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キズナ産駒一覧と特徴や評判を紹介!ディープ後継として期待大

2011年3月11日。

 

日本、いや、世界中を震撼させた東日本大震災により東北をはじめ、東日本の各地で大きな被害に見舞われました。

 

日本中が東日本大震災の話題で一色になる中、当時無名のキズナを管理していたノースヒルズの代表である前田幸治氏は震災の2週間後にドバイワールドカップデーのためにドバイに遠征します。

 

前田氏がドバイに就いたころ、東日本大震災のニュースは世界中を轟かせていました。諸外国の方がドバイに遠征した前田氏に温かい言葉、励みの言葉をかけます。前田氏はその言葉に強く感銘を受けました。

 

帰国した前田氏はドバイで頂いた温かい言葉がいつまでも忘れられませんでした。その感動を牧場で一番期待していた一頭の馬の名前にします。

 

その馬はキズナと名付けられました。

 

前振りが長くなってしまいました。

 

現役のキズナは多くの人の期待を背に、デビュー戦から勝ち星をあげます。

 

皐月賞をパスして挑んだ京都新聞杯を勝ち切り、迎えた日本ダービーでは武豊騎手を背に、府中で痛烈な末脚を伸ばして見事優勝しました。

 

震災のために日本各地が暗いムードに包まれていた中、復興の合言葉でもあった「」という名前の馬が3歳クラシックの頂点に立ったのです。

 

ダービー馬となったキズナは世界最高峰のレースである凱旋門に挑戦もしましたがダービー以降、勝ち星をあげることができません。

 

古馬になってからは怪我のために出走を余儀なくされましたがそれでも陣営の努力のすえ復活を集め、多くのファンの期待に応えました。

 

しかし、5歳時に出走した天皇賞(春)を最後に再び怪我してしまい、そのまま引退が決まりました。

 

引退後はポストディープインパクトとして種牡馬入りします。

 

そして2019年に産駒がデビューしました。

 

今回紹介したいのはキズナの競走馬時代の成績ではなく、キズナ産駒についてです。

 

ちょうど産駒がデビューした直後に偉大なる名馬でもありキズナの父であるディープインパクトが死亡してしまいました。

 

ポストディープインパクトとして有力視されるキズナ産駒がどのような特徴を持っているのかを紹介していきます。

 

代表的なキズナ産駒一覧

(2020年3月16日のデータです)

 

ビアンフェ 獲得賞金5446万円

キズナの初年度産駒で初重賞を上げたビアンフェが得意とするのは短距離競馬です。

 

デビューは函館の芝1200m戦。その時の函館は曇天の稍重馬場でした。2着に敗れはしたものの勝ち馬オータムレッドに着差0.0秒差の競馬を披露します。

 

2戦目に選択したのは同じく函館の稍重馬場で開催された芝1200mの未勝利戦。ここで大接戦の末見事勝利し、年度の2歳重賞の門出となる函館2歳ステークスに挑みます。

 

3戦目となる函館2歳ステークスも函館競馬場の芝1200mで開催される短距離戦です。デビューから全く同じ舞台を選択しましたがここでは4番人気にまで支持を落とします。

 

人気を集めたのはタイセイビジョンで阪神の新馬戦を2着馬に2馬身半差をつけ完勝した馬がここに出馬を表明しました。

 

しかしながら、最内枠からの果敢な逃げを披露したビアンフェは最後方から追撃するタイセイビジョンを見事退け、重賞初制覇を成し遂げます。

 

初年度産駒のビアンフェが記念すべきキズナ産駒の重賞第一号となったのです。

 

その後に選択した京王杯2歳ステークスでは函館2歳ステークスで捻じ伏せたタイセイビジョンに差されてしまっての2着で、3歳初戦に挑んだファルコンステークスでも差し有利の舞台に泣かされての9着でした。

 

3歳になってからパフォーマンスを落としていますがまだまだ短距離路線では活躍できると思われる一頭で、今後のスプリング界を担っていく存在になってほしいですね。

 

キメラヴェリテ 獲得賞金680万円(中央)、2500万円(地方)

キメラヴェリテはキズナ産駒を代表するダートホースです。

 

デビューに選択したダート戦では3番人気に支持されながらも13着に敗れてしまいましたが続く未勝利戦で勝ち切り汚名返上を果たします。

 

1勝クラスでも3着に好走しました。その後に選んだのは北海道の門別地方で開催される北海道2歳優駿です。

 

それまでの成績は決して悪いものではありませんでしたがレースの火ぶたが下ろされる際は6番人気でした。

 

