3月に入り、寒い季節も終わりを迎えます。
世間では新学期や入社時期と被り、忙しくなりますが、競馬ファンにとっても春はダービーや天皇賞といったビッグレースが毎週のように開催されるため非常に忙しくなる時期です。
それだけでなく、秋から暮れにかけてもG1前線が始まることで競馬ファンにとって春と秋は非常に楽しい時期なのです。
ところで、G1は実際にどのくらいあるのかご存じでしょうか。
2020年現在、G1は全部で26レースあります。
今回は今年開催されるG1がどういったものなのかを紹介していきます。
※レースの情報は記事執筆(2020年3月13日)時点での情報となりますので、あらかじめご了承ください
1.フェブラリーステークス(2月23日)
東京競馬場・ダート1600m・4歳以上
年度はじめのG1は春のダート王を決めるフェブラリーステークスです。
今年は安田記念を制したフランケル産駒のモズアスコットがフェブラリーステークスの前哨戦である根岸ステークスを選択し、圧勝したことで注目を集めました。
その勢いままに本番であるフェブラリーステークスもダートの重賞ホースを軽くかわして見事優勝!
史上5頭目となる芝・ダートのG1を制した二刀流ホースとなりました。
モズアスコットは見事にダートホースの仲間入りを果たしましたが、同時期に開催されたサウジカップにダートの重鎮であるゴールドドリーム、ダート界の精鋭であるクリソリベルが遠征したためまだまだダートの頂点に立ったとは言えません。
今後のレースに期待したいですね。
2.高松宮記念(3月29日)
中京競馬場・芝1200m・4歳以上
春のスプリント王者を決める一戦としてロードカナロアやファインニードルといった名馬がこの舞台を勝ち切りました。
注目したいのは昨年のスプリンターズステークスを制したタワーオブロンドンでしょう。
タワーオブロンドンはステップレースとなるオーシャンステークスでも3着に好走しました。
同じくダノンスマッシュも現役の有力スプリンターで、前走のオーシャンステークスでタワーオブロンドンを見事抑えて優勝しました。
昨年は直線で前が壁になってしまい、悔しい4着入選でしたが今年は昨年以上にパワーをつけたことでしょう。
その他にもオーシャンステークスで2着のナックビーナス、阪急杯で初重賞ながら見事に勝利を手にしたベストアクターにも注目したいですね。
3.大阪杯(4月5日)
阪神競馬場・芝2000m・4歳以上
元々は産経大阪杯という名前で開催されていた歴史あるレースは毎年豪華メンバーが揃うことから3年前にG1に昇格しました。
ただでさえ豪華メンバーが揃うレースがG1に昇格したことで、春の中距離G1の座を狙う馬がますます増えました。
過去にこの舞台を勝った馬はキタサンブラック、スワーヴリチャード、アルアインで大阪杯以外も数G1タイトルを手に収めていてG1馬が勝ち切る傾向の高いレースです。
2020年、復活ののろしを上げるのはダービー馬であるワグネリアンでしょう。
ダービーを最後に勝ち星から遠ざかってしまいましたが昨年の大阪杯でも3着に好走しており舞台適正は十分あるでしょう。
その他にもグランプリホースであるブラストワンピース、中山記念を制したダノンキングリー、金鯱賞を挟んでサートゥルナーリアもここを選択する可能性が強く、今年も豪華メンバーが揃いそうです。
4.桜花賞(4月12日)
阪神競馬場・芝1600m・3歳・牝馬
春のクラシック第一戦は牝馬の桜花賞です。
昨年はグランアレグリアがこの舞台でレコード勝ちを収め、一昨年は三冠牝馬となるアーモンドアイがステップレースを挟まずに勝ったことで近年は関東馬の好走が目立っています。
今年注目したいのは昨年の阪神JFを制したレシステンシアでしょう。
