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日本種牡馬界に彗星のように現れ、数々の記録を作ったサンデーサイレンス。
現在はその仔が何頭も種牡馬になり、孫たちの戦いになっています。
そんなサンデーサイレンス産駒の中でも、特に強かった馬を年代別の順序で10頭挙げてみたいと思います。
1. フジキセキ(1992年産)
サンデーサイレンスの初年度産駒で、いきなりGⅠ勝ちをした馬(朝日杯3歳S)。
翌年の弥生賞から始動し、勝ってさあクラシックというときに屈腱炎を発症し、そのまま引退→種牡馬になりました。
クラシックに出ていても好勝負したのは間違いないかと思いますが、予想に反して産駒の成績は、大レースを勝てない・距離に限界がある・脚元が弱いなど、あまり良いものではありませんでした。
2. ダンスインザダーク(1993年産)
姉がサンデー初年度産駒のダンスパートナー、兄が重賞3勝のエアダブリンですので、本馬も当然注目されました。
ハナから目標はダービーに置かれ、皐月賞をパスして臨みましたがフサイチコンコルドの一世一代の走りによって2着。
雪辱を晴らすべく菊花賞に臨み、4コーナー絶望的な位置から追い込んでGⅠ制覇しました。
次年度の活躍が期待されましたが、菊花賞のレース後に屈腱炎が判明し、そのまま引退となりました。
種牡馬入り後は菊花賞馬を3頭(デルタブルース、ザッツザプレンティ・スリーロールス)出し、産駒は長距離志向の傾向があるようです。
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3. サイレンススズカ(1994年産)
ここに挙げた馬の中で唯一子孫を残せなかった馬です。
現役時代、特に5歳時は初戦のバレンタインSから毎日王冠まで6連勝。
それもほとんどが圧倒的なスピードの違いによる逃げ切りで、天皇賞(秋)も確勝かと思われましたが、まさかの故障発症で生涯を閉じました。
もしも子孫を残せていたらどれだけのスピードを伝えられただろう・・・という思いは残ります。
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4. ステイゴールド(1994年産)
サイレンススズカとは同期で、まるで入れ替わるように活躍し出した馬。
しかも丈夫に7歳まで走り、50戦7勝の成績を残して種牡馬入りしています。
現役時は2着(12回)の多い馬で、GⅠ2着も4回あります。
また、5歳(現4歳)の日経賞から34戦連続GⅠ、GⅡしか走っていないのも凄いところです。
最後の最後に香港ヴァーズで追い込みを決め、初GⅠ制覇して引退しました。
種牡馬としてはある意味現役時よりも優秀で、3冠馬オルフェーブルをはじめ、ドリームジャーニー・ゴールドシップ・レッドリヴェールなどのGⅠ馬を出し、まだまだ活躍できそうでしたが、昨年亡くなってしまったのは残念でなりません。
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5. スペシャルウィーク(1995年産)
17戦10勝2着4回で、着外は一度だけという、まさに超A級馬です。
GⅠもダービー・天皇賞(春)(秋)・ジャパンカップと、GⅠの中でも最高峰のレースに勝っていますので、底力も抜群でした。
引退レースになった有馬記念でのグラスワンダーとの死闘(数センチ差で2着)も、今でもベストレースに挙げる人は多いです。
また、17戦中12戦で上がり最速を記録しており、しっかりした末脚を持っていることがわかります。
種牡馬としてもシーザリオ・ブエナビスタ・トーホウジャッカルなどGⅠ馬を出し、現役時同様、成功を収めています。
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6. マンハッタンカフェ(1998年産)
同期のジャングルポケットがダービーを勝ったころは、まだ500万の馬でしたが、8月の札幌で連勝してから馬が変わり、トライアルのセントライト記念は4着に負けますが、菊花賞・有馬記念と連勝し、近年稀にみる夏の上がり馬でした。
翌年の天皇賞(春)も制し、長距離に強いところを見せました。
秋に凱旋門賞に挑戦しましたが、13着と大敗し、レース後に屈腱炎が判明して引退となりました。