しかしながら馬体重が前走より10キロ増えた状態で挑んだ北海道2歳優駿で大きな馬体を活かした逃げで見事勝利をおさめ、初重賞を飾ることに成功しました。

 

その後は川崎で開催されたダートの朝日杯フューチュリティステークスともいえる全日本2歳優駿に挑みましたが9着に敗れてしまい、今年の初戦に挑んだヒヤシンスステークスでも凡走してしまいました。

 

先ほど紹介したビアンフェ同様3歳になってから大敗していますがまだまだ成長期の馬ですし今後に期待したいところです。

 

クリスタルブラック 獲得賞金4545万円

デビューは師走の中山競馬場でした。

 

怪我から復帰したばかりの吉田豊騎手の手綱のもと挑んだ新馬戦で2着馬に1馬身近い差をつけデビュー戦を勝利します。

 

その後、1か月ほどの間隔を経て開催された中山の京成杯に出馬を表明しました。

 

ここで人気を背負ったのはルメール騎手が手綱を握るスカイグルーヴでした。

 

スカイグルーヴは何よりも血統的な背景が非常に魅力的な一頭でした。

 

スカイグルーヴの母であるアドマイヤセプターこそ条件戦どまりの馬でしたがその母であるアドマイヤグルーヴオークスを制したエアグルーヴの初年度産駒エリザベス女王杯を連覇しました。

 

アドマイヤセプターの兄弟には2015年の皐月賞・ダービーで後にG1タイトルを7つ手にするキタサンブラックや宝塚記念の勝馬サトノクラウン、ドバイターフを勝ち切ったリアルスティールらを鮮やかに捻じ伏せたドゥラメンテがいます。

 

このような血統背景と新馬戦にて2着馬に0.9秒差つけた鮮やかな勝ちっぷりから、京成杯で20年近く勝ち星をあげていない牝馬であるにもかかわらず1番人気に支持されました。

 

対してクリスタルブラックは新馬戦こそ勝ち切ったもののスカイグルーヴをはじめ、前走エリカ賞を制したヒュッゲ、短期免許で来日したマーフィー騎手騎乗のゼノヴァースに支持をもっていかれ、7番人気にまで支持を落とします。

 

幕が下りた京成杯ではほぼ後方待機の形でクリスタルブラックは競馬をします。

 

先行勢に加わりいつでも勝負に出られる位置にいた1番人気のスカイグルーヴが直線で前を捕らえて先頭に立ち、誰もがスカイグルーヴが勝つと思いました。

 

しかし、外差し有利の舞台を知り尽くしていたクリスタルブラック騎乗の吉田豊騎手が直線に入って外に進路を動かすと、クリスタルブラックの手ごたえは抜群でした。

 

前へ走る1番人気のスカイグルーヴを残り200mあたりで捕らえてそのままゴール板を通過。7番人気ながら勝利したのです。

 

このレースは内馬場不利外有利の傾向があったものの後方からじっくり脚を溜めた上に仕掛けどころも抜群で、吉田豊騎手の手腕が光ったレースでした。

 

そして、勝負所でしっかりと反応したクリスタルブラックも高く評価したいところです。

 

良血のスカイグルーヴを鮮やかに差し切ったことで一気に注目を浴びることとなりました。

 

マルターズディオサ 獲得賞金9735万円

牝馬のマルターズディオサもキズナ産駒を代表する馬でしょう。

 

デビューは新潟で2着に敗れたものの同競馬場で開催された未勝利戦を制します。

 

続くサフラン賞も勝利し挑んだのは暮れの2歳女王決定戦である阪神JFでした。

 

ここでは新馬戦にて2着馬に8馬身差の完勝劇を遂げたリアアメリアが人気の中心でその単勝オッズは1.8倍にまで支持を集めました。

 

ほとんどの人がリアアメリアの勝利を確信していました。

 

しかしながら、先行有利の舞台でリアアメリアは思うように末脚を活かすことができません

 

この阪神JFでは逃げを演じたレシステンシアが勝利しましたがマルターズディオサも先行競馬で2着に奮闘しました。

 

そのマルターズディオサの芽がでたのが2020年のチューリップ賞でした。

 

桜花賞トライアルとして例年有力馬が集うこの舞台では前年の2歳女王であるレシステンシアをはじめ、阪神JFで3着に入選したクラヴァシュドールも参戦しました。

 

関東騎手である田辺騎手が騎乗することもありマルターズディオサは4番人気に支持を落としましたがこの舞台で逃げるレシステンシアを捕らえて見事優勝!

