メジロラモーヌが牝馬3冠を達成した1986年の牝馬クラシック路線でメジロラモーヌを破るならこの1頭と目されていたのがダイナアクトレスです。
父はノーザンテースト、母はモデルスポートという血統です。
ノーザンテーストはJRAでは11年連続11回のリーディングサイアーとなるほどの名種牡馬で、書ききれないほどの重賞ウィナーを輩出しています。
モデルスポートは通算13戦7勝でグレード格付けされる前ですが、1978年スプリンターズステークス、1978年牝馬東京タイムズ杯(現・府中牝馬ステークス)、1978年ダービー卿チャレンジトロフィーなどの勝鞍があります。
ダイナアクトレスの通算成績と主な勝鞍
ダイナアクトレスの競争成績は通算19戦7勝です。
重賞はG2を3勝(1987年京王杯スプリングカップ、1988年スプリンターズステークス、1988年京王杯スプリングカップ)、G3を2勝(1985年函館3歳ステークス、1987年京王杯オータムハンデ)の合計5勝をしています。
1986年の牝馬クラシック路線ではメジロ牧場のメジロラモーヌに、社台ファームのダイナアクトレスが挑むという構図でしたが、ダイナアクトレスは残念ながら桜花賞未出走、オークス3着、エリザベス女王杯未出走という結果に終わりました。
一方のメジロラモーヌは牝馬3冠を達成しますが、オーナーの意向もありその年の有馬記念9着を最後に早々に引退をしてしまいます。
打倒メジロラモーヌを目指していたダイナアクトレス陣営でしたが、メジロラモーヌ引退後は牡馬に混じって1400メートルから2500メートルまで比較的幅広い距離のレースを戦い、善戦を続けます。
G1タイトルを手に入れることはできなかったものの、安田記念2着、ジャパンカップ3着などの結果を残し、1988年10月の天皇賞・秋4着を最後に引退、繁殖入りすることになりました。
ダイナアクトレスの繁殖生活
ダイナアクトレスからは15頭の産駒が競走馬登録されました。
主な産駒としてはステージチャンプ、プライムステージの両馬があげられます。
ステージチャンプは1990年生まれの牡馬でG2を1勝(1994年日経賞)、G3を1勝(1995年ステイヤーズステークス)の合計2勝、通算32戦4勝の戦績を残しています。
父はポストノーザンテーストと言われたリアルシャダイという良血馬です。
ステージチャンプは現役生活通して、名脇役として活躍し、ファンも多い人気馬でした。
一方、プライムステージは1992年生まれの牝馬でG3を2勝(1994年札幌3歳ステークス、1994年フェアリーステークス)、通算12戦3勝の戦績を残しました。
1995年の牝馬クラシック戦線の中心の一頭ではありましたが、勝利することはできませんでした。
父は平成のリーディングサイアー、サンデーサイレンスというこちらも良血血統の馬でした。
ステージチャンプはステイヤー血統ということもあり種牡馬入りすることはできませんでしたが、プライムステージは繁殖入りし、これまでに11頭の産駒が産まれ、その中にはマイルG3を2勝したアブソリュートが含まれています。
まとめ
ダイナアクトレスはG1タイトルこそ手に届かなかったもの、長きにわたって牡馬と混ざって活躍を続けた名牝です。
繁殖入りした後の競争成績での代表産駒はステージチャンプやプライムステージですが、血統上の代表産駒はランニングヒロインという牝馬です。
プライムステージの全妹であるランニングヒロインの代表産駒には2008年のG1ジャパンカップを勝ったスクリーンヒーローがいます。
そして種牡馬入りしたスクリーンヒーローの代表産駒が2015年G1有馬記念を勝ったゴールドアクターであり、2016年G1安田記念G1天皇賞・秋を勝ったモーリスです。
競馬の一つの特徴である血統を巡るロマンを感じ取ることができるのもダイナアクトレスとその血統馬です。
血統に注目してレースを予想するとこれまでとは異なる視点が見えてくるかもしれません。
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