・阪神芝1600mの桜花賞
・東京芝2400mのオークス(優駿牝馬)
・京都芝2000mの秋華賞
という3つの3歳牝馬限定G1を全て優勝した馬に与えられる称号が「三冠牝馬」です。
1995年までは秋華賞が存在しなかったため、エリザベス女王杯を勝った馬が三冠牝馬となりました。
これまでに三冠を達成した牝馬は、メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナの4頭しかいません。
2018/10/14 追記
14日の京都競馬場で行われた秋華賞を制し、見事アーモンドアイが史上5頭目となる牝馬三冠を達成しました!
追記ここまで
牝馬は牡馬と比べて調子を維持するのが難しいとされていて、半年の間に3つのG1レースを勝たなければいけないのは至難の業。
2016年もジュエラーが桜花賞を勝ちましたが、オークス参戦を前にして骨折でリタイア。
早々に三冠牝馬の資格を失ってしまいました。
ここでは、これまでに三冠を達成した歴代牝馬の比較をしながら、三冠牝馬の特徴や傾向を探っていきます。
三冠牝馬の共通点や傾向
誕生日
メジロラモーヌ → 4月2日
スティルインラブ → 5月2日
アパパネ → 4月20日
ジェンティルドンナ → 2月20日
日本の競走馬の誕生日は1月から6月になるのが一般的。
早生まれの馬は完成度が高くなり、2歳から3歳の頃にピークがやってくる、とされています。
3歳のうちにピークを持っていかなければ三冠牝馬にはなれないと思いきや、歴代の三冠牝馬のうち最も早い誕生日がジェンティルドンナの2月20日で、他の3頭は4月以降に誕生しています。
「早生まれで完成度が高い=三冠牝馬になりやすい」というわけではなさそうですね。
三冠達成後の成績
これまでの三冠牝馬たちは三冠達成後にどんな成績を残したのでしょうか。
メジロラモーヌ
エリザベス女王杯を勝った三冠を達成した後、年末のグランプリ・有馬記念に参戦。
ミホシンザンに次ぐ2番人気(6.3倍)に推されますが、1着のダイナガリバーから0.6秒差の9着に終わります。
オーナーブリーダー・メジロ牧場の意向で有馬記念9着をもって現役を引退しました。
スティルインラブ
エリザベス女王杯では同い年のライバル・アドマイヤグルーヴと激闘を繰り広げたものの、ハナ差で敗れ、4つ目のG1タイトルを獲得する事はできませんでした。
古馬になってからは強豪牡馬と対戦する機会が増え、苦戦が続きます。
結局、秋華賞を勝って以降、9戦未勝利という結果に終わり、2005年の府中牝馬ステークス17着が引退レースとなりました。
アパパネ
得意距離が1600mだった事から、1600mのレースを中心に走るようになります。
2011年のヴィクトリアマイルでは当時の現役最強牝馬のブエナビスタを完封し、阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、オークス、秋華賞に続くG1・5勝目を挙げました。
エリザベス女王杯には2回参戦していずれも3着。
牝馬G1完全制覇という偉業を達成する事はできませんでした。
ジェンティルドンナ
三冠牝馬に輝いた直後、ジャパンカップに参戦。
牡馬クラシック三冠馬・オルフェーヴルとの壮絶な叩き合いの末、ハナ差で勝利し、3歳牝馬のジャパンカップ初優勝を成し遂げました。
翌年にジャパンカップを連覇しただけではなく、2014年にはドバイシーマクラシックを優勝。
ラストランとなった2014年の有馬記念も見事の勝ち切りなど、国内外で立派な成績を残しました。
スティルインラブの不振が影響してか、「三冠牝馬=古馬でダメになる」という印象が強いのですが、ジェンティルドンナの大活躍で悪いイメージが払しょくされつつあります。
繁殖牝馬としての成績
アパパネとジェンティルドンナの2頭は産駒がデビューしていませんので、ここではメジロラモーヌとスティルインラブについてご紹介します。
メジロラモーヌ
12頭の産駒を輩出しましたが、G1どころか重賞を勝つ事もできませんでした。
第2子・メジロリベーラの孫にあたるフィールドルージュが2008年に地方交流G1の川崎記念を優勝しています。
スティルインラブ
三冠牝馬になってから不振に陥ったスティルインラブの無念を産駒に託したファンも多かったのですが、2007年8月に死亡したため、産駒は1頭しかいません。
父・キングカメハメハのジューダという牡馬がスティルインラブ唯一の産駒です。
JRAでは未勝利に終わったものの、大井競馬場で2勝を挙げています。
アパパネ、ジェンティルドンナ産駒に期待!
初代三冠牝馬・メジロラモーヌ、2代目三冠牝馬・スティルインラブの産駒が良い成績を残せなかった分、アパパネとジェンティルドンナの産駒には大きな期待が懸けられています。
アパパネ産駒
アパパネはディープインパクト産駒の第1子が2016年にデビューを予定。
馬名はモクレレです。
父母合わせて12個のG1タイトルを持つ超良血馬のデビュー戦は要チェックです。
ジェンティルドンナ産駒
一方、ジェンティルドンナの第1子は2016年に誕生。
順調に行けば2018年にデビューを迎えます。
メジロラモーヌやスティルインラブとは違い、古馬になっても活躍し続けたアパパネ、ジェンティルドンナの産駒にどうぞご注目ください。
こちらの記事もおすすめ
>> 三冠馬の条件と歴代三冠馬一覧。最強の三冠馬はどの馬か?