世界にはGⅠの舞台で牡馬を蹴散らして歴史を作ってきた牝馬は数多くいます。
今回は世界最強牝馬と言われた馬たちを6頭ご紹介します
ゼニヤッタ
父 | Street Cry |
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母 | Vertigineux |
馬主 | Jerome&Ann Moss |
調教師 | John Shirreffs(アメリカ) |
生涯成績 | 20戦19勝 |
主な勝ち鞍 | 2008 アップルブロッサムH(GⅠ) 2008 BCレディーズクラシック(GⅠ) 2009 BCクラシック(GⅠ) 2010 レディーズシークレットS(GⅠ)など、GⅠ13勝 |
ゼニヤッタは、スタートがあまり得意ではないこともあり、道中は後方からレースを運び、直線で他の馬を抜き去るスタイルの競馬をしていました。その末脚を武器にデビューから19連勝を飾り、BCレディースクラシックやBCクラシックの大きなタイトルも数多く手にしました。
しかし、20連勝のかかった2010年のブリーダーズカップクラシックで惜しくも2着に敗れ、初めて黒星がつきます。そこで現役は引退をしてしまいますが、19連勝の大記録とインパクトのあるレーススタイルから、全米最強牝馬として今後も語り継がれていくでしょう。
ザルカヴァ
父 | Zamindar |
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母 | Zarkasha |
馬主 | His Highness Aga Khan |
調教師 | Alain de Royer-Dupre(フランス) |
生涯成績 | 7戦7勝 |
主な勝ち鞍 | 2007 マルセルブサック賞(GⅠ) 2008 プール・デッセ・デ・プーリッシュ(GⅠ) 2008 ディアヌ賞(GⅠ) 2008 ヴェルメイユ賞(GⅠ) 2008 凱旋門賞(GⅠ) |
先ほどご紹介したゼニヤッタはダートで素晴らしい末脚を見せてくれた牝馬ですが、この ザルカヴァはフランスの芝で素晴らしい末脚を見せくれた馬でした。この馬が一番輝いていたのは、なんといっても2008年の凱旋門賞です。
元々スタートはあまり得意ではありませんでしたが、このレースでは最内枠ということもあり、スタート直後に右側へバランスを崩して、いつも以上に出遅れてしまいます。
その後も馬群の後方で包まれてしまい、進路がなかなか開かない状態でレースが進みます。そしてようやく前が開いたのはゴールまで残り300mの地点でした。
他の馬たちがトップスピードに入っている中、ここからザルカヴァは仕掛け、強烈な瞬発力を見せて最後は2着に2馬身の差をつけてこのレースを制します。
わずか7戦しかしていませんが、そのインパクトは世界中のファンの心に刻まれています。
ブラックキャビア
父 | Bel Esprit |
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母 | Helsinge |
馬主 | G.J.Wilkie, Mrs.K.J.Wilkie etc. |
調教師 | Peter Moody(オーストラリア) |
生涯成績 | 25戦25勝 |
主な勝鞍 | 2012 ダイアモンドジュビリーステークス(GⅠ)をはじめ、GⅠ15勝 |
続いてはオーストラリアが生んだ最強牝馬、ブラックキャビアです。
ブラックキャビアは1000m~1400mの距離で活躍しました。少しでも不利を受ければ命取りになってしまう短距離戦で25戦無敗、そしてGⅠ15勝という金字塔を打ち立てました。
オーストラリアの所属の馬でありながらヨーロッパへの遠征も行い、それでも連勝記録が止まらなかったその体力とメンタルは最強牝馬に相応しいものでした。
ウィンクス
父 | Street Cry |
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母 | Vegas Showgirl |
馬主 | Magic Bloodstock Racing,R G Treweeke & D N Kepitis |
調教師 | Chris Waller(オーストラリア) |
生涯成績 | 43戦37勝 |
主な勝鞍 | コックスプレート(GⅠ)4連覇など、GⅠ25勝 |
このウィンクスもオーストラリアが生んだ名牝です。この馬は生涯無敗ではありませんでしたが、4年にわたりGⅠ25勝を含む30連勝というオーストラリアの最多連勝記録と、最多GⅠ勝利記録を樹立しました。
なんといっても大レース、コックスプレートの4連覇は素晴らしい功績で、2018年にはワールドベストレースホースにも輝きました。
エネイブル
父 | Nathaniel |
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母 | Concentric |
馬主 | Khalid Abdullah |
調教師 | ジョン・ゴスデン(イギリス) |
生涯成績 | 13戦12勝 |
主な勝ち鞍 | 2017 オークス(GⅠ) 2017 アイリッシュオークス(GⅠ) 2017 キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GⅠ) 2017 ヨークシャーオークス(GⅠ) 2017 凱旋門賞(GⅠ) 2018 凱旋門賞(GⅠ) 2018 ブリーダーズカップターフ(GⅠ) 2019 キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GⅠ) 2019 エクリプスステークス(GⅠ) 2019 ヨークシャーオークス(GⅠ) |
※2019年10月1日現在
現役馬の中で世界最強牝馬といえばこのエネイブルでしょう。現在GⅠ10勝を含む12連勝中で、その連勝記録がどこまで伸びるか楽しみです。凱旋門賞も2連覇中で、3連覇に向けて世界中が注目しています。
(追記:※記事を公開している2019/10/20時点で、2019年の凱旋門賞はヴァルトガイストが勝利し、エネイブルは凱旋門賞2着となり、残念ながら3連覇達成とはなりませんでした)
参考: エネイブル 〜 イギリスの最強牝馬の強さに迫ります 〜 | 競馬情報サイト
アーモンドアイ
父 | ロードカナロア |
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母 | フサイチパンドラ |
馬主 | シルクレーシング |
調教師 | 国枝栄(美浦) |
生涯成績 | 9戦7勝 |
主な勝ち鞍 | 2018 桜花賞(GⅠ) 2018 オークス(GⅠ) 2018 秋華賞(GⅠ) 2018 ジャパンカップ(GⅠ) 2019 ドバイターフ(GⅠ) |
※2019年10月1日現在
日本馬の中で世界最強牝馬に名乗りをあげられるのはこのアーモンドアイでしょう。
2018年のジャパンカップでのレコードタイムは世界を驚かせる驚異的なものでしたし、2019年のドバイターフでは世界の強豪馬を相手にその力を見せつけました。
2019年の凱旋門賞でエネイブルとの対戦が期待されていましたが、年内は日本国内でのレースということが発表されました。一口クラブの所有馬なので、現役生活がそれほど長くないかもしれませんが、ぜひ2020年はエネイブルとの対戦が実現して欲しいものです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は各国が生みだした、世界最強牝馬と言われる名馬をご紹介しました。
驚異的な連勝記録を持っている馬、そしてインパクトのあるレースを見せてくれる馬、世界中には様々な名牝が存在しています。
また、最後にご紹介したように現役馬でも歴史を名を刻む牝馬がターフを賑わせてくれています。ぜひ、日本国内だけでなく世界の大レースにも注目してみましょう。
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