前走チューリップ賞は逃げ意外の走りを試したいという陣営の声もあり、3着に敗れていますがこの1戦だけで軽視するのは早計です。
関東馬であるマルターズディオサも阪神JFで2着、そして前走チューリップ賞を勝利しました。関東仕上げで桜花賞に向かうことでしょう。
5.中山グランドジャンプ(4月18日)
中山競馬場・障害4250m・4歳以上
春の障害レースはこの中山グランドジャンプです。
障害レースは平場のレースに比べるとどうしても注目度は低いのは否めません。
しかしながら今年はアイドルホースにもなったオジュウチョウサンが前人未踏、いや、前馬未踏の5連覇に挑みます。
オジュウチョウサンに立ちふさがるのは昨年の中山大障害を制したシングンマイケルです。
絶対王者が5連覇を成し遂げるのか、それとも昨年の最優秀障害馬がここを勝ち切るのか注目ですね。
両馬とも本番である中山グランドジャンプのまえに阪神スプリングジャンプで激突します。そちらにも注目したいですね。
6.皐月賞(4月19日)
中山競馬場・芝2000m・3歳
伝統ある牡馬のクラシック第一戦は皐月賞です。
皐月賞が近づくにつれ、クラシックレースが近づいてきたんだと多くの関係者は感じます。この皐月賞はもちろんのこと、続く日本ダービーに向け、多くの関係者が親身に、時には厳しくサラブレッドを育ててきました。
歴史のある皐月賞の今年の注目馬は3戦3勝と無敗で挑む朝日杯FSの勝馬サリオス。そしてホープフルステークスを完勝し同じく無敗で挑むコントレイルでしょう。
どちらもステップレースを挟まずにこの舞台に挑むことが決定しました。無敗の2頭が激突することになるのです。
私事で恐縮ですがマイル路線で結果を出したサリオスよりも皐月賞と同舞台であるホープフルステークスを制したコントレイルのほうがやや有力かと思います。
その他にも弥生賞やスプリングステークスからここを狙いに来る馬にも注目したい一戦ですね。
7.天皇賞(春)(5月3日)
京都競馬場・芝3200m・4歳以上
春の淀にステイヤーが集います。
歴史ある天皇賞(春)は全てのG1の中でも最も距離の長いG1レースです。
近年は短・中距離至上のためにどうしてもメンバーレベルは見劣りしますが、それでも道中の騎手の仕掛け合いが見られるのはステイヤーレースならではでしょう。
今年は泥んこ馬場の菊花賞を制したキセキを筆頭に昨年の勝馬フィエールマンも参戦する予定です。
京都競馬場は2020年の11月から改修工事のために3年ほどレースが施行されないため淀の天皇賞(春)を見るのであれば今年ぜひとも京都競馬場に足を運ぶべきです。
8.NHKマイルカップ(5月10日)
東京競馬場・芝1600m・3歳
5月に入ると毎週のようにG1が開催されます。
東京競馬場はこのNHKマイルカップを日切りに5週連続でG1が開催されます。
かつてはクラシックに出走できない〇外が出走できるG1として注目されてきましたが近年はオークスやダービーを目指さずG1を狙う馬が揃うことから残念桜花賞・皐月賞とも呼ばれています。
しかしながら性別問わず3歳の牡馬、牝馬が激突するG1はこれが最初です。
過去にもアエロリットやアドマイヤマーズらがここを制してその後も活躍しました。
メンバーはクラシックに比べると見劣りしますが個性的なメンバーが揃う意味では非常に面白いレースです。
9.ヴィクトリアマイル(5月17日)
東京競馬場・芝1600m・4歳以上・牝馬
春の東京G1第二戦となるヴィクトリアマイルは春の牝馬最強決定戦を目指すレースです。
距離がマイルなのでスプリンター路線で活躍する牝馬、中距離路線で活躍する牝馬が激突することで距離問わず牝馬の女王を決める一戦となっています。
ここを勝ち切った馬で印象深いのはヴィルシーナでしょう。
