トウカイトリック
出典:wikipedia
トウカイ○○○○と聞いて、真っ先に連想するのは何といっても実績・知名度共にナンバー1のトウカイテイオーだと思います。
しかしながら本日ご紹介するトウカイトリックもトウカイテイオーに勝るとも劣らない人気と人気に見合った成績を残しています。
トウカイトリックの何といってもすごい所は、12歳まで10年以上も現役の競走馬であったこと、そして10歳にして重賞を制覇したことです。
トウカイトリックの父はエルコンドルパサー、母はズーナクアです。
エルコンドルパサーはいまだに日本馬が勝利したことのないフランス・凱旋門賞で日本馬最先着となる2着の実績を残し、ジャパンカップやNHKマイルカップなどのG1を含めて国内国外含めて通算11戦8勝の実力馬です。
トウカイトリックの長い競争馬生活
トウカイトリックの競争成績は通算63戦9勝です。(海外遠征含む)
重賞は3勝しています。(2007年G3ダイヤモンドステークス、2010年G2阪神大賞典、2012年G2ステイヤーズステークス)
いずれも3000メートル以上の距離でのレースで、まさにステイヤーにふさわしい活躍と言えます。
それはG2阪神大賞典とG1天皇賞・春には8年連続出走のJRA同一重賞の最多出走および最多連続出走記録があることからもわかります。
毎年1月に京都競馬場で行われる名物レース万葉ステークス(オープン特別)も常連で7回出走し、引退レースも万葉ステークスでした。
3000メートル以上の長距離レースは現代のレース体系では年間に6レースほどしかありませんが、トウカイトリックはいつも出走メンバーに名を連ねていて、出馬表にトウカイトリックの馬名を見つけると、どこか安心したものです。
一覧にしてみると更にそのすごさが実感できます。
年間6レースのうち、クラシック最終戦である菊花賞には出走していませんので残りの5レースが対象です。
☆万葉ステークス(オープン特別・1月・京都競馬場・芝3000メートル)
2007年 2着 1着馬バイロイト
2008年 1着 2着馬ダークメッセージ
2010年 1着 2着馬モンテクリスエス
2011年 9着 1着馬コスモメドウ
2012年 6着 1着馬ゴールデンハインド
2013年 10着 1着馬デスペラード
2014年 4着 1着馬タニノエポレット ※引退レース
☆ダイヤモンドステークス(G3・2月・東京競馬場・芝3400メートル)
2006年 3着 1着馬マッキーマックス
2007年 1着 2着馬エリモエクスパイア
2010年 5着 1着馬フォゲッタブル
2012年 7着 1着馬ケイアイドウソジン
☆阪神大賞典(G2・3月・阪神競馬場・芝3000メートル)
2006年 2着 1着馬ディープインパクト
2007年 3着 1着馬アイポッパー
2008年 4着 1着馬アドマイヤジュピタ
2009年 5着 1着馬アサクサキングス
2010年 1着 2着馬ジャミール
2011年 12着 1着馬ナムラクレセント
2012年 6着 1着馬ギュスターヴクライ
2013年 5着 1着馬ゴールドシップ
☆天皇賞・春(G1・4月5月・京都競馬場・芝3200メートル)
2006年 9着 1着馬ディープインパクト
2007年 3着 1着馬メイショウサムソン
2008年 7着 1着馬アドマイヤジュピタ
2009年 6着 1着馬マイネルキッツ
2010年 9着 1着馬ジャガーメイル
2011年 5着 1着馬ヒルノダムール
2012年 8着 1着馬ビートブラック
2013年 11着 1着馬フェノーメノ
☆ステイヤーズステークス(G2・12月・中山競馬場・芝3600メートル)
2006年 2着 1着馬アイポッパー
2007年 4着 1着馬マキハタサイボーグ
2008年 8着 1着馬エアジパング
2009年 4着 1着馬フォゲッタブル
2011年 3着 1着馬マイネルキッツ
2012年 1着 2着馬ファタモルガーナ
2013年 3着 1着馬デスペラード
この他、芝2500メートルのアルゼンチン共和国杯(G2)、目黒記念(G2)なども常連でした。
しかしながら、不思議と同じ芝2500メートルで実施される年末の風物詩、グランプリ有馬記念には1度も出走していないことも興味深く、いかにもトウカイトリックらしい所と言えるかもしれません。
トウカイトリックの短すぎる余生
トウカイトリックは2014年の万葉ステークス後、当初はダイヤモンドステークスを目指して調教が続けられていましたが、重い筋肉痛が出たことから2月に引退しました。
引退後は、ゆかりのある京都競馬場で誘導馬になることを目指して調教が行われていましたが引退からわずか数か月後の4月に骨折が判明し予後不良となってしまいました。
余りにも突然の別れとなってしまったことから誘導馬としてのデビューを、そして京都競馬場での再会を心待ちにしていたファンの間には悲しみが広がりました。
まとめ
トウカイトリックは長きにわたってステイヤーとして長距離レースで活躍し続けました。
その現役生活の長さから父エルコンドルパサー産駒ではJRAで最後まで現役を続けた馬となりました。
また、ディープインパクト、オルフェーヴル、ゴールドシップなどの3冠馬や名馬たちと闘いを繰り広げ、生き証人(馬!?)のような活躍をしています。
引退後の余生があまりにも短くトウカイトリックにとっても残念な結果となってしまいましたが、ファンの心の中にはいつまでも残り、長距離レースが実施される時には思い出されることでしょう。
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