競馬初心者から上級者まで楽しめる競馬情報サイト

本サイトではアフィリエイト広告を利用しています

変幻自在の脚質!マヤノトップガンの現役時代と代表産駒

マヤノトップガン(阪神競馬場、阪神大賞典パドック)

出典:wikipedia

 

マヤノトップガンの血統について

 前年に10年ぶりの3冠馬となったナリタブライアンと同じ父のブライアンズタイム産駒で、母父は成長力と共に非常にパワーに富むBlushing Groomであることから、現在の世界の競馬界から見ても、まさに『一流血統』と呼ぶことができるでしょう。

 

また、ブライアンズタイム産駒は突発的に怪物クラスの産駒を出す傾向があり、その爆発力に母父の成長力も相まって、3歳から5歳の春まで長きにわたってGⅠ戦線においてトップクラスで戦ってこれたのではないでしょうか。

 

飛躍のキッカケとなった菊花賞

 この年の菊花賞は例年にない大混戦ムードで迎えることになりました。

 

ダービー馬タヤスツヨシが秋になってトライアルで連敗し、皐月賞馬ジェニュインも距離適性を考慮して天皇賞・秋に向かった結果、このレースの1番人気は春にダービーより速いタイムでオークスを制し、夏にフランス遠征を敢行したダンスパートナーが推されることになりました。

 

対するマヤノトップガンは重賞未勝利の身ながら、トライアルで連続2着の実績に加えて血統的な長距離適性を期待されて3番人気でレースを迎えることとなりました。

 

 レースでは好スタートから積極的に先行して3~4番手に付けると、道中はしっかり折り合ってポジションをキープしながら追走しました。

 

2周目の4コーナーで一気に仕掛けて先頭に立つ強気の競馬ながら、直線でも後続を寄せ付けずに当時のレースレコードで圧勝しました。

 

『菊花賞は一番強い馬が勝つ』という格言を証明するように、同世代において最強を証明するには十分すぎるほどの強さを見せたレースと言えるでしょう。

 

古馬を完封!有馬記念

 菊花賞で同世代においてトップクラスであることを証明したマヤノトップガンですが、古馬との初対決となった有馬記念ではまだその能力を半信半疑で見る面もあり、当日は6番人気と今考えると不当とも言えるほど低い評価でした。

 

この人気の背景には、天皇賞・秋で故障から復帰後連敗しているものの、前年の牡馬3冠を圧倒的内容で制したナリタブライアンを筆頭に、ジャパンカップで強豪外国馬相手に互角以上のレースを見せたヒシアマゾンや、天皇賞・秋を直線一気の末脚で制したサクラチトセオー、さらに重賞戦線で安定した成績を残していたタイキブリザードなど、古馬の陣容が非常に厚かったことも影響しているのではないでしょうか。

 

 しかし、レースではスタート直後に意表をついて果敢に先頭を奪うとそのままマイペースでの逃げを続け、4コーナーで一旦は後続が迫るものの直線余裕十分にこれを突き放すと最後は2馬身差をつけての完勝でした。

 

春までは下級条件でも善戦するものの勝ち切れないレースを続けていたマヤノトップガンですが、菊花賞と有馬記念の2戦だけで年度代表馬の座まで上り詰めたように、まさにシンデレラストーリーを象徴するようなレースとなりました。

 

vsナリタブライアン!!阪神大賞典(‘96)

 現在(2016年)においても過去の名レースで1、2位を争うほどの伝説の名レースが、マヤノトップガンが古馬となって初戦に選んだ天皇賞・春の前哨戦である阪神大賞典でした。

 

このレースには前年秋の不振から復活を期すナリタブライアンも出走しており、過去2年の年度代表馬対決ということで大きな注目を集めました。

 

 レースでは2周目3コーナーでマヤノトップガンが馬なりのまま先頭に立つと、それをマークしていたナリタブライアンも同時に動きだし、残り600mから2頭で併せ馬の形になると後続は全くついていけずに、直線は完全に2頭のマッチレースとなりました。

 

ナリタブライアンの鞍上武豊騎手とマヤノトップガンの鞍上田原成貴騎手が一歩も引かない追い比べを見せる中、ゴール直前まで続いた叩き合いはナリタブライアンが最後にグイっと頭を出したところがゴールでした。

 

 最終的に3着馬は9馬身も離れたまさに2頭の為だけに存在したマッチレースで、レース後に拍手が起こったように馬券の当たりハズレを超越して、見ているファンに感動を与える名レースでした。

 

そして、そのレースを演出したのはナリタブライアン相手に堂々と受けて立つ競馬をしたマヤノトップガンであることは間違いのない事実だと思います。

 

