中央競馬で競走馬が三冠馬になれるチャンスはたった1度しか与えられません。
三冠馬になるには、年間を通じて良いコンディションでいなければなりませんし、距離の適性も幅広く求められます。
長い中央競馬の歴史の中でもわずかな頭数しか達成できなかった三冠馬についてまとめています。
中央競馬における三冠馬の条件とは?
中央競馬の三冠馬は、3歳牡馬と牝馬に出走権がある皐月賞・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞の全てを勝った馬に贈られる称号のようなもので、クラシック三冠という言い方もします。
3歳牝馬だけにチャンスのある三冠は、牝馬三冠と呼ばれ、桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞の三冠を制した牝馬に与えられる称号になっています。
牝馬三冠に関しては、現在は秋華賞になっていますが、秋華賞が新設されるまでの1976年~1995年はエリザベス女王杯が三冠目のレースになっていました。
ちなみに2017年現在のクラシック三冠と牝馬三冠は以下の競馬場と距離で争われています。
クラシック三冠
・皐月賞 中山競馬場 芝・2000m
・東京優駿 東京競馬場 芝・2400m
・菊花賞 京都競馬場 芝・3000m
牝馬三冠
・桜花賞 阪神競馬場 芝・1600m
・優駿牝馬(オークス) 東京競馬場 芝・2400m
・秋華賞 京都競馬場 芝・2000m
JRAの東西の主軸となる東京・中山・京都・阪神の4競馬場で争う事になりますが、距離だけでなく、コース攻略に関してもそれぞれのレースで異なるので、競走馬にとっても大変な事ですが、騎手にとっても能力が試されることになります。
過去の三冠馬一覧
過去の三冠馬の一覧を以下に掲載します。
クラシック三冠
・1941年 セントライト
・1964年 シンザン
・1983年 ミスターシービー
・1984年 シンボリルドルフ
・1994年 ナリタブライアン
・2005年 ディープインパクト
・2011年 オルフェーヴル
牝馬三冠
・1986年 メジロラモーヌ
・2003年 スティルインラブ
・2010年 アパパネ
・2012年 ジェンティルドンナ
・2018年 アーモンドアイ(2019/10/23 追記)
長い中央競馬の歴史の中でクラシック三冠はわずかに7頭しか達成していませんし、牝馬三冠も5頭しか達成できていません。
昔は、競馬の格言でクラシック三冠は、皐月賞は「最も速い馬が勝つ」、ダービーは「最も運の良い馬が勝つ」、菊花賞は「最も強い馬が勝つ」と言われていました。
現在は皐月賞の「速い」は、成長と能力的なスピードの事を言っているので大きな違いはありませんが、上手さもないと勝てない状況になっています。
日本ダービーは昔は20頭立てなど、今よりもかなり多頭数で行われていただけに、実力よりも運の要素が高かったと言われている時期もありました。
しかし、現在は東京競馬場の高速馬場と最後の直線でのたたき合いに敗けない勝負根性がある馬が勝つという見方ができます。
菊花賞は強い馬が勝つという以前に、長距離適性がある事が最重要になっているので、三冠馬となった馬であれば全てを兼ね備えている馬という事で、将来的な意味でも強い馬という印象があります。しかし、菊花賞のみを勝利した馬は距離適性で勝てたという馬も少なくはありません。
どちらにしても、長い中央競馬の歴史の中で7頭しか達成できていないクラシック三冠というのは、競走馬にとっても競馬関係者にとっても夢のようなタイトルである事に間違いはありません。
過去に実現した三冠馬 VS 三冠馬
過去に行われた三冠馬対三冠馬は、記憶に新しい対決は2012年に行われたジャパンカップで、2011年度クラシック三冠のオルフェ―ヴルと2012年度牝馬三冠のジェンティルドンナの対決がよみがえります。
この両者の対決は、牝馬三冠のジェンティルドンナがハナ差1着でオルフェーヴルが2着となり、ジェンティルドンナに軍配が上がりました。
実際に三冠馬対三冠馬というのは、牡馬と牝馬であれば、同年や1年違いで実現が可能ですが、牡馬同士や牝馬同士の場合は必ず年度がずれる事から、実現すること自体が非常に稀という事になります。
例えばナリタブライアンは1994年に三冠を達成しているのですが、90年代に三冠馬になっている馬がナリタブライアンだけなので、三冠馬対決は可能性がないという事になります。
こんな中で1983年の三冠馬であるミスターシービーと1984年の三冠馬であるシンボリルドルフの直接対決は実に3戦も行われています。
・1984年 ジャパンカップ シンボリルドルフ 3着 ミスターシービー 10着
・1984年 有馬記念 シンボリルドルフ 1着 ミスターシービー 3着
・1985年 天皇賞・春 シンボリルドルフ 1着 ミスタービー 5着
ジャパンカップは近年になって日本馬が勝利を収める事も珍しくはなくなりましたが、1984年のジャパンカップは主役2頭ではなく、カツラギエースが10番人気で1着に入り日本馬で初の勝利馬となっています。
有馬記念はミスターシービーが最後に追い込みをかけましたが、早めに抜け出したシンボリルドルフに追いつくことができずに終わりました。
最後の対決である天皇賞・春では、ミスターシービーが後方から早めに仕掛ける作戦に出ましたが、途中で失速してしまいシンボリルドルフに抜かれて完敗に終わっています。
最強の三冠馬はどの馬?
競馬ファンであれば、1度は耳にするような史上最強馬や最強の三冠馬はという話題は盛り上がります。
ここでは、実際に牡馬だけで同じ距離を同じ条件でレースをしたらどうなるのかを数字や実際の展開などを考えて予想してみたいと思います。
皐月賞の走破タイム上位3頭
(セントライトは、距離が異なるので除外しています)
1位 ナリタブライアン 1:59:0
2位 ディープインパクト 1:59:2
3位 オルフェーヴル 2:00:6
東京優駿の走破タイム上位3頭
1位 ディープインパクト 2:23:3
2位 ナリタブライアン 2:25:7
3位 シンザン 2:28:8
菊花賞の走破タイム上位3頭
1位 オルフェーヴル 3:02:8
2位 ナリタブライアン 3:04:6
2位 ディープインパクト 3:04:6
タイムだけでみると、さすがに現代の状態の良い競馬場で行われている三冠達成の新しい年度の馬が良いタイムになっていますが、時代の流れという事を考えると1994年にこれだけのタイムを出しているナリタブライアンは少なくともかなり上位に食い込んできそうな感じがします。
ナリタブライアンの場合は古馬になってからあまり良い成績を残せていないだけに、シンボリルドルフやディープインパクトと比べると劣って見られますが、クラシック三冠に該当する1年だけで比較をするとかなり上位になると考えられます。
馬場状態や一緒にレースとなると数字だけでは結果はわかりませんので最強馬を決めるのは難しいですが、単純な数字の比較だけで三冠馬の中の三冠馬を狙えるとしたら、ディープインパクトかナリタブライアンになるかもしれません。
まとめ
実際に過去の三冠馬同士でレース結果に関しては、個々の競馬ファンの好みによって、自由に考えて問題はないといえます。
少なくとも牝馬三冠を加えて、ここで紹介をした11頭は他の馬では達成ができなかった記録を持っていることに違いはありません。
どの馬が最強馬になったとしても決しておかしなことではありませんし、レース展開や距離、騎手の戦略によってまた大きく異なる事も予想されるので、ここではこれ以上の結果を求める事はせずに終了とします。
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