2009年5月10日 東京競馬場
出典:wikipedia
NHKマイルカップには、色々な路線や目的を持った多士済々な馬たちが集まります。
クラシック路線を狙っていたものの皐月賞や桜花賞で着順が悪く、ダービーやオークスでは距離が長くて路線変更した馬。
ダービーやオークスの一叩きとしてトライアル的に出走する馬。
初めから短距離やマイルの路線を狙っていた馬などです。
2009年の第14回NHKマイルカップでもこれらのメンバーが集まる中、10番人気で見事にNHKマイルカップを制覇したのがジョーカプチーノでした。
父はマンハッタンカフェ、母はジョープシケという血統です。
マンハッタンカフェの競走馬時代の成績は12戦6勝、長距離のG1を3勝(菊花賞、有馬記念、天皇賞・春)した他フランス凱旋門賞に果敢に挑戦した経歴を持っています。
引退後はサンデーサイレンスの後継種牡馬として種牡馬入りし、2009年にはリーディングサイアーにも輝き、2017年には産駒通算1000勝を達成するなど名実共に名馬となっています。
ジョーカプチーノの他にもレッドディザイア(秋華賞)、ヒルノダムール(天皇賞・春)、グレープブランデー(フェブラリーステークス)、クイーンズリング(エリザベス女王杯)など芝ダート問わず中距離中心にG1馬を輩出しています。
ジョープシケは、16戦1勝と戦績もジョーカプチーノ以外の産駒も目立ちません。
しかし、ジョープシケの父フサイチコンコルドは自身も3連勝で日本ダービーを制した他、種牡馬としても、ブルーコンコルド、バランスオブゲーム、オースミハルカなどの産駒がいる名馬です。
ジョーカプチーノの通算成績と主な勝鞍
ジョーカプチーノの競争成績は通算23戦6勝です。
重賞はG1で1勝(2009年NHKマイルカップ)、G3で2勝(2009年中日スポーツ賞ファルコンステークス、2011年シルクロードステークス)の通算3勝をあげています。
デビューしてから未勝利を脱出するまでの4戦でダートを使ったことと、NHKマイルカップ制覇後に変則2冠を狙って距離適性のない日本ダービー(18着)に出走した以外は、芝1600メートル以下のレースを走っています。
脚質は逃げ中心ですが、時折差しを見せたりもしていました。
鞍上は6勝のうち重賞すべてを含む4勝で藤岡康太騎手が騎乗していましたが、藤岡康太騎手にとって初重賞制覇、初G1制覇となった馬がジョーカプチーノでした。
日本ダービー出走後は脚部不安により1年半余りの長期にわたって休養することになりましたが、翌年秋のG2スワンステークスで復帰し、いきなり3着に好走して実力を見せます。
その後短距離・マイル路線の常連として堅実なレースぶりを見せますが、G1レースは未勝利のまま2012年5月のG2京王杯スプリングカップ11着後、引退し種牡馬入りすることになりました。
ジョーカプチーノの種牡馬生活と主な産駒
ジョーカプチーノは2013年から種牡馬生活をスタートさせ、初年度は28頭の種付けを行いました。
その後、2014年16頭、2015年14頭と徐々に種付け頭数が減少し、種牡馬生活の危機にありました。
しかし、2016年に初年度産駒がデビューすると、いきなりJRA2歳新馬戦初日の東京芝1400メートルのメイクデビュー東京で産駒のマイネルバールマンが1着となり、2016年の種付け数はいきない過去3年の合計とほぼ同数の54頭となりました。
また、初年度産駒からはジョーストリクトリがG2・ニュージーランドトロフィーを12番人気ながら勝利し、いきなり重賞ウィナーも誕生しました。
今後もジョーカプチーノ産駒から目が離せません。
まとめ
ジョーカプチーノは血統的に地味とまではいかないまでもメジャーな血統ではありませんでしたが、前評判を覆し、G1ウィナーとなりました。
また、種牡馬になってからも世間の評価を覆すかのように好成績を残しています。
その仔、ジョーストリクトリは日本ダービー18着後、放牧・休養に入っていますが、復帰と活躍を心待ちにしたいと思います。
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