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ノーザンテースト系の特徴と代表産駒、種牡馬の紹介!血統は受け継がれている?

1970年代前半、ノーザンダンサーがこれまでの種牡馬としてサラブレッドの歴史を塗り替える目覚しい活躍を遂げており、その血脈を日本でも受け継ぐため、今の社台ファームの代表の吉田照哉氏がノーザンダンサー産駒のノーザンテーストを1972年に10万ドルで落札しました。

 

この時は競走馬としてよりも、将来的に種牡馬として日本に輸入することを大前提に購入されました。

 

競走馬としてはフランスに渡り、GⅢレースを制しはしますが、大レースで勝つことはなく20戦5勝で引退し日本に渡ることになります。

 

ここからはノーザンテースト系の特徴と代表産駒、今の日本にその血がどのように受け継がれているかというのをご紹介していきます。

 

代表産駒

 

アンバーシャダイ

父:ノーザンテースト

母:クリアアンバー

馬主:吉田善哉

調教師:二本柳俊夫 (美浦)

生涯成績:32戦10勝

主な勝ち鞍:1981 有馬記念(GⅠ)
      1983 天皇賞・春(GⅠ)

 

アンバーシャダイは4歳(現3歳)の1月にデビューし2戦目で勝ち上がりますが、その後は勝ちきれないレースが続き2勝目をあげるのは通算11戦目であるこの年の12月でした。

 

本格化をするのは5歳(現4歳)になってからで、10月の毎日王冠で2着した後に11月の目黒記念で勝つと、その勢いで年末の有馬記念も勝ち、GⅠ馬の仲間入りをすることになります。

 

そこからも息の長い活躍を続け、2年後の1983年の天皇賞・春を制します。そして、後ほどご紹介もしますがノーザンテースト系を日本で受け継ぐ上で重要な種牡馬となります。 

 

ギャロップダイナ

父:ノーザンテースト

母:アスコツトラップ

馬主:社台レースホース

調教師:矢野進 (美浦)

生涯成績:42戦10勝

主な勝ち鞍:1985 天皇賞・秋(GⅠ)
      1986 安田記念(GⅠ)

 

ギャロップダイナは3歳(現2歳)の7月にデビュー戦勝利を収めますが、5歳(現4歳)の春まで条件馬としてレースを続けます。

 

そして、6歳(現5歳)の秋、重賞未勝利の立場で天皇賞・秋を迎えます。レースは皇帝シンボリルドルフがどのような勝ち方をするかに注目が集まり、ギャロップダイナは13番人気の低評価でした。

 

しかし、レースではシンボリルドルフをギャロップダイナが捉え、当時のレコードタイム1分58秒7で勝ち波乱の天皇賞として語り継がれる激走を見せます。

 

その後も安定感の欠いた競馬が続くものの、翌年には東京新聞杯と安田記念を勝つなどし、さらにフランス遠征を行うなど日本の競馬ファンを楽しませてくれました。

 

クリスザブレイヴ

父:ノーザンテースト

母:クリスザレディー

馬主:社台レースホース

調教師:秋山雅一 (美浦)

生涯成績:19戦9勝

主な勝ち鞍:2001 富士ステークス(GⅢ)

 

新馬戦・百日草特別と強い勝ち方で連勝したクリスザブレイヴは、「ノーザンテースト最後の大物」と注目を集め、3戦目の朝日杯3歳ステークス(現朝日杯フューチュリティステークス)では、3.6倍の1番人気の支持を受けることになります。

 

このレースでは残念ながら15着と大敗を喫することになりますが、引退まで多くのファンがいる人気の馬でした。

 

翌年は脚元の不安の影響もあり、わずか2戦しかレースに出走することができず、本格化をすることになるのは5歳(現4歳)になった1999年の夏でした。

 

7月に新潟の石打特別を制してから福島民報杯まで4連勝し、その後は重賞戦線で活躍します。GⅠでは上位に食い込むことはできませんでしたが、オープン特別4勝と富士ステークスを制しました。

ノーザンテースト最後の大物として引退後は種牡馬としても期待されますが、日本では活躍馬を輩出することができず、2005年に中国に輸出されました。

 

代表種牡馬の紹介

 

アンバーシャダイ

ノーザンテースト産駒として最も活躍したアンバーシャダイは、種牡馬としても大活躍をします。

 

宝塚記念を含む重賞を4勝したメジロライアンや日経新春杯を勝ち、GⅠでも3度の2着と一線級で長く活躍したカミノクレッセ、平地では菊花賞トライアルの神戸新聞杯と愛知杯、障害では東京ハイジャンプと阪神スプリングジャンプと、平地と障害で重賞を制したカネトシガバナーなど、多くの活躍馬を輩出しました。

 

メジロライアン

アンバーシャダイがつないだノーザンテーストのバトンを唯一繋いだのがこのメジロライアンです。

 

アンバーシャダイ産駒として最も多い賞金を稼いだこの馬は、天皇賞・春を含む重賞を7勝したメジロブライト、GⅠ5勝を含む重賞を7勝したメジロドーベルなど、こちらもファンの記憶に残る名馬を多く出しました。

 

ただ、残念なのは名牝メジロドーベルの子供が現時点で10世代生まれていますが、まだ重賞ウィナーが出ておらず繁殖牝馬としては今ひとつなのが残念なところです。 

 

メジロブライト

なんとか受け継がれてきたノーザンテーストの血脈ですが、メジロブライトが最後の種牡馬になってしまいます。

 

メジロブライト産駒の中で唯一、重賞(ステイヤーズステークス)を勝ったマキハタサイボーグは、気性難の影響で去勢されセン馬となったため後継者を作ることはできません。

 

こうなってしまった今、何としてもメジロドーベル産駒の中から活躍馬が出て、この血脈の存在感を示してほしいところです。

 

血統の問題

ノーザンテースト系の大きな特徴は成長力が緩やかであることから古馬になってから活躍する傾向があること、そしてタフな馬場でこそ力を発揮するということです。

 

そういったことから高速馬場化がどんどん進んでいる今の日本の競馬には、この血統が対応することができなかったということが、ノーザンテースト系が現代に生き残らなかった大きな要因と言えるでしょう。

 

猫と仲が良かったノーザンテースト

日本で長く生活をしたノーザンテーストの一番有名なエピソードは、種牡馬としての成績のみならず、牧場に出入りしていた猫と非常に仲が良かったということです。

 

競走馬と猫が仲がいいというエピソードは世界中で多く耳にしますが、ノーザンテーストに関してはかなり有名な話で、ハートフルな一面も残してくれました。

 

まとめ

今回はノーザンテースト系について取り上げました。

 

多くのGⅠウィナーを出したこの血脈ですが、今の日本競馬の歴史についていけませんでした。

 

血統のトレンドは年々変化していくので、今栄えている血統も10年後には当たり前のように衰退していくことは、残念ながら他でも見られると思います。

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