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ハーツクライとは?英雄・ディープインパクトに唯一先着した名馬の紹介

By Goki - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=477606

生年月日 2001年4月15日
サンデーサイレンス
アイリッシュダンス
調教師 橋口弘次郎
主な勝鞍 05'有馬記念(G1)、05'ドバイシーマC(G1)

 

近年最強馬と言われている英雄・ディープインパクトは競馬ファン以外の人にも知られている程の名馬です。ディープインパクトは、生涯1度だけ先着を許したことがあります。

 

その馬とは、ハーツクライです。

 

今回は有馬記念という最高の舞台でディープインパクトに先着したハーツクライを紹介します。ハーツクライの血統、現役時代や産駒の特徴と共にハーツクライの生涯を振り返っていきましょう。

 

ハーツクライの血統(特徴や傾向)

ハーツクライの父にサンデーサーレンス、母にアイリッシュダンスという良血馬です。現役時代はなかなか結果が残せませんでしたが、ディープインパクトに唯一先着しています。

 

ハーツクライの父と母

父:サンデーサイレンス

母:アイリッシュダンス

 

ハーツクライの父サンデーサイレンスは、現在のリーディングサイヤーであるディープインパクトの父としても有名です。日本では種牡馬として代表的な名馬になります。

 

サンデーサイレンスなしでは、日本の競馬界はここまで実力向上は望めなかったのではないかと思います。1995年~2007年の13年間リーディングサイヤー1位となっています。

 

ハーツクライの母アイリッシュダンスは、現役時代に新潟記念(GIII)と新潟大賞典(GIII)を獲得しています。GIも天皇賞・秋や有馬記念への出走をしました。

 

繁殖牝馬になってからは、基本的にサンデーサイレンスの仔を出産していますが、ハーツクライの活躍前に死亡しています。

 

ハーツクライの血統や特徴

ハーツクライは国内外でGIを2勝しているので、決して劣る馬ではありません。しかしながら、生涯成績を見ると名馬と言われるほどの実績を残しているかは疑問です。

 

牡馬三冠では、東京優駿(日本ダービー)の2着はあるものの皐月賞と菊花賞は惨敗に終わっています。

 

母の父がトニービン産駒ということやハーツクライの脚質が中団後方からの差しが得意だったのも、東京競馬場での好走につながったのかもしれません。

差し追込み馬というのは、出走頭数や展開による影響が大きくなります。もちろんディープインパクトをはじめ多くの名馬はこの脚質でも勝てるからこそ名馬と言われるのです。

 

ハーツクライの現役時代・生涯成績

ハーツクライの生涯成績を見ると19戦5勝ですから決して圧倒的な強さを誇る競走馬という訳ではありません。おそらくたった1レースが彼の将来を変えたのでしょう。

 

ここでは、ハーツクライの現役時代の成績や活躍を紹介します。ハーツクライが知名度の高い馬になれた理由を説明していきます。

 

ハーツクライの成績

生涯成績:19戦5勝

主なGI勝利:有馬記念・ドバイシーマクラシック(UAE)

 

2004年・3歳

3歳新馬 京都競馬場 芝2000m 1番人気1着 武豊

きさらぎ賞(GIII) 京都競馬場 芝1800m 5番人気3着 幸

若葉S 阪神競馬場 芝2000m 2番人気1着 安藤

皐月賞(GI) 中山競馬場 芝2000m 5番人気14着 安藤

京都新聞杯(GII) 京都競馬場 芝2200m 2番人気1着 安藤

東京優駿(GI) 東京競馬場 芝2400m 5番人気2着 横山

神戸新聞杯(GII) 阪神競馬場 芝2000m 2番人気3着 武豊

菊花賞(GI) 京都競馬場 芝3000m 1番人気7着 武豊

ジャパンカップ(GI) 東京競馬場 芝2400m 3番人気10着 武豊

有馬記念(GI) 中山競馬場 芝2500m 10番人気9着 横山

 

2005年・4歳

大阪杯(GII) 阪神競馬場 芝2000m 4番人気2着 横山

天皇賞・春(GI) 京都競馬場 芝3200m 8番人気5着 横山

宝塚記念(GI) 阪神競馬場 芝2200m 3番人気2着 横山

天皇賞・秋(GI) 東京競馬場 芝2000m 2番人気6着 C.ルメール

ジャパンカップ(GI) 東京競馬場 芝2400m 2番人気2着 C.ルメール

有馬記念(GI) 中山競馬場 芝2500m 4番人気1着 C.ルメール

 

2006年・5歳

ドバイシーマクラシック(GI) UAE 芝2400m 1着 C.ルメール 

KGVI&QEDS(GI) イギリス 芝約2406m 2番人気3着 C.ルメール

ジャパンカップ(GI) 東京競馬場 芝2400m 2番人気10着 C.ルメール

 

ハーツクライの現役時代の活躍

ハーツクライはデビューこそ3歳1月と決して早くはありませんでしたが、新馬戦を1番人気で1着となり早くも期待が大きくなる結果をだしました。

 

続くきさらぎ賞(GIII)でも勝ちは逃したもののキャリアを考えれば3着は評価されると、若葉ステークスで勝利して皐月賞になんとか間に合わせます。

 

皐月賞で期待をされていましたが、14着の惨敗。続く京都新聞杯で立て直して東京優駿に挑み、ここではハーツクライの良さが出たもののキングカメハメハに敗れて2着となります。

 

秋は、菊花賞7着・ジャパンカップ10着・有馬記念9着に敗れました。追い込みが基本の戦術となっているのが大きな敗因なのか馬の実力なのかを見極めるには早い状況でした。

 

