競馬のレースを観ていて騎手の着ている服が派手だなぁと思った事はありませんか?
騎手がレースで着用するユニフォーム、これを競馬用語で勝負服と言います。
出典:http://sp.jra.jp/beginner/watch/A-3-4b.html
レースでは騎手は勝負服と帽子の着用が義務付けられています。
まずは帽子ですが、これは騎乗する馬の入る枠番によって定められています。
番号の若い順、即ち内枠から1白、2黒、3赤、4青、5黄、6緑、7橙、8桃と決められています。
これは遠くから見て何枠の馬がどこにいるかを見分けやすいようにするために決められています。
次に勝負服ですが、これは馬主が馬主登録をJRAにしたとき、または登録した馬が最初に出走するときに登録しなければなりません。
そしてこの勝負服にも規定があります。
勝負服の柄・模様の規定
以下の規定はJRAのもので、地方や海外では異なります。
勝負服に使用できる色
『白・黒・赤・青・黄・緑・桃・水色・紫・薄紫・鼠・海老・茶』の13種類
胴の柄
『無し(1色のみの使用)・一本輪・二本輪・三本輪・一文字・帯・山形一本輪・山形二本輪・山形三本輪・山形一文字・山形帯・菱山形・襷・十字襷・縦縞・格子・元禄・ダイヤモンド・うろこ・井桁絣・玉霰・星散・蛇目散・銭形散』の24種類
袖の柄
『無し(1色のみの使用)・一本輪・二本輪・三本輪・山形一本輪・山形二本輪・山形三本輪・菱山形・縦縞・格子・元禄・ダイヤモンド・うろこ・井桁絣・玉霰・星散・蛇目散・銭形散』
の18種類が使用できます。
ざっと柄を羅列しましたがこれ何?と思う柄もたくさん有りますね。
これらの柄は馬主によって変わってきます。
主な馬主別勝負服のデザイン
では例を挙げてみましょう。
サンデーレーシングの勝負服
By Cake6 (talk) - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=19405525
競馬で最もよく見かける勝負服、三冠馬『オルフェーブル』や昨年のダービー馬『ドゥラメンテ』のオーナー、サンデーレーシングの勝負服は黒、赤十字襷、袖黄縦縞と言うふうに表現します。
これは黒地の服に襷掛けで赤の線がクロスするように入っていて、袖には黄色の縦縞模様が入ってますと言う意味なのです。
大野商事(北島三郎さんの登録馬主名)の勝負服
By Ogiyoshisan - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=44469225
今年の天皇賞(春)で話題を独占した北島三郎さんの登録馬主名、大野商事の勝負服は黒、茶三本輪になります。
これは黒地の服に胴回りに茶色の三本の輪が入ってますと言う意味です。
金子真人ホールディングスの勝負服
By Goki (talk) - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=747339
また上記のデザイン以外に鋸歯形と言うデザインが有り、これを使うと胴の柄は使えなくなり袖の柄も『一本輪・二本輪・三本輪』しか使えなくなります。
この鋸歯形デザインの勝負服で有名なのが『ディープインパクト』や今年のダービー馬『マカヒキ』のオーナーである金子真人ホールディングスの勝負服です。
金子オーナーの勝負服は黒、青袖、黄鋸歯形で表現されます。
このように全ての馬主に勝負服の登録義務があり、個性ある勝負服がデザインされています。
また全く同じデザインの勝負服を登録する事は出来ませんし、勝負服は馬主が馬主登録を抹消した時点で同じように抹消されます。
通常勝負服は調教師が管理していますが、柴田大知騎手のようにマイネル軍団(サラブレッドクラブ・ラフィアン)の主戦騎手を勤めると騎手自身で勝負服を管理したりします。
現在の勝負服の主流は?
現在の勝負服は騎手の身体にフィットしたタイプが主流になっていますが、20年ほど前はほとんどの騎手がブカブカの服を着ていました。
これがフィットタイプに変わったのは、武豊騎手が『競馬はコンマ一秒を争うレースなので、少しでも空気抵抗の少ない服の方が有利になるのでは、と思って馬主にお願いして作った』のが最初と言われています。
競馬界のレジェンドは勝負服にも革命をもたらしていたんですね。
あなたの好きな馬がレースに出るときどんな勝負服なのかに注目してみてください。
新たな発見が有るかも知れません。
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