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目立たない名馬マンハッタンカフェが競馬界に残した功績

マンハッタンカフェという馬をご存じでしょうか。

 

1998年生まれの競走馬で、菊花賞と有馬記念、天皇賞(春)を勝ち切った名ステイヤーです。G1タイトルを3勝もしているのでそれなりに知名度があってもよい馬なのですが、近年競馬を始めた人にとっては馬柱の血統欄で名前を見たことがある位にしか認識がないようです。

 

確かに種牡馬として名を上げている馬はクラシック路線で名乗りを上げた馬が数多く存在しています。マンハッタンカフェも菊花賞を制したクラシックホースではありますが、それまでの戦績が地味なことからあまり目立った競走馬ではないのかもしれません。

 

当記事ではそんなマンハッタンカフェが現役時代に残した功績をまとめた上で、種牡馬としてどのような結果を残したのかをエピソードを交えて紹介していきます。

 

血統背景

マンハッタンカフェは1998年に社台ファームにて生産しました。

 

父は日本競馬界に多大なる影響をもたらしたサンデーサイレンスです。母はサトルチェンジで現役時代に3勝しています。母の母はドイツの生産馬であるサンタルチアナで、ドイツ系の血を引き継いでいます。

 

マンハッタンカフェの近親には名繁殖牝馬であるビワハイジがいます。ビワハイジは93年生まれの馬で現役時代はファンの期待にこたえられなかったものの繁殖牝馬として多くの重賞馬を輩出しました。エプソムカップを制したトーセンレーヴ、皐月賞で2着、菊花賞で3着のアドマイヤジャパンも有名な馬ですがもっとも有名な馬はブエナビスタでしょう。阪神JF、桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、天皇賞(秋)、ジャパンカップ6つのG1タイトルを獲得したのは記憶に新しいのではないでしょうか。

 

地味な戦績

デビューは1月下旬の東京で鞍上はマンハッタンカフェの主戦騎手となる蛯名正義騎手でした。デビューこそ3着に敗れてしまいましたが続く未勝利戦を勝ち切ります。

 

デビュー3戦目にして皐月賞トライアルである弥生賞に挑みますがこのころは体質の脆く、前走よりもマイナス20キロも減らしてしまいます。その影響か、弥生賞では4着に敗れてしまいました。

 

1か月後に挑んだアザレア賞でも体重を落としてしまい、弥生賞のときよりもさらに体重を16キロも落としてしまいます。その影響があったのでしょう。アザレア賞では11着と大敗を喫してしまいます。

 

クラシックレースに挑みたかったのですがマンハッタンカフェの虚弱体質を懸念して、陣営は休養を選択しました。復帰戦は札幌で開催された芝2600mを走る富良野特別です。

 

陣営の努力の結果、放牧先で逞しくなったマンハッタンカフェは前走アザレア賞から体重を46キロも増やしました。馬体重の大幅増加にもかかわらず1番人気に支持されたマンハッタンカフェはその人気に応えて道中、速めに仕掛けて見事古馬相手に勝ち切りました。

 

次走に選んだのは同月に開催された札幌の阿寒湖特別です。富良野特別と全く同じ芝2600mの距離を蛯名騎手の手綱のもと勝ち切ったマンハッタンカフェは賞金を加算し、最後の一冠を目指すこととなりました。

 

菊花賞制覇

陣営が秋の初戦に挑んだのはセントライト記念でした。地味な戦績と条件馬あがりながらも同期のクラシックホースであるアグネスタキオンは怪我で引退し、ジャングルポケットはトライアルレースを使わずに菊花賞に挑むこととなったため、この年のメンバー層は手薄でした。

 

夏の上がり馬ながらもマンハッタンカフェは3番人気に支持されましたがここでは4着に敗れてしまいます。幸いにも賞金は足りていたために菊花賞への出走は叶いました

 

菊花賞では条件戦しか勝ち切れていないことが影響したのか6番人気に支持を落としました。1番人気はダービー馬ジャングルポケット。2番人気は皐月賞・ダービーで2着のダンツフレームでした。

 

菊花賞で有利と言われる馬番2番からスタートしたマンハッタンカフェは先行集団にとりついて競馬をします。鞍上蛯名騎手も仕掛けどころを見き分めながら二週目の3コーナー~4コーナーにかけて徐々に進出を開始します。

 

直線でムチを入れるとマンハッタンカフェの手ごたえは抜群でした。前で走るマイネルデスポットにぐんぐん進出し、最後の最後でマイネルデスポットを捕らえて見事優勝しました。夏の上がり馬ながら着実と賞金を積み重ね、見事最後の一冠を手にしたのです。

 

余談ですがマンハッタンカフェが菊花賞を制したのを最後に関東馬は菊花賞で勝ち切れなくなります勝ち切れないどころかあまりにも馬券に絡まないことから、「菊花賞で買うなら関西馬」という格言まで生まれました。

 

その格言にメスを入れたのが2018年の菊花賞馬フィエールマンです。ノーザンファーム天栄の仕上げにより菊花賞を制したフィエールマンはマンハッタンカフェが菊花賞を制してから実に17年ぶりとなる関東馬の菊花賞制覇だったのです。