クラシックでは桜花賞、オークス、秋華賞と2着に善戦しましたが同期にジェンティルドンナがいたためにクラシックタイトルを手にできなかった悲運の馬です。
しかし、古馬になってこのヴィクトリアマイルを勝ち切ると翌年のヴィクトリアマイルも勝ち切り、見事連覇を成し遂げたのです。
今年も短距離路線から中距離路線にかけて結果を残している牝馬が集まることに期待したいですね。
10.オークス(5月24日)
東京競馬場・芝2400m・3歳・牝馬
桜花賞に続くクラシックレースの第二弾はこのオークスです。
日本ダービーと同じ2400mの距離を走れるだけのスタミナが求められる舞台です。
桜花賞が1600mであることから出走する馬の距離不安はつきもので競馬予想家泣かせのレースでもあります。
ここを制した馬にはジェンティルドンナ、ミッキークイーン、アーモンドアイがいて、いずれも後に牡馬相手に結果を残していますね。
この記事を執筆している3月時点では一体どのような馬がここへ出馬を表明するか分かりませんが、春の3歳牝馬決定戦として、毎年注目を浴びるレースです。
11.日本ダービー(5月31日)
東京競馬場・芝2400m・3歳
今年は5月の最終日に開催されることとなる日本ダービーは多くの競馬関係者が夢見る舞台です。
かつてここを勝って大活躍した馬もいれば、ここを最後に引退した馬もいるほどに格のあるレースです。
クラシックの中でも運の要素が強いといわれるレースで、2019年の勝馬ロジャーバローズは最内枠を活かした逃げで皐月賞馬サートゥルナーリアやダノンキングリーを抑えて逃げ切り勝ちを収めました。
その他にも怪我に泣かされた二冠馬ドゥラメンテ、牝馬のウオッカなど、競馬界に名前の爪痕を残した名馬が揃っています。
今年はどんな馬が揃うのか、いまから楽しみですね。
12.安田記念(6月7日)
東京競馬場・芝1600m・3歳以上
春の東京G1最終戦となる安田記念は日本ダービーとはまた違ったメンバーが揃うことで注目されます。
生粋のマイラーはもちろんのこと、梅雨の時期の宝塚記念をあえて回避してここを狙いに来る中距離馬や高松宮記念を最後に、間隔が空いたスプリンターなども出走するため各路線で活躍する馬が一堂に集うのです。
近年の勝馬で印象深いのはモーリスでしょう。
クラシック路線では芽が出なかったモーリスは4歳になってこの舞台を制し、初のG1タイトルを手にしました。
そして、その後マイルCS、天皇賞(秋)といったG1を獲得し、最終的にはG1タイトルを6つ獲得しました。
今年も名馬が揃うことに期待したいですね。
13.宝塚記念(6月28日)
阪神競馬場・芝2200m・3歳以上
春のグランプリレースはこの宝塚記念です。
暮れの有馬記念に対抗すべく、人気投票式を採用したこのレースは本来であれば注目されるべきなのですが、梅雨の時期が重なることから例年荒れる傾向が強く、この舞台をあえて回避する陣営もいるほどです。
そのため年によってメンバーの豪華さが変わりやすいのが特徴です。
マリアライトが勝った2016年のように出走馬17頭すべてが重賞馬の年もあれば、キタサンブラックが飛んだ年のようにわずか12頭で開催される年もあります。
例年波乱傾向の強いレースでどのような馬が出走するのか現時点では未知数ですが、一頭でも多くの馬がグランプリを狙って出走してくれることを願うばかりです。
なお、この宝塚記念は専用ファンファーレが流れます。有馬記念との差別化を図るために作られたファンファーレは年に一度しか聞けないのです。
14.スプリンターズステークス(10月4日)
中山競馬場・芝1200m・3歳以上
秋のG1第一戦目となるスプリンターズステークスは春に活躍した馬と夏に力をつけた馬が激突するレースです。
