなりました。
エリザベス女王杯を連覇したイギリスのスノーフェアリーも格安馬です。21万でセリに出されましたが買い手が見つからず、買い戻しとなりました。
スノーフェアリーは最終的にG1を6つ制することとなりました。
オーストラリアのテイクオーバーターゲットに関しては11万円で落札されました。2006年のスプリンターズステークスの勝ち馬ですね。
最終的な成績は41戦21勝と、勝率5割以上をキープする非常に馬主孝行な馬でした。セン馬だったため、繁殖馬にはなれませんでしたがオーストラリアで余生を過ごしていたそうです。その後、2015年に事故のため、安楽死処分がくだされました。
外国馬でも安い馬が活躍していますし日本も例外ではありませんね。
高額な馬に目が行きがちですが、決して血統にも恵まれなかった馬が良血馬に先着することもよくある話です。努力次第で天才に勝てる光景が見られるのも競馬の魅力だといえるでしょう。
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