 

世代交代

マンハッタンカフェが次に選んだレースは暮れの有馬記念でした。この年の有馬記念の有力馬はなんといっても昨年8戦8勝でグランドスラムを成し遂げたテイエムオペラオーでした。

 

そしてテイエムオペラオーの永遠のライバルであるメイショウドトウ、ナリタトップロードらも出馬を表明しました。また、テイエムオペラオーとメイショウドトウはこの有馬記念で引退すると発表されていました。

 

テイエムオペラオーは昨年ほどの勢いはないものの天皇賞(春)を制し、天皇賞(秋)で2着、ジャパンカップで2着と古馬の威厳を見せつけています。ラストランとなる今回、多くの人は無敗王者テイエムオペラオーがここで有終の美を飾るのか、それともメイショウドトウがもう一度テイエムオペラオーに土をつけるのかを注目しました。

 

ところが、このレースを制したのは道中で脚を溜め、直線で一気に末脚を伸ばしたマンハッタンカフェでした。

 

世紀末にターフに現れたテイエムオペラオー、ナリタトップロード、アドマイヤベガはクラシック路線でしのぎを削りました。2000年に入り引退したアドマイヤベガと入れ替わる形でメイショウドトウがテイエムオペラオーやナリタトップロードと戦いを極めました。

 

テイエムオペラオーと若き和田竜二騎手がグランドスラムを達成して競馬界を大いに盛り上げたころにジャングルポケットやマンハッタンカフェがクラシック路線で激戦を繰り広げました。テイエムオペラオーやメイショウドトウはジャングルポケットやマンハッタンカフェといった後輩馬とターフで激戦を繰り広げ、その実力を間近で体験し、静かに次の世代のバトンを託したのです。

 

ダービー馬ジャングルポケットとの対決

2002年の年度代表馬選考会。菊花賞と有馬記念を制し、グランプリホースの座を掴んだマンハッタンカフェは最優秀3歳牡馬の最有力候補でした。

 

しかしながら3歳春の戦績から、最優秀3歳牡馬の座を手にしたのは同期のダービー馬であるジャングルポケットでした。ジャングルポケットはダービー馬であることに加えジャパンカップにてテイエムオペラオーやメイショウドトウ相手に勝ち切ったことから年度代表馬として表彰されることになります。

 

そんな背景を後目にマンハッタンカフェは4歳になります。この春の最大目標は天皇賞(春)でした。

 

古馬となり天皇賞(春)に向けて最初に選んだレースは日経賞でした。有馬記念と全く同じ舞台である日経賞でのマンハッタンカフェは圧倒的支持を集めます。

 

しかし、この時期マンハッタンカフェに異変が起きます。元々マンハッタンカフェは蹄が脆く、ちょうどレース直前となって蹄が悪化してしまったのです。

 

レースも間近ですし天皇賞(春)に向けて一戦叩いておきたい陣営は鉄橋鉄と呼ばれる特殊な蹄鉄を装備して出走しました。しかしこの鉄橋鉄は通常の蹄鉄よりも走りづらくなってしまい、この日経賞では6着に敗れてしまいました。

 

競馬ファンを大きく裏切る結果となってしまいましたが、大きな事故もなく、大舞台前に一戦叩くことができた陣営は最大目標である天皇賞(春)に駒を進めます。菊花賞以来となる京都競馬場。

 

この年の天皇賞(春)は出走頭数こそ少なかったものの同期のダービー馬であるジャングルポケット、テイエムオペラオー世代のクラシックホースでただ一頭現役続行を表明したナリタトップロードが参戦を表明しました。1番人気に支持されたのは京都・阪神で滅法強いナリタトップロードでした。

 

マンハッタンカフェは2番人気に推され、ダービー馬ジャングルポケットは3番人気でした。

 

馬番4番から好スタートを切ったマンハッタンカフェはハナを切ろうとしましたが鞍上の蛯名騎手がセーブします。当時短期免許で来日していたデムーロ騎手のボーンキングにレースの主導権を譲り、マンハッタンカフェは中段馬群で競馬することになります。

 

人気の一角だったジャングルポケット、ナリタトップロードも同様に中段辺りで動き出すタイミングを見計らいました。レースが動いたのは2週目の3~4コーナーにかけてです。

 

最初に動き出したのはジャングルポケット騎乗の武豊騎手でした。ジャングルポケットがコーナーから動き出しますが、マンハッタンカフェはじっと仕掛けどころを見極めます。

 

そしてマンハッタンカフェが動き出したのは最後の直線に入る直前でした。蛯名騎手が鞭を入れるとマンハッタンカフェはすぐに反応します。するすると長い脚を使って前に逃げるボーンキングを捕らえ先頭に立ちます。

 

淀のステイヤーであるナリタトップロード、さらに外からダービー馬ジャングルポケットもマンハッタンカフェに詰め寄りますがマンハッタンカフェを捕らえることはできません。マンハッタンカフェは後続を振り切り見事春の盾を手にしたのです。

 