 

レシステンシアへのリベンジを果たし、桜花賞の切符を手にすることができました。

 

関東騎手の田辺騎手を背負いながらも阪神FJ、チューリップ賞と阪神競馬場を舞台に好走したのは馬の地力があってのことでしょう。

 

4月に開催される桜花賞でも同世代相手に十分通用する力を世間にアピールできたのです。

 

個性のデパート!キズナ産駒の特徴

ポストディープインパクト産駒として、初年度産駒から早くも重賞馬を4頭輩出したキズナ産駒の特徴を見ていきます。

 

重賞馬4頭を見る限り短距離・マイル・中距離・ダートと距離・舞台を問わず活躍している馬を世に輩出しているのが特徴でしょう。キズナの父であるディープインパクトの産駒も芝であればマイルから長距離まで幅広く活躍していましたがダートでは不振傾向でしたし、短距離路線でもサクラバクシンオー産駒らにリーディングを持っていかれていました

 

距離問わず結果を残しているキズナ産駒は良い意味で異色の存在なのです。

 

なぜキズナ産駒が幅広く活躍できるかというと血統背景にあるでしょう。

 

キズナの母父にあたるストームキャットがアメリカのダートを舞台に走っていたことからダートやタフな馬場での好走事例が多いのではないかと考えられます。

 

ポストディープインパクトを狙うライバルたち

初年度産駒から早くも重賞馬を4頭輩出したキズナ産駒。

 

ポストディープインパクトとして名乗りを上げたもののキズナ以外にもポストディープインパクトの名を上げる馬は数多く存在します。

 

ここではキズナ以外のディープインパクト産駒の種牡馬を紹介しましょう。

 

ディープブリランテ

2012年の日本ダービーを制したディープブリランテは2014年から種牡馬入りし、2016年に初年度産駒を輩出しています。

 

有名な産駒をあげるとラジオNIKKEI賞、中山金杯を制したセダブリランテスが挙げられます。

 

セダブリランテスは中山金杯を制した直後に骨折が判明し、長期休暇を余儀なくされます。

 

復帰戦となった新潟記念で7着に敗れ、そこから1年以上の休暇を経て挑んだディセンバーステークスで勝利し、名誉挽回に努めています。

 

セダブリランテスは重賞2勝を上げた馬ですがそれ以外のディープブリランテ産駒はいまいちピンと来る馬はいません

 

トーセンホマレボシ

2012年の京都新聞杯を制し挑んだダービーで3着に入選したのを最後に引退したトーセンホマレボシもディープインパクトの仔です。

 

代表産駒はセントライト記念、七夕賞を制したミッキースワローです。

 

ミッキースワローはG1の舞台にも出走できるだけの力を持つ有力な一頭ですが、ミッキースワロー以外の仔はそこまで目立った活躍をしていないのが実情で、トーセンホマレボシがポストディープインパクト産駒最有力とはいいがたいです。

 

リアルインパクト

リアルインパクトはディープインパクトの初年度産駒として誕生し、2011年の安田記念2015年にはオーストラリアで開催されたジョージライダーステークスを制しました。

 

代表的な産駒は2019年の小倉2歳ステークスで3着に健闘したラウダシオンでしょう。

 

2020年のファルコンステークスでも2着に好走し、父が成し遂げた東京マイル開催のNHKマイルカップの有力候補として名乗りを上げました。

 

しかし、それ以外の馬でピンと来る馬はおらず、まだまだ将来に期待したい一頭であることが分かります。

 

骨のある馬を輩出しているキズナ

ディープインパクトは種牡馬時代に何千にもなる馬を世に輩出しましたが、ディープインパクトの後継となる馬は今のところほとんどいません。

 

ディープインパクトの種牡馬時代の最大のライバルだったキングカメハメハはすでにルーラーシップロードカナロアといった後継馬が存在し、後々産駒がデビューするドゥラメンテのことを考えると、キングカメハメハのほうが後継馬に恵まれており、ディープインパクトはどうしても後手に回ってしまいます。

 

しかしながら、キズナの仔は初年度産駒からすでに重賞馬を4頭も輩出しており、また、芝・ダートと舞台問わず、また、短距離でも中距離でも距離問わず重賞馬を輩出しているのは非常に興味深いでしょう。

 

キズナ産駒の今後の活躍にもよりますが、ディープインパクトの仔として名乗りを上げた種牡馬の中で最も個性が強く、また期待値の高い馬はこのキズナであると思います。

 

今後もキズナ産駒のレースに注目していきたいところです。

 

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