4歳の成績も追込が決まり好走はしますが、結果的に勝つことができずに有馬記念を迎えることになりました。

 

1番人気は無敗の三冠馬・ディープインパクトです。脚質的に同じ戦法では絶対に勝てないと判断した鞍上のC.ルメールはおもいきって先行策をとりました。

 

この策がはまり、ディ-プインパクトを1/2馬身差で抑えて見事有馬記念で勝利を飾りました。結果的にディープインパクトはこのレースが唯一の敗戦となっています。

 

ハーツクライは、有馬記念の好走と1年間の活躍が認められて、最優秀4歳以上牡馬に選出されました。

 

5歳になり、海外で初戦を迎えることになります。3月にドバイシーマクラシックに出走をすると有馬記念と同様に先行策をとり難なく勝利を飾りました。

 

勢いに乗ったハーツクライは、7月に英国のキングジョージ6世&クイーンエリザベスに出走をしましたが、ホームシックのような状態になり3着に敗れてしまいます。

 

秋は国内でジャパンカップを初戦に選びましたが、喘鳴症(ぜんめいしょう)を発症してしまいました。無理を承知で出走をしたものの10着の惨敗に終わっています。

 

ハーツクライは、ジャパンカップを最後に喘鳴症(ぜんめいしょう)が理由で引退、種牡馬になりました。

 

ハーツクライの全てを変えた名手C.ルメール騎手

ハーツクライが名馬の仲間になれた理由として、C.ルメ-ル騎手の存在がとても重要なポイントになります。当時のC.ルメ-ル騎手は、まだ短期免許での騎乗でした。

 

2018年はC.ルメール騎手がリーディング騎手1位を確実な状態にしていますが、当時はまだ短期免許だっただけに今ほどの知名度ではありませんでした。

 

ディープインパクトとハーツクライの脚質は共に差し追込タイプです。純粋に両者の実力を比べるとハーツクライはかなり厳しいレースになることは間違いありません。

 

そこで、C.ルメール騎手は先行策をとることにしました。中山競馬場で多頭数ということもあり、この作戦が見事的中というのが本音でしょう。

 

ハーツクライ産駒の特徴や傾向

ハーツクライの現役時代は安定感のない印象がありますが、種牡馬となってからは毎年安定した結果を残すようになっています。

 

2010年からハーツクライ産駒が出走をするようになっていますが、2013年にリーディングサイヤー5位に入るとその後は毎年4位以上となっています。

 

ここでは、ハーツクライ産駒の特徴を中心にGI獲得馬なども紹介します。安定感のあるハーツクライ産駒に注目をしましょう。

 

ハーツクライ産駒の国内GI獲得馬と主な成績

 

ジャスタウェイ

天皇賞・秋

安田記念

 

ワンアンドオンリー

東京優駿(日本ダービー)

 

ヌーヴォレコルト

優駿牝馬(オークス)

 

シュヴァルグラン

ジャパンカップ

 

スワードリチャード

大阪杯

 

リスグラシュー

エリザベス女王杯

 

タイムフライヤー

ホープフルステークス

 

ハーツクライ産駒の特徴

ハーツクライ産駒の特徴は、同じサンデーサイレンス系列の種牡馬の中でも長距離向きで晩成型が多くなっています。

 

但し長距離タイプが多いといっても菊花賞となると、同じサンデーサイレンス産駒のディープインパクトやステイゴールドの方が良い印象があります。

 

ハーツクライ産駒はやはり東京競馬場が向いているような気がします。また距離の延長や短縮での好走が目立ちますが、あくまでも芝で好走が目立つようです。

 

ハーツクライ産駒の馬場適性

ハーツクライ産駒は芝での好走が目立つので一般的にダートは苦手だと思われています。ところがデータで見ると決してダートに弱いという印象はありません。

 

馬場状態は重馬場も走れますが、基本的には良馬場を好む傾向があります。特に芝レースでは、良馬場の方が期待できると思います。

 

また、東京競馬場が向いていると説明しましたが、小回りの競馬場が苦手かというとそうではなく、実は得意な傾向が出ています。

 

何ともつかみ所の難しいハーツクライ産駒ですが、自身もそうであったように大舞台での好走も多くなっているので、常に要注意の産駒だと考えられます。

 

>> 世界のトップホース ハーツクライ産駒の特徴、コース別成績、適性

 

ハーツクライ産駒のヨシダとは?

ハーツクライ産駒の中にヨシダという馬がいるのをご存じでしょうか?ノーザンファームの吉田勝巳氏が生産者だというのが名前の由来になっています。

 

父はハーツクライですが、母のヒルダズパッションが吉田氏に購入された繁殖牝馬だからこのような名前になったようです。

 

日本の競馬ファンにはあまり馴染みがないのは当然です。ヨシダは主戦場がアメリカとなっています。

 

生涯成績は11戦5勝で、2018年(4歳)でGIターフクラシックステークスとウッドワードステークスを制しています。

 

このウッドワードステークスは日本生産馬として初のアメリカダートGIを獲得したことになります。

 

まとめ

今回はハーツクライを紹介しました。現役時代は大器晩成型というか脚質的な問題で結果につながらない傾向がありましたが、唯一ディープインパクトに先着した馬です。

 

種牡馬になってからもディープインパクト産駒ほどではないものの毎年リーディングサイヤー上位に入る実績も残しています。

 

ハーツクライ産駒は自身と同様にわかりにくい部分も多いのですが、牡馬牝馬共に大舞台での活躍が目立ちます。重賞では常に要注意の存在だと思います。

 

>> 【年代別】歴代名馬一覧ページ

>> ディープインパクトはどこがすごい?伝説と言われたレース、理由を解説

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