ラストランとなった凱旋門賞

春の盾を手にしたマンハッタンカフェは休養に挟みます。そして秋の最大目標にフランスの凱旋門賞へ挑むことが発表されました。

 

最初に凱旋門賞に踏み切ったのは社台ファームの吉田照哉氏でした。小島調教師もそれに賛同しましたが共同オーナーである西川清氏は少し悩みます。

 

しかしながら最終的には吉田氏と小島調教師の要望に賛同し、日本馬として史上5頭目となる凱旋門賞参戦に踏み切ったのです。鞍上は引き続き蛯名騎手です。

 

蛯名騎手は前回の凱旋門賞でエルコンドルパサーで2着に好走したこともあり、マンハッタンカフェの期待は高まるばかりでした。しかし、エルコンドルパサーのように前哨戦を叩くわけでもなく、シリウスシンボリのように海外遠征の末に凱旋門賞に挑むわけでもなく、なんとぶっつけで凱旋門賞出走を表明したのです。

 

凱旋門賞では5番人気に支持されましたが長距離輸送の影響か、ぶっつけのためか、欧州特有の重い馬場の影響か13着に敗れてしまいましたそしてレース後に競走馬として致命傷となる屈腱炎を発症し、競走馬を引退することとなったのです。

 

マンハッタンカフェの主な産駒と特徴

2002年に競走馬を引退したマンハッタンカフェは翌2003年に種牡馬として社台スタリオンステーションに到着しました。

 

有名な産駒には

 

秋華賞でブエナビスタを捻じ伏せたレッドディザイヤ

NHKマイルを中心に短距離界で活躍したジョーカプチーノ

天皇賞(春)を制したヒルノダムール

ダートで結果を残したグレープブランデー

エリザベス女王杯を制し有馬記念で2着に入選したクイーンズリング

惜しくもG1には届かなかったものの重賞タイトルを4つ手にしたルージュバック

スタミナが豊富な逃げ馬メイショウテッコン

 

がいます。

 

サンデーサイレンス直系の種牡馬は得意な舞台、苦手な舞台がはっきりとしているなか、マンハッタンカフェの仔は芝・ダート・短距離・長距離問わず幅広い舞台で好走する馬を輩出していてどのような舞台でも好走できるオールラウンダーな馬を輩出しました。

 

ポストサンデーサイレンスとして種牡馬生活を送っていましたが2015年に体調を崩し、この年の夏に腹腔内腫瘍のために亡くなりました。

 

蛯名正義騎手がステイヤー騎手と呼ばれる理由

ここからは少し余談話になります。

 

蛯名騎手は現在でも長距離レースで非常に強い印象が強いですね。蛯名騎手が長距離で実績をあげたのは実はマンハッタンカフェが最初です。

 

マンハッタンカフェで菊花賞を制するまでに蛯名騎手はG1タイトルをいくつか手にしていましたがいずれも2400m以下のレースでした。マンハッタンカフェで菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)を制したことで一躍長距離に強い騎手として認識されるようになったのです。

 

なお、蛯名騎手はマンハッタンカフェが引退した後もマツリダゴッホで有馬記念を、フェノーメノで天皇賞(春)を制しています。

 

俳優マンハッタンカフェ

もうひとつ余談話を挟ませてください。

 

実はマンハッタンカフェはドラマデビューを果たしています。2004年に制作された関西テレビのスペシャルドラマ「運命の出会い サラブレッドにかけた夢」(主演 中尾彬さん)という、社台ファーム創設者の吉田善哉氏の半生を綴ったドラマがあります。

 

ドラマ内に出演しているサンデーサイレンスは実はマンハッタンカフェです。サンデーサイレンスは2002年に死亡していたため、代役を立てざるを得なかった際に姿かたちがサンデーサイレンスにそっくりなマンハッタンカフェが抜擢されたそうです。

 

なお、DVDジャケットの表紙はマンハッタンカフェではなくサンデーサイレンスのものが使用されています。このドラマは現在でも通販やフリーマーケットアプリ等で購入することができます。

 

まとめ マンハッタンカフェが目立たない理由

マンハッタンカフェについてまとめさせていただきました。

 

ポストサンデーサレンスとして種牡馬入りを果たしましたがディープインパクトやステイゴールド、ハーツクライに見劣りするもののオールマイティに競馬ができる産駒を輩出していて競走馬としても種牡馬としても成功を収めた一頭ですね。

 

しかしながらそこまで目立った存在でないのには2つ理由があるでしょう。

 

一つは3歳の春の成績が地味だったこと。そしてもう一つは勝ったG1がいずれも長距離傾向にあったためでしょう。

 

近年、長距離レースよりも短距離・中距離のほうがレース数が多いのは火を見るより明らかで、長距離実績のある馬の価値は短距離・中距離で好走した馬よりも種牡馬価値は低いのです。

 

もしもステイヤーレースが国内にもっと多く浸透していたら種牡馬価値も変わっていたかもしれません。

 

それでもマンハッタンカフェの仔はどんな舞台でも対応できる器用さを備えていますし、勝ったG1はいずれも長距離傾向が強いながらも種牡馬として成功を収めた一頭だと思います。


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