2019年も多くの新種牡馬の産駒たちがJRAでデビューをしています。まもなくそれぞれの産駒がデビューしてから半年が過ぎますが、新種牡馬産駒の成績はどのようになっているのでしょうか。
今回は独自に新種牡馬5頭を選び、現役時代の成績も踏まえてこれからの展望を行います。
※各データは2019年11月13日時点の「JRAーVAN NEXT」のデータを使用しています。
リアルインパクト
父 | ディープインパクト |
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母父 | Meadowlake |
初年度産駒数 | 93頭 |
主な勝ち鞍 | 2011 安田記念(GⅠ) 2015 ジョージRS(豪GⅠ) |
全5勝が芝の1400m~1600mに集中し、特に芝1400mでは(3.1.0.1)と、無類の強さを誇りました。
ただ、芝1600mは安田記念こそ勝っていますが(1.2.1.12)で、連対率18.8%、3着内率25%と決して得意ではありませんでしたし、芝1200mでも(0.0.0.2)とまったく歯が立たなかったので、芝1400m専門の馬でした。そういった点では、母トキオリアリティーの良さを父ディープインパクトが引き出してくれたのでしょう。
また、豪州のGⅠを2戦して1・2着と現地の芝への適性の高さを見せました。こういったことから、リアルインパクトは欧州産馬のキンシャサノキセキに近い種牡馬になるのではと考えています。
まだ出走回数が100回に満たない状況ですが、1600m以下の芝を得意にしており3回に1回以上の確率で3着内に入る好成績を残しています。
エピファネイア
父 | シンボリクリスエス |
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母父 | スペシャルウィーク |
初年度産駒数 | 157頭 |
主な勝ち鞍 | 2013 菊花賞(GⅠ) 2014 ジャパンカップ(GⅠ) |
母はオークス馬シーザリオで良血ということもあり、父サンデー系の種牡馬を除けば最多の157頭の種付数と誇ります。父シンボリクリスエスは、2003年の有馬記念をレコードで勝ち、同年の天皇賞(秋)もタイレコードで1着と芝の高速馬場を得意とする馬でした。しかし、個人的に印象に残るレースは2013年、不良馬場で2着に5馬身の差で勝った菊花賞です。最後はムチを使わないほど楽な勝ち方でした。
この馬自身は、力の要る芝が得意な母母父サドラーズウェルズの血を強く受け継いでいるので、道悪巧者が多く出てきそうです。
実際に、芝の良馬場の3着内率が38.1%に対して、芝の稍重馬場の3着内率は58.3%と驚異的な数字を残しています。距離も短距離から中距離までまんべんなくこなしていますし、かなり期待できる種牡馬と言っていいでしょう。
ロベルト系種牡馬の勢いが薄れてきたいま、この馬にその血を色濃く残してもらいたいものです。
キズナ
父 | ディープインパクト |
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母父 | Storm Cat |
初年度産駒数 | 182頭 |
主な勝ち鞍 | 2013 日本ダービー(GⅠ) |
2019年、新種牡馬の最大の目玉はキズナです。
ディープ系の後継種牡馬の筆頭格と評価されていますが、私は期待されているほど出世はしないと考えています。その最大の理由は、現代の高速馬場に対応できないかもということです。キズナが好走したレースの中で、時計の速い決着は一度もありませんでした。日本ダービーも平均ペースで流れた割には勝ちタイムは平凡(2分24秒3)でした。
また、GⅠを3勝したキズナの半姉ファレノプシスも(父ブライアンズタイム)、時計の速い決着よりパワーの要る芝の方が合う馬でした。セイウンスカイの2着に食らいついた札幌記念がそれを象徴するレースです。特に今の東京競馬場はかなり時計の出る馬場になっているので、大舞台でどこまで対応できるか疑問です。
フェノーメノ
父 | ステイゴールド |
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母父 | デインヒル |
初年度産駒数 | 90頭 |
主な勝ち鞍 | 2013 天皇賞・春(GⅠ) 2014 天皇賞・春(GⅠ) |
春の天皇賞を連覇しているように現役時は、長距離戦で結果を出しました。父ステイゴールドも長めの距離や力の要る馬場で活躍をしましたし、母父デインヒルの血をしっかり受け継いでいるのではないでしょうか。実際、この馬の兄弟馬もスピード不足で通用しなかった馬が多くいた印象です。
産駒は豊富なスタミナを持った馬が多く出てきそうですが、非サンデー系のスピードが豊富な肌馬とうまくかみ合えば、距離の幅が利いた活躍をする馬も現れるのではないでしょうか。
また、現時点で4勝しかできていませんし、晩成型の種牡馬の可能性もありそうです。
エスケンデレヤ
父 | Giant's Causeway |
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母父 | Seattle Slew |
初年度産駒数 | 86頭 |
主な勝ち鞍 | 2009 BCジュベナイル(米GⅠ) 2010 ウッドメモリアルS (米GⅠ) |
現役時代はアメリカのGⅠ2勝にとどまりましたが、種牡馬として多くの重賞ウィナーをアメリカで輩出して日本へ輸入されることになりました。
この馬の父Giant's Causewayは、日本で産駒が多く出走していますが、2歳時と古馬になってから(4歳以降)活躍するという特徴がありました。また、芝・ダート問わず、短距離から中距離でも成績に大きな差がないのも特徴です。また、母父Seattle Slewは日本で走った産駒は2歳戦で無類の強さを誇りました。
Seattle Slew産駒 JRA成績(2歳戦)
芝: 勝率25% 3着内率58%
ダート: 勝率29% 3着内率59%
この血統背景を考えると、エスケンデレヤ産駒は2歳戦から活躍する早熟タイプで芝・ダート関係なく活躍する馬が多く出ることが想定できますが、現時点ではわずか2勝と初年度産駒が86頭いる割にはかなり寂しい成績となっています。今後の動向に注目したいと思います。
参考:アメリカ種牡馬であるエスケンデレヤの産駒特徴、成績は?種付け頭数、種付け料も紹介
カレンブラックヒル
父 | ダイワメジャー |
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母父 | Grindstone |
初年度産駒数 | 64頭 |
主な勝ち鞍 | 2012 NHKマイルカップ(GⅠ) |
カレンブラックヒルは芝のGⅠを勝ちましたが、きょうだいにはダートを得意とする馬の方が多かったので芝・ダート兼用の馬を出しそうな雰囲気があります。実際に現状では芝が2勝でダートが4勝となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は2019年の新種牡馬注目の5頭を紹介しました。もっとも注目されているキズナ産駒はそれなりに結果を残していますが、リアルインパクトやエピファネイアの活躍にも注目です。
まだ1シーズン目でサンプル数が少ないなかでの見解なので、今後はそれぞれの産駒たちがどのような結果を残していくか非常に楽しみです。
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