種牡馬としてはレッドディザイヤ・ヒルノダムールなどGⅠ馬も出していますが、グレープブランデーのようなダートの一流馬や、クイーンズリングのような短距離型も出しており、オールマイティな仔が活躍しています。
7. デュランダル(1999年産)
サンデーサイレンスの短距離部門と言えばこの馬とビリーヴでしょうが、マイルまで対応できた点でこちらを選びました。
完全な追い込み馬で、GⅠでの上がりの平均が33.4と、抜群の末脚を持っていました。
種牡馬としてはオークス馬エリンコートが唯一のGⅠ馬ですが、2013年に14歳で亡くなっており、今年の産駒がラストクロップになりますので、最後に大物を出して欲しいですね。
8. スティルインラブ(2000年産)
牝馬3冠。
これだけでもここに選ぶ価値はあると思いました。
血統でいうならこれより上のアドマイヤグルーヴとの対戦で、クラシックは全て勝ったのですから凄いです。
しかも3冠すべて2番人気(1番人気はすべてエアグルーヴ)で勝ったのはこの馬くらいではないでしょうか。
エリザベス女王杯で一矢を報いられましたが、外国馬にも古馬にも先着したのですから、この年の牝馬はこの2頭が抜けていたと思います。
しかし、翌年から牡馬混合の重賞に出走するも振るわず、府中牝馬Sの3着が最高でした。
残念なのは繁殖入り後、一頭産み落としただけで、7歳で亡くなってしまったことです。
>> スティルインラブの血統とアドマイヤグルーヴとの対決、産駒、急死と死因
9. ダイワメジャー(2001年産)
ダートの未勝利勝ち→スプリングS3着→皐月賞優勝と一気に開花し、古馬になってからはマイル~2000mで安定して走った馬です。
スピードがあるため、常に好位差しのスタイルで、大敗したのは-16キロと馬体が大幅に減っていたオールカマーと宝塚記念くらいのもので、GⅠも天皇賞(秋)、安田記念、マイルチャンピオンS(2回)とGⅠ5勝の実績は他のサンデー産駒のなかでもトップクラスです。
種牡馬としても優秀で、今年が6世代目ですが、カレンブラックヒル・コパノリチャード・メジャーエンブレムの3頭のGⅠ馬を出し、種牡馬リーディングでも毎年トップテン以内に入る活躍を見せています。
>> G1を5勝した名馬ダイワメジャー産駒の特徴、コース別成績、適性
10. ディープインパクト(2002年産)
言わずと知れた三冠馬。
無敗で三冠を取ったのはシンボリルドルフとこの馬しかいません。
負けたのはハーツクライを捉えきれなかった有馬記念と、失格になった凱旋門賞だけで、あとはほぼ圧勝。
なんと出走したレース全てで最速の上がりをマークしており、まさに次元の違う走りでした。
また、単勝のオッズが全て1倍台というのもものすごい記録です。
武豊騎手の「走っているというよりも、飛んでいる感じ」というコメントも有名になりました。
種牡馬としても現役の活躍をそのまま引き継いでいるようで、2012年から現在までリーディングサイアートップ継続中。
マカヒキをはじめ、マルセリーナ・ジェンティルドンナ・ショウナンパンドラ・キズナなどGⅠ馬多数で、父サンデーサイレンスの記録を超えそうな勢いです。
>> 無敗の三冠馬ディープインパクト産駒の特徴、コース別成績、適性
>> ディープインパクトはどこがすごい?伝説と言われたレース、理由を解説
まとめ
わずか10年そこそこの間にこれだけの産駒を残したサンデーサイレンスですが、その中でも最高傑作を選ぶとすれば、間違いなくディープインパクトでしょう。
ある意味、現役時代も種牡馬としても父を既に超えてしまっている感があります。
総合的に見ると、日本競馬史上の最高傑作と言っても過言ではないように思います。
もしもディープインパクトがいなかったとしても、スペシャルウィークやダイワメジャーなど、歴史に残る名馬を多数出したサンデーサイレンスの功績はすばらしいものです。
この馬のおかげで、日本の馬が世界レベルになったといってもいいくらいでしょう。
しかし、過去の例からもわかるように、あまりに偏った血統はいずれ衰退の道を辿る運命にあります。
今後はサンデーの血が入った血統ばかりに頼るのではなく、新しいオリジナリティ溢れる血統の継承も必要になってくると思います。
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