お披露目式での写真。当時29歳 2010年11月28日撮影
「ルドルフには絶対がある」と言わしめた名馬シンボリルドルフ
「日本競馬史上の最強馬はどの馬か」という話を競馬ファンなら誰でもしたことがあると思います。
ここ10年では記憶に新しいディープインパクトやオルフェーヴル、20年ほど前ならナリタブライアンが挙げられることでしょう。
戦後初の三冠馬となったシンザンを挙げるオールドファンも少なくないでしょう。
上記の馬たちはすべて三冠馬ですが、ミスターシービーも含めて、これら名馬を凌ぐ評価を未だに受けているのが、1984年に史上初となる無敗の三冠を達成したシンボリルドルフです。
名手岡部幸雄を背にG1を7勝しており、現在でもいわれている「競馬に絶対はない」という格言に対し、「ルドルフには絶対がある」とまで言わしめました。
神聖ローマ帝国のルドルフ1世から名付けられたシンボリルドルフは、その競争成績からも「皇帝」と呼ばれ1984、1985年の競馬界を独占しました。
決して周囲が弱い世代ではなく、一つ上には三冠馬のミスターシービー、G1を2勝したギャロップダイナ、一つ下には二冠馬ミホシンザンという顔ぶれが揃っていました。
国内レース15戦13勝という圧倒的な成績
シンボリルドルフは日本国内で15戦して13勝、2着1回、3着1回という完璧な内容で他馬を圧倒したレース内容を見せつけました。
シンボリルドルフの父パーソロンは日本で大成功し、ルドルフ同様に数々のクラシック制覇を成し遂げています。
また、パーソロンの初期産駒である天皇賞を勝利したメジロアサマは子のメジロティターン、孫のメジロマックイーンと親子3代での天皇賞制覇を成し遂げています。
そのマックイーンは母の父として活躍し、ステイゴールド産駒と相性抜群で、オルフェーヴルやゴールドシップなどのスターホースを輩出し、パーソロンの血を受け継いでいます。
皐月賞、ダービーの二冠を成し遂げたトウカイテイオー
ルドルフは種牡馬として、初年度産駒からトウカイテイオーを輩出しています。
トウカイテイオーは父と同じく無敗で皐月賞とダービーの二冠を制しており、史上空前となる親子2代無敗での三冠馬になるかに注目が集まりましたが、トウカイテイオーは脚が弱く、度重なる骨折で満足なレースが出来ませんでした。
それでもジャパンカップを勝ち、1年ぶりの出走となった1993年の有馬記念ではG1勝利馬が7頭もいる豪華メンバーの中、劇的な勝利を収めています。
トウカイテイオーは種牡馬としてもトウカイポイントやヤマニンシュクルがG1を勝利しており、ルドルフの血を受け継いでいます。
シンボリルドルフは2011年にこの世を去り、トウカイテイオーも2013年に息を引き取りました。
両馬に騎乗した岡部幸雄は、トウカイテイオーは度重なるケガがなければ父を超えるレベルの要素をいくらでも持っていた馬と挙げ、最強馬といわれた馬たちの中で、自身に匹敵する名馬を誕生させたのは、今も昔もシンボリルドルフただ一頭といえるでしょう。
シンボリルドルフの血を引き継ぐブレイブスマッシュ
2016年現在でシンボリルドルフの血は限りなく衰退しそうになっていますが、2015年に2歳重賞を勝ったブレイブスマッシュは母の父にトウカイテイオーを持ち、今年のNHKマイルカップと日本ダービーに出走してきました。
テイオーやルドルフとは違いマイル路線で活路を見出しそうですが、ブレイブスマッシュには何とか活躍してもらって、その血を残してほしいですね。