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永遠の疾風!サイレンススズカの魅力とは?悲劇のレース天皇賞秋

サイレンススズカ(1998年11月1日東京競馬場にて撮影)

By Goki (talk) - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=171008

 

サンデーサイレンス
ワキア(母の父:Miswaki)
所属 橋田満厩舎(栗東)
主戦騎手 武豊、河内洋、上村洋行
重賞勝ち鞍

宝塚記念(G1)、毎日王冠(G2)、金鯱賞(G2)、中山記念(G2)

、小倉大賞典(G3)

 

本記事では、現在でも語り継がれる名馬、サイレンススズカの魅力やベストレースなどについてご紹介したいと思います。

 

サイレンススズカの魅力とは?

 

これまでの二十数年間で多くの名馬をリアルタイムで見てきましたが、自分個人として『一番好きな馬は?』と聞かれたら、迷わずに『サイレンススズカ』と答えるほど、大好きなサラブレッドでした。

 

ゲームの主人公の名前や、ニックネームなどを決める際に必ず『スズカ』と入力することからも、自分のサイレンススズカに対する愛情が理解いただけるのではないかと思います(笑)。

 

もちろん他にも多くの競馬ファンがサイレンススズカを好きな馬として挙げると思いますが、これほどまでにサイレンススズカが我々競馬ファンの心を惹きつけるのは、彼が純粋に『速く走ることが大好きなサラブレッドだったから』ではないでしょうか。

 

展開とか、ペースとか、相手関係とかそういった様々な要素は全く関係なく、彼自身がただ真っ直ぐに走るのが大好きだったから。

 

その姿が本当に気持ちよさそうだったから。

 

だからこそ、これだけ強烈に我々の心を掴んで離さない『記憶に残る名馬』になったのだと思います。

 

 

最強馬論争!?サイレンススズカvsディープインパクト

最強馬論争でよく議題に上がるのが、『ディープインパクトとサイレンススズカが同じレースを走ったらどちらが勝つか』といったものですが、当時の馬場状態や調教方法なども違うので、単純な比較は難しいでしょう。

 

なので今回は自分個人の見解を述べさせていただきますので、賛否両論あると思いますがご容赦いただきたいと思います。

 

もし舞台が共に東京競馬場であると仮定して2頭が同じレースを走った場合、2000mならサイレンススズカが勝つと思います。

 

タイム的な比較は多くの方がされていると思いますが、自分が注目するのが『サイレンススズカのペースを追走して、ディープインパクトが自慢の末脚を使えるかどうか』といった点です。

 

他の馬にとって異常なハイペースがサイレンススズカにとってはマイペースだけに、いかにディープインパクトといえども2000mの距離でハイペースを追走し、なおかつ直線で末脚を使うのは厳しいのではないでしょうか。

 

もしあの天皇賞・秋を無事に走り切っていたら、サイレンススズカは未来永劫破られることのないレコードタイムを叩きだしていたと今でも強く思っています。

 

 

個性的逃げ馬対決!サイレンススズカvsエイシンヒカリ

 

 純粋な能力だけで見れば圧倒的にサイレンススズカの方が上でしょう。

 

ただ、海外GⅠを2勝しているように、もし欧州への海外遠征をした時の適応力と言った面で見ればエイシンヒカリの方にも分があるかもしれません。

 

エイシンヒカリがどちらかと言えばパワー系の逃げ馬であるのに対し、サイレンススズカは極限までスピードに特化した逃げ馬なので、ヨーロッパの起伏の激しい馬場よりも、スピード勝負になりやすいアメリカ競馬への適性が高かったのではないでしょうか。

 

ブリーダーズカップの舞台で後続を離して大逃げを打ち、場内から大歓声を浴びていたであろうサイレンススズカの姿は、まさにスーパースターそのものだったような気がしますね。

 

 

受け継がれた意志!サイレンススズカvsエルコンドルパサー、グラスワンダー

 毎日王冠で最初で最後の対決となったエルコンドルパサーグラスワンダーとの能力比較ですが、個人的な能力評価としては、絶対的『スピード』ならサイレンススズカ、『総合力の高さ』ならエルコンドルパサー、そして『パワーと爆発力』ならグラスワンダーといったところでしょうか。

 

ただ、毎日王冠の時点での能力比較なら圧倒的にサイレンススズカが抜けていたと言わざるを得ないでしょうね。

 

それだけ毎日王冠のレース振りはとてつもない『凄み』を感じさせるものでした。

 

しかし、まだ2頭とも未完成な状態に加えて、グラスワンダーに至っては骨折休養明けという厳しい状況ながらも、着を狙いに行かずにサイレンススズカを負かしに行くレースをしたことで、このレースは伝説となり、より一層レベルが高いものになったのではないでしょうか。

 

 

サイレンススズカのベストレースとは?