わずか1分少々のレースの中で短距離の王者を決めるためにどの競馬関係者も馬を鍛えているのです。
ここを勝ち切った代表的な名馬はサクラバクシンオーでしょう。
1993年、1994年のスプリンターズステークスにおいて史上初となる連覇を達成し、種牡馬入りしました。
サクラバクシンオー産駒には高松宮記念を制したビッグアーサー、朝日杯FSとNHKマイルカップを制したグランプリボスがいて、サクラバクシンオーの仔らしく、短距離路線で活躍しています。
枠順とゲートにも左右されることから波乱も起こりやすいレースですが秋のG1の初戦として多くの競馬ファンが待ってましたといわんばかりに注目するのです。
15.秋華賞(10月18日)
京都競馬場・芝2000m・3歳・牝馬
意外かもしれませんが秋華賞はクラシックレースではありません。3歳牝馬の3戦目ということで注目される秋華賞は桜花賞やオークスに比べると歴史が浅く、知名度も高くはありません。
しかしながら出世レースの色の強いレースで、過去にこの舞台を制したジェンティルドンナ、ショウナンパンドラ、ヴィヴロス、ディアドラ、アーモンドアイといった馬は後に牡馬混合G1をも制しています。
桜花賞やオークス組だけではなく、夏に力をつけてきた牝馬の好走事例も高く、最後の一冠をかけた熱い戦いが繰り広げられます。
16.菊花賞(10月25日)
京都競馬場・芝3000m・3歳以上
クラシック最後の一冠は伝統ある菊花賞。
ここに出走する全ての馬が全く未知の距離である3000mを舞台に激闘が繰り広げられます。
近年はステイヤーよりも中距離志向が強い影響から世代トップクラスの馬でもここをあえて回避し、後に開催される天皇賞(秋)やジャパンカップを選ぶ傾向が強いです。
近年で例えるならレイデオロやサートゥルナーリアが中距離を選択しました。そのため、近年菊花賞に出馬を表明する馬はやや小粒の印象があります。
しかし、先ほど紹介した秋華賞同様菊花賞を制した馬は古馬になってから大舞台で活躍する傾向が強いです。
例えば2015年のキタサンブラックはここで初めてG1を手にして最終的にG1タイトルを7つ獲得し、2016年のサトノダイヤモンドはこの年の有馬記念を制覇します。
このように出世傾向が強いため春に活躍した有力馬のみあらず、夏に力をつけてきた馬も最後の一冠をかけて挑んでくる傾向が強いのです。
京都競馬場は2020年11月から改修工事のために3年ほど開催されないため、淀の菊花賞を見たいのであれば今年、京都競馬場に足を運びましょう。
17.天皇賞(秋)(11月1日)
東京競馬場・芝2000m・3歳以上
国内で開催される全てのG1の中でも特に豪華メンバーが揃うのがこの天皇賞(秋)です。
2000mという絶妙な距離がマイル組や中距離組、それどころか実力のある牝馬も2週間後に開催されるエリザベス女王杯ではなくあえてこちらを選択することもあります。
また、3歳馬も出走できることから、クラシック路線で結果を残した馬が距離不安のある菊花賞ではなく群雄割拠な天皇賞(秋)に挑む傾向も強いです。
春の中距離決定戦である大阪杯もメンバーが揃うことで有名ですが大阪杯はドバイワールドカップデーと被ることから、有力馬は割れやすいです。
そのため、大阪杯よりも天皇賞(秋)は豪華なメンバーが揃うのです。
メンバーレベルの高さは世界的に見ても一目置かれていて2019年度のIFHA(国際競馬統括機関連盟)における世界のレース格付けでも有馬記念とタイとなるトップ17に選ばれるほどでした。
今年はいったいどんな馬が出走するのか楽しみですね。
18.エリザベス女王杯(11月15日)
阪神競馬場・芝2000m・3歳以上・牝馬
11月から京都が3年に渡る改修工事を行うためエリザベス女王杯は阪