私たちの心を熱くしてくれる競走馬ですが、残念ながら様々な原因によって突然死をしてしまうケースは後を絶ちません。
今回はその死因としてよく耳にする心不全についてまとめます。
競走馬の心不全とは
競走馬が突然死する原因としては、大動脈破裂や肺出血などがありますが、一番耳にすることが多いのは心不全でしょう。心不全とは心臓が正常に機能しなくなり、その収縮が弱まったり、なくなってしまうことにより全身に血液を送ることができなくなり、血液の循環障害を起こしてしまうことをいいます。
前日まで元気に動き回っていた馬が、翌朝になると死亡していたというケースも少なくなく、その死因を特定することが難しいケースも多くあるそうです。
心不全と聞くと激しい運動をしている競走馬なので調教中やレース中に症状を発症する馬が多いイメージをお持ちの方が多いと思いますが、 そのようなケースは実は半数にも満たないそうです。
心不全が原因で亡くなった競走馬たち
サンデーサイレンス
種牡馬として日本の競馬の歴史を塗り替えディープインパクトなどを送り出し、今もその子孫たちが活躍し続けているサンデーサイレンスも、最後は心不全によりその生涯を閉じました。
種牡馬として過ごしていたサンデーサイレンスは、16歳のとき蹄葉炎(蹄に血液が行き届かないことから、炎症や痛みを発症すること)の治療を施されていましたが、症状が悪化してしまい自力で立つことが困難となってしまいます。そのまま体調はどんどん悪くなってしまい、最後は衰弱性の心不全で息を引き取ったそうです。
まだまだ種付けができる年齢だったので、その早すぎる死を惜しんだファンは数多くいました。
アグネスタキオン
デビューから4戦無敗で皐月賞を制したアグネスタキオンは、その後、左前浅屈腱炎を発症し引退を余儀なくされます、2戦目のラジオたんぱ杯3歳ステークスでは、後にGⅠを制するクロフネとジャングルポケットを完封しての勝利だったこともあり、この馬を「幻の三冠馬」と呼ぶファンも少なくありません。
その影響もあり早い時期から種牡馬入りしたアグネスタキオンは、その直後からディープスカイ・ダイワスカーレット・キャプテントゥーレなど、多くのGⅠウィナーを輩出しました。
しかし、この馬も種牡馬としてまだまだ働き盛りの11歳のとき、急性心不全で亡くなりました。
サクラバクシンオー
スプリンターズステークス(GⅠ)連覇をはじめ重賞を5勝し、 種牡馬としても高松宮記念(GⅠ)を勝ったショウナンカンプなどを輩出し、芝のスプリント戦線で一時代を作ったサクラバクシンオーも心不全で亡くなりました。
22歳の年齢でも現役の種牡馬として活躍していましたが、最後は種付けの途中に倒れ、そのまま息を引き取ったそうです。
ノースフライト
先程ご紹介したサクラバクシンオーと同じ時代に活躍し、1994年の安田記念(GⅠ)とマイルチャンピオンシップ(GⅠ)を勝ち、春秋マイルGⅠを制したノースフライトは、引退後、自身が生まれ育った北海道浦河町の大北牧場で余生を過ごしていました。 28歳まで生きたノースフライトは毎年多くの競馬ファンがその姿を見に訪れたそうです。
しかし、歳を重ねるとともに元気がなくなっていき、最後は心不全で最後は亡くなったそうです。
アストンマーチャン
ここからは競走馬として現役中に心不全で亡くなった馬をご紹介してます。
2007年、3歳牝馬として15年ぶりにスプリンターズステークス(GⅠ)を制したアストンマーチャンですが、4歳になった2008年、体調不良で高松宮記念を回避した後の検査で大腸炎の発症が分かり治療が施されますが、その甲斐もなく最後は心不全によって息を引き取りました。
アドマイヤラクティ
中長距離戦線で活躍していたアドマイヤラクティは、6歳になってオーストラリアへ初の海外遠征を行います。その初戦コーフィールドカップ(GⅠ)を制した後、翌月のメルボルンカップ(GⅠ)では一番人気となりレースを迎えます。
しかし、レースの途中で失速し最下位(22着)に敗れてしまいます。そして馬房に戻った後、倒れてしまいそのまま息を引き取ってしまいます。
このあと、現地で行われた検視により死因が急性心不全だったことがわかり、現地ではムチが競走馬を限界に追い込んでいるため、その使用を制限するための声が大きくなったことも有名です。
アマーティ
記憶に新しい2019年のフェアリーステークス、7番人気で出走していたアマーティは3コーナーで急に失速してしまい、最後は他の馬たちに大きく離されてゴールします。そしてレース直後、鞍上の三浦皇成騎手が馬から降りたあと、そのまま倒れこんでしまいます。
その場で心臓マッサージなどを行い、すぐに診療所にも運ばれましたが、すでに急性心不全で息を引き取っており、手の施しようがなかったそうです。
それだけ苦しい状態でありながら、アマーティは三浦騎手が下馬するまでその痛みに耐えて走っていたことを思うと、本当に心が痛い思いになりました。
話は少し脱線してしまいますが、サイレンススズカやキーストンなど故障を発生し悶え苦しんでもおかしくない状況でも、最後まで人に寄り添って気を遣う競走馬の姿には本当に胸が痛くなるので、このようなことが少しでも減ってほしいものです。
まとめ
今回は競走馬の心不全についての説明と、それによって息を引き取った馬たちを紹介しました。
競走馬としてこの世に生まれ、アスリートとして鍛え上げられた馬たちが最後に心不全で息を引き取るということに対して、感じ方は人それぞれあるでしょう。このような話題を取り上げると、動物を愛護する立場の方からの批判も大きく受けることになると思います。
ただ、そのような人たちは批判を口にするばかりですので私は正直、そのような声は看過できないことが多いと感じています。
これを話題にすると、それだけで記事が一本書けそうなので、細かいことを述べることはここでは割愛しますが、間違いなく言えることは競走馬も人間も同じで心不全のような急死してしまう機会が少しでも減るように医学が発達してほしいというのが、私個人としての切実な願いです。
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