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天皇賞秋、ジャパンカップ、有馬記念と、秋の古馬三冠レースを制し、一時代を築いたサンデーサイレンス産駒の名馬というと、ゼンノロブロイ(母ローミンレイチェル、その父マイニング)が思いだされます。
同じ藤沢和雄厩舎には、1年先輩に黒々とした馬体の大型馬シンボリクリスエスがいて、ゼンノロブロイはスケール的に少しシンボリクリスエスに見劣るところがあるという評価でしたが、その評価を覆すような強さで、テイエムオペラオー以来の秋の古馬三冠レース完全制覇をやってのけました。
現役時代の主な成績
藤沢厩舎で青葉賞を勝ってダービー2着という、先輩のシンボリクリスエスとまったく同じ成績の3歳春を送ったことからも、どうしてもシンボリクリスエスと比較されてしまうことが多かったですが、古馬になってからの活躍という意味では、シンボリクリスエスに勝るとも劣らなかったのが、後輩のゼンノロブロイでした。
古馬になって迎えた春は、マイニングの系統だけに、天皇賞春は少し距離が長すぎた印象があります。
それでも2着とがんばったのは、ゼンノロブロイの能力の高さの証明でもあったわけですが、しかしその反動かという負け方を、適距離の宝塚記念で喫してしまいます。
しかし立て直した秋、先輩のシンボリクリスエスを超える、天皇賞秋、JC、有馬記念の古馬三冠レースを見事に制し、先輩に続く年度代表馬に輝く活躍を見せました。
5歳時には1勝も挙げられなかったというのは少し意外な感もありますが、ゼンノロブロイは間違いなく一時代を築いた名馬でした。
現在までの産駒成績/代表産駒
ゼンノロブロイ自身はサンデーサイレンス産駒らしい鋭いキレを武器にしていました。
しかし産駒はどちらかというと、マイニングのスピード能力のほうがより伝わっている印象があります。
現在までの段階では、マイル前後のスピードタイプが多いのが、ゼンノロブロイ産駒の特徴と言えます。
また、ゼンノロブロイ自身、サンデーサイレンスを含め、かなりアメリカ色が強い血統だけに、産駒は非常に仕上がりが早く、若い時期から活躍するタイプが多いです。
反面、成長力に少し乏しいところがあるという印象も、ゼンノロブロイ産駒の多くに感じられます。
現在までの代表産駒という意味では、やはり同着ながらオークスを勝っているサンテミリオン(母の父ラストタイクーン)を挙げなければならないでしょう。
他にも、ルルーシュやダートのナムラビクター、牝馬のバウンスシャッセなど、重賞でも圧倒的な強さを見せる産駒はいますが、個性的なところでは、同じ藤沢厩舎のペルーサ(母の父キャンディストライプス)の名前はどうしても挙げなければならないでしょう。
2016年デビューの注目産駒
少し産駒数が減ってきているのかな、という印象もありますが、まだまだゼンノロブロイ産駒の活躍は楽しみなものがあります。
今世代からは、牝系は少し古風な印象もありますが、男馬の未出走ニシノトッティ(母ニシノフェミニン、その父キングカメハメハ)を挙げたいと思います。
今年の2歳勢はゼンノロブロイ産駒の調子がイマイチ上がってこない印象もありますが、キングカメハメハの血が入って、ゼンノロブロイ産駒ながらその印象がグッと奥深くなったニシノトッティに期待したいところです。