一般的に馬の平均寿命は20~30年とされていて、中には40歳まで長生きする馬もいるようです。
ギネスブックには62歳まで生きた馬がイギリスにいた事が掲載されています。
「馬の年齢を人間の年齢に換算すると何歳?」との疑問を持たれている方も多いかと思いますが、
馬の年齢 × 4 = 人間の年齢
という式を使うことで換算することができます。
例えば、5歳の馬を人間の年齢に換算すると20歳になり、20歳の馬を人間の年齢に換算すると80歳、という事になります。
さて、馬の平均寿命や人間の年齢への換算は分かりました。
ここでは、普通の馬と競走馬の寿命の比較や過去に長寿だった競走馬の紹介をしていきたいと思います。
競走馬(サラブレッド)の寿命は短い?
人間でも過度なトレーニングをして体を大きくしなければいけないスポーツ選手(プロレスラー、相撲力士など)は、平均寿命よりも早く死亡するケースが見られますが、競走馬の場合でも同じような事がいえると思います。
競走馬は若い頃から心肺機能を鍛えるために厳しいトレーニングを重ねますし、競馬場でのレースでは心身をギリギリのところまで追い詰めます。
牧場でのんびりと過ごしている普通の馬よりも、日々ハードなトレーニングを重ねている競走馬の方が死亡するリスクが高いのは明らかですし、競走馬の寿命が普通の馬よりも短くなってしまうのは致し方ない事だと思います。
長寿だった競走馬は?
普通の馬よりも寿命が短い競走馬ですが、中には平均寿命以上に長生きした競走馬もいました。
シンザン(1961年~1996年)
1964年に史上2頭目となる牡馬クラシック三冠を達成した、昭和中期のスーパースターです。
馬の平均寿命を雄に超える35歳まで長生きしました。
現役中は19戦して15勝、2着4回を記録。
生涯の2着以内率が100%という日本記録を樹立しています。
2014年8月26日にシャルロットという馬に更新されるまで、日本のサラブレッドの最長寿記録を保持していました。
メジロティターン(1978年~2009年)
1982年に天皇賞(秋)を当時のレコードタイムで優勝するなど、現役中に重賞を3勝した名ステイヤーで、31歳まで生きました。
現役引退後に種牡馬入りをしていて、代表産駒にはG1を4勝したメジロマックイーンがいます。
父・メジロアサマと子供のメジロマックイーンと合わせて、父子3代で天皇賞優勝という不滅の記録を樹立しています。
ハイセイコー(1970年~2000年)
1970年代に第一次競馬ブームを巻き起こしたアイドルホース。
30歳まで生きました。
オグリキャップと同様、デビューの地は地方競馬(大井競馬場)。
地方競馬で圧倒的なパフォーマンスを見せ、鳴り物入りで中央競馬に移籍し、皐月賞などを優勝しました。
命を懸けて走る競走馬
競走馬の寿命が短くなる要因の1つとして挙げられるのが、レース中のアクシデントです。
レース中に脚のケガや心肺系の病気を発症し、予後不良の診断を受け、安楽死となるケースも珍しくありません。
テンポイントやライスシャワー、ホクトベガ、サイレンススズカ、といった日本競馬界を代表する名馬もレース中のアクシデントが原因となって死亡しています。
馬券の当たり外れに一喜一憂するのも競馬の醍醐味ではありますが、競馬は競走馬が無事に走り切ってこそですからね。
自身の命を懸けてレースに挑んでいる競走馬の事を思いやりながらレースの行方を見守っていただければ幸いです。
こちらの記事もおすすめ
>> 競走馬は引退後どこで何をしているのか?新たな活動、サンクスホースプロジェクトについて
>> 2017~2019年に死亡した競走馬の活躍と死因まとめ