3強対決!?天皇賞・春(‘97)

 

サクラローレルへのリベンジラストチャンス

 前年の天皇賞・春でナリタブライアンとマヤノトップガンをまとめて撃破し、天皇賞・秋では不利を受けたサクラローレル相手に先着(2着)したものの、オールカマーと有馬記念では完敗を喫したように、この年の天皇賞・春を迎える時点での多くのファンの評価は『サクラローレル>マヤノトップガン(マーベラスサンデー)』といったものでした。

 

さらに、サクラローレルがこのレース後に凱旋門賞挑戦を公言していたために、直接対決の機会は限られており、まさにマヤノトップガンにとってサクラローレルに雪辱するラストチャンスとして迎えたのがこの天皇賞・春でした。

 

 レースでは有馬記念からのぶっつけで、さらに道中武豊騎手のマーベラスサンデーに徹底マークされたサクラローレルに対して、マヤノトップガンは後方のインでじっくり脚を溜めての末脚勝負に賭ける形となりました。

 

そして迎えた直線、一旦はマーベラスサンデーに前に出られながらも捻じ伏せるように差し返して先頭に立ったサクラローレルを、直線離れた大外から豪快に差し切ったのがマヤノトップガンでした。

 

まさに勝つにはこれしかない!といった田原騎手の渾身の騎乗で、マヤノトップガンにとっても非常に価値のあるGⅠ勝ちとなったのではないでしょうか。

 

天皇賞春での杉本清の名実況

 映像を見れる方は是非見てほしいのですが、このレースを実況したアナウンサー杉本清さんの実況はまさに『マヤノトップガン視点』と言えるものでした。

 

特徴的だったのが2周目2コーナーと4コーナーの実況ですが、2コーナーではマヤノトップガンの折り合いについて、4コーナーではサクラローレルとマーベラスサンデーが早くも並んで叩き合っているにも関わらず、外へ進路を取ったマヤノトップガンに注目した実況だったように、杉本清さんの『マヤノトップガン愛』がたっぷり詰まった、まさに名実況と言えるでしょう。

 

 本来なら特定の1頭に肩入れした実況はご法度なのかもしれませんが、まさに競馬ブーム全盛期だったからこそ許され、そして杉本清さんの感情が詰まっていたからこそ成立した名実況と言えそうですね。

 

マヤノトップガンの産駒について

 

代表産駒一覧

 

プリサイスマシーン

  主な勝ち鞍:スワンS(GⅡ)、中日新聞杯(GⅢ)、阪急杯(GⅢ)

 

  地方の川崎競馬のデビューから中央では芝・ダート兼用で、芝重賞4勝以外にもダート重賞で2着が6回あるように、短距離ではまさにマルチな活躍で8歳まで息の長い活躍を見せた名バイプレイヤーと言える1頭です。

 

昔からの競馬ファンには、阪急杯でのエイシンドーバーとの1着同着優勝でも有名な1頭かもしれません。

 

チャクラ

  主な勝ち鞍:目黒記念(GⅡ)、ステイヤーズS(GⅡ)

 

  皐月賞出には出走できなかったものの、ダービーと菊花賞で共に6着となるように早くから重賞で好走を繰り返しており、同年のステイヤーズS(3600m)では3歳ながら菊花賞でも見せた長距離適性の高さを存分に見せつけての快勝でした。

 

また翌年の天皇賞・春でも4着すると、その次走の目黒記念(2500m)でもしぶとい末脚で完勝したように、とにかく長い距離に対しては非常に安定した活躍を見せた1頭でした。

 

マヤノトップガン産駒の特徴

  産駒全般の特徴として『切れる脚は欠くものの、とにかく息の長い末脚』という言葉がピッタリではないでしょうか。

 

緩い流れでの瞬発力勝負は苦手としていましたが、直線で上がりの時計が掛かる展開になるとパワーを活かしてゴール前でグイっと伸びる力強さがある印象です。

 

また、プリサイスマシーンやキングトップガンが7歳以上で重賞を制しているように、高齢になってもしぶとい活躍を見せる産駒が多いのもマヤノトップガン産駒の特徴と言えそうです。

 

まとめ

  自身の現役時代の戦法や産駒の距離適性など、個人的にマヤノトップガンには『変幻自在』という言葉が非常に似合う印象があります。

 

自身の気性難から『ムラ馬』のイメージが強かった同馬ですが、結果としてその気性難が脚質の自在性に繋がったのもマヤノトップガンが持つ魅力を一層大きくしているのではないでしょうか。

 

他の名馬の記事も読む

>> ナリタブライアン

>> テイエムオペラオー

>> オグリキャップ

トップへ戻る