 これまでの多くの人の考察では、後続を大きく突き放して大差の圧勝を飾った金鯱賞と、エルコンドルパサー、グラスワンダーとの3強対決で完勝した毎日王冠がベストレース候補として挙がることが多いようですが、個人的には『小倉大賞典』を上げたいと思います。

 

4歳となってバレンタインS、中山記念と2連勝していたサイレンススズカですが、中山記念では掛かり気味に逃げた上に直線で内にササるといったように、まだ粗削りな走りが目立ちました。

 

しかし、この小倉大賞典では鞍上の武豊騎手が直線までほぼ何もせずに、さらに直線ムチを使わずに軽く追っただけで後続を突き放して圧勝したように、サイレンススズカの『逃げの完成形』を初めて見せたのがこのレースと言えるのではないでしょうか。

 

この小倉大賞典があったからこそ、その後伝説となった金鯱賞、毎日王冠があったのだと、改めて映像を見直して強く思ったレースでした。

 

 

悲劇のレース 天皇賞・秋【動画あり】

 結果的にサイレンススズカの最後のレースとなってしまった天皇賞・秋ですが、もし無事であればGⅠ史上初の大差勝ちが間違いなく見ることができたと、今でも信じています。

 

1枠1番の最内枠から他馬より1馬身速いスタートを切り、武豊騎手がほとんど手綱を動かすことがないまま後続を置き去りにして逃げるその姿は、まさに『快速馬』そのものでした。

 

今悲しい記憶をたどるのは非常に辛いですが、ただ一つ確実に分かっているのは、あのレースの勝ち馬オフサイドトラップの遥か先をサイレンススズカが走っていたであろうこと、この事実だけでいいのではないかと思っています。

 

 

サイレンスズカの骨折・故障の原因は?

武豊騎手は『敗因は分からないのではなく、ない』とハッキリ言い切りましたが、サイレンススズカの骨折には様々な諸説が論じられています。

 

あまりのスピードに骨が耐え切れなくなり、まるで空気を入れ過ぎた風船が破裂するかのように骨が砕けてしまったというのも可能性としては十分考えられるでしょう。

 

ここからは個人的な考えになりますが、サイレンススズカは過去の、そして未来のサラブレッドが永遠に手にすることができない極限のスピードを持っていたが故に、こういった悲劇が起きてしまったのではないでしょうか。

 

人間が普段どれだけ全力を出しているようでも80%くらいの力しか出せないように、サラブレッドにも同じようなことが言えるでしょう。

 

しかし、サイレンススズカは常識で測れるレベルの馬ではなかったために、こういった悲劇が起こってしまった。

 

願わくばこれからも競馬に向かう馬たちには、競走生活を最後まで無事に走り切ってほしいと思います。

 

 

サイレンススズカの能力を疑問視する人が多いのはなぜ?

GⅠ勝ちが宝塚記念だけという実績や、その激しい気性面、そして『大逃げ』という安定性とは大きくかけ離れた競馬スタイルから、なかなかその能力を正しく評価されにくいサイレンススズカですが、数字面からも本格化以降のレースで見せつけたその強さからも、そして一番はこの馬自身の『ファンの多さ』からも、サイレンススズカが過去の名馬に勝るとも劣らない素晴らしい素質を持ったサラブレッドであるといった事は理解頂けると思います。

 

表面上の成績だけではなく、そのサラブレッドの内面から見えてくる『本質』を我々競馬ファンが如何にして見抜くのか、そういった事を教えてくれたのもサイレンススズカの功績の一つと言えるのではないでしょうか。

 

 

もしサイレンススズカが種牡馬になっていたら

こればっかりは難しいところではありますが、その天性のスピードは折り合いを重視するあまり道中スローで走ることを強いられる日本競馬より、スタートからガンガントップスピードで先行し、最後までそのスピードで押し切る競馬スタイルの強いアメリカ競馬の方で成功していた可能性が高かったのではないかと思います。

 

実際、天皇賞・秋出走前の段階でアメリカから種牡馬のオファーも届いており、そのスピードが海外からも高く評価されていたことが分かるのではないでしょうか。

 

気性に激しい面があるだけに、ディープインパクトのように安定して強い馬を出すことは難しかったかもしれませんが、突発的に怪物クラスの産駒を輩出する魅力的な種牡馬になった可能性が高かったような気がしますね。

 

とにかく速く走ることが大好きだったお父さんと同じように、競馬場を所狭しと駆け回るサイレンススズカの産駒を1頭でもいいから見てみたかったです。

 

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