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ゴールドシップという馬をご存じでしょうか。
ゴールドシップは
父ステイゴールド
母ポイントフラッグ
母の父メジロマックイーン
という血統です。
父ステイゴールド×母の父メジロマックイーンの配合は通称
ステマ配合
と称され、この配合の馬はレースで好成績を収めることから、ステイゴールドが種牡馬時代繁殖業者の間で話題となりました。
三冠馬オルフェーブルは父がステイゴールドで母の父がメジロマックイーンのステマ配合で誕生した馬です。
ゴールドシップの話に戻ります。
ゴールドシップは前述したオルフェーブルの一つ年下の馬になります。現役時代に皐月賞(2012)、菊花賞(2012)を勝ちました。同期の有名な馬はディープブリランテでしょう。ディープブリランテは日本ダービーを制しました。牝馬三冠、ジャパンカップ連覇を成し遂げ、有馬記念で有終の美を飾ったジェンティルドンナもゴールドシップの同期になります。
ゴールドシップは3歳の時に有馬記念(2012)を制します。
古馬になってからも
宝塚記念(2013)
宝塚記念(2014)
天皇賞(春)
と、最終的にはG1タイトルを6つ獲得しました。
6歳の天皇賞(春)を最後に勝ち切ることなく引退してしまいましたが、ステマ配合特有の気性の荒さと芦毛の美しさは、多くの人に興奮をもたらしたことでしょう。
引退してからは北海道新冠町のビッグレッドファームにて種馬として生活しているゴールドシップ。
そのゴールドシップの仔が2019年からデビューしています。
当記事ではそんな、ゴールドシップ産駒の特徴をまとめてみました。
主なゴールドシップ産駒の一覧
(2019年10月31日時点でのデータです)
ブラックホール 獲得賞金3299万円
母ヴィーヴァブーケは中央で1勝を上げて繁殖入りしました。
2019年の札幌2歳ステークスを勝ち切り、ゴールドシップ産駒として初の重賞タイトルを獲得しました。ちなみにこの年の函館2歳ステークスは新種牡馬であるキズナ産駒のビアンフェが勝ち切り、2歳の重賞を新種牡馬の仔が2勝しました。
サトノゴールド 獲得賞金1912万円
馬主はサトノの冠で有名な里見治氏です。
サトノダイヤモンドやサトノクラウンの馬主ですね。サトノゴールドの母マイジェンはアメリカの馬です。
2019年、函館の新馬戦でデビューし、武豊騎手を背に勝利しました。
続く札幌2歳ステークスで勝ち馬ブラックホールに次いでの2着でした。この年の札幌2歳ステークスはゴールドシップ産駒のワンツーフィニッシュとなりました。
ジュニパーベリー 獲得賞金630万円
ゴールドシップ産駒の牝馬です。母エキナシアは短距離ダートで3勝しました。
どちらかというと母親の血のほうが濃く反映されているようでデビュー4戦目にして芝の1000mを勝ち切りました。
短距離戦での活躍に期待があがりますね。
ボギータイサ 獲得賞金610万円
母レッドルンバは地方競馬で走っていた馬で地方で2勝をあげました。父母ともに芦毛の馬でボギータイサも芦毛の仔。
デビュー2戦目のダート戦で勝利をおさめています。
ゴールドシップ産駒の特徴
主な産駒の勝利レースを見てもらえたらわかるように、スタミナとパワーを兼ねた馬が多いでしょう。
父ゴールドシップが典型的なステイヤーだったように、その特徴が仔にも反映されています。
分かりやすいのはブラックホールとサトノゴールドのワンツーフィニッシュとなった札幌2歳ステークスです。札幌2歳ステークスは札幌の最終週に開催される重賞です。中央競馬において札幌・函館競馬場は全面洋芝が敷かれています。
どうして札幌・函館競馬場のみ、全面洋芝なのでしょうか。
札幌・函館競馬場のある北海道はいうまでもありませんが寒冷な地域です。北海道は近年、温暖化の影響で30度を超す日も増えていますが、8月の札幌の平均気温は22度前後と、全国の主要都市の中では非常に冷涼な気候です。
その気候に対応するには本州の競馬場で敷かれている野芝では枯れてしまうため、札幌と函館の2つの競馬場では全面洋芝を用いられています。
余談ですが札幌と函館以外の競馬場で洋芝は使われていないかというとそうではありません。札幌・函館以外の競馬場はかねてから日本で自生していた野芝を使用されてきました。
ところが、この野芝は冬の寒い時期になると色が茶色くなります。
1980年代の国内の競馬場は全面野芝の競馬場がほとんどでした。そのころのレース映像を見るとまるでダートでレースをしているように見えます。全面野芝でもレースに大きな影響はありませんが、テレビ映えしないということで、野芝に洋芝を蒔いたオーバーシード法が開発されました。
そのため、本州の競馬場は全面野芝ではなく、野芝と洋芝がブレンドされたオーバーシード法が使用されています。
さらに余談ですが、元々は緑化を目的としてJRAが取り組んできたこのオーバーシード法は他のスポーツ界、ひいては行政の目にも止まり、例えば球場や公園の緑地計画のも活用されています。
閑話休題。
洋芝の特徴としてはスピードよりもパワーのある馬のほうが結果を残す傾向が強いことでしょう。
まさに、ブラックホールが勝ち切った札幌2歳ステークスの2週間前には夏の総決戦ともいえる札幌記念(G2)が開催されました。夏の時期、春に結果を残した有力馬は秋の大舞台を目標に放牧に出されますが、札幌記念は毎年有力馬が集まることで有名なレースです。
この年の札幌記念は菊花賞馬と天皇賞春を勝ったフィエールマンを筆頭に、ダービー馬ワグネリアン、グランプリホースであるブラストワンピースが出馬を表明。昨年のクラシック路線を賑わせた3頭が揃い、例年以上に盛り上がりました。
1番人気に支持されたのは出馬の中で唯一G1を2勝したフィエールマンでしたがこの札幌記念を制したのは昨年、稍重馬場の有馬記念でレイデオロやキセキを捻じ伏せたブラストワンピースでした。高速馬場の天皇賞春を勝ったフィエールマンよりもパワータイプのブラストワンピースのほうが札幌の馬場と相性がよかったのでしょう。
話を戻します。
札幌2歳ステークスを勝ったブラックホールは5番人気、2着のサトノゴールドは3番人気と決して人気を集めていたわけではありません。
1番人気はルメール騎手騎乗のゴルコンダでした。
ゴルコンダは前走の未勝利戦で札幌の芝1800mを勝ち切りました。
そうです。札幌2歳ステークスと同じ条件下で勝ち切り、しかも1.48.3のレコード勝ちをしました。
舞台適正と前走のタイム、鞍上が絶好調のルメール騎手ということでゴルコンダが人気を集めましたが、結果的に上位入選したのはゴールドシップの仔であるブラックホールとサトノゴールドでした。
もちろん、ゴルコンダが勝った時期の札幌の馬場と、この札幌2歳ステークスが開催された最終週の馬場は比較できませんが、札幌2歳ステークスが開催された最終週の馬場は、ゴルコンダが勝ったときの馬場よりも時計がかかっていて、タフさが求められていました。
そのタフさが求められていた馬場を制しきったことを考えると、ゴールドシップの仔はスタミナとパワーを秘めた馬が多いかもしれません。
考えてみれば、父ゴールドシップも現役時代この札幌2歳ステークスで2着に好走していますしね。
ゴールドシップ産駒の成績
(2019年10月31日時点でのデータです)
産駒数 157頭
中央での勝利数 6回
重賞勝利馬 1頭(札幌2歳S ブラックホール)
ゴールドシップ産駒の狙いどころ
産駒デビューして4か月近くたちます。まだデビューしてから日が立っていないので産駒の特徴は正直つかみにくいですが、前述したように、タフな馬場での好走が目立ちます。
買いどころはブラックホールやサトノゴールドが結果を残した札幌・函館の全面洋芝の競馬場で買いたいところですが、あいにく今年の札幌・函館開催は終了しました。
中央でも雨で馬場が重たくなったり、開催最終週で馬場が荒れていたほうが産駒にとっては出し切りやすいかもしれません。
歴史の浅い産駒なので一概にはいえませんが、今後もゴールドシップ産駒の動向に注目していきたいところです。
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