競走馬の競走寿命は相当長い馬で7年、普通は3~4年程度。
レースから引退した馬たちは、その後どうしているのでしょうか?
ここでは、競走馬のレース引退後について書いていきたいと思います。
競走馬のレース引退後の生活
繁殖馬として牧場で暮らす
最もよく知られているのは繁殖に上がるという道です。
牡馬ならば種牡馬として、牝馬ならば繁殖牝馬として後世に優秀な血統を残すために生産牧場やスタッド(種牡馬を繁用するための牧場)に戻って余生を過ごします。
ただ、繁殖に上がれる馬は血統が優秀、優れた競走成績を残したなど、ごくわずかな馬達だけが進める道です。
功労馬として牧場で暮らす
その次は功労馬として民間や功労馬支援団体の牧場で余生を過ごすという道です。
重賞競走(格式の高いレースで普通はGⅠ,GⅡ,GⅢと表記)の勝ち馬にはJRAから毎月功労馬支援金が交付されます。
ただしかなり厳しい条件があり、重賞を勝ったからと言って簡単には功労馬にはなれません。
競馬場の誘導馬として働く
3番目はJRAでの入場誘導馬、ホースパーク等での乗馬、馬術競技用馬になって余生を過ごすという道です。
以下は現在誘導馬や競技用馬として活躍している馬たちです。
入場誘導馬
京都競馬場には天皇賞馬『ビートブラック』
小倉競馬場には小倉三冠馬『メイショウカイドウ』
函館競馬場には函館記念3連覇『エリモハリアー』
ホースパーク
北海道のホースパークには『ドリームパスポート』
大手乗馬クラブには『オースミブライト』や『マルカフェニックス』が所属
馬術競技用
大学の馬術部で『モチ』や『ロードオブザリング』が活躍中
より多くの引退馬が活躍できる環境を作る取り組みサンクスホースプロジェクト
また、JRA栗東所属の角居勝彦調教師がプロジェクトファウンダー(発起人)となって賛同者から広く資金を集め、ただ引退した競走馬に余生を送らせるだけでなく馬術や乗馬、馬を使ったセラピーなどで引退馬を利用できるようにリトレーニングする、サンクスホースプロジェクトという活動を始めました。
JRAからは武豊騎手や福永祐一騎手、大竹調教師、オリンピック馬術の大谷選手や杉谷選手らも賛同しており、今までの課題であった引退馬の余生についての解決策の一つとして注目を集めています。
これらの活動によって、引退馬の活躍の場を広げるために受け入れる牧場や施設も増えてきています。
サンクスホースプロジェクトのホームページはこちらです。
http://www.thankshorseproject.com/
1日33円(月額1000円)から支援もできるみたいです。
このような取り組みがあるということだけでも知ってもらえればと思います。
上記の生活を送れるのは全体の1%
毎年7000~8000頭のサラブレッドが誕生しますが華やかな舞台で走るのはごく一部で、ほとんどは表舞台に出ること無く生涯を終えます。
上記のような余生を送れるのはサラブレッド全体のわずか1%と言われ、残りの99%はいわゆる殺処分です。
競馬という華やかな舞台の裏ではこのような悲しい行為が行われていることに、競馬ファンとして少しは目を向ける必要があるのかも知れません。
何かの機会に、引退馬、功労馬の支援プロジェクトのホームページを覗いてみてください。
より良い馬とのつきあい方が見つかるかも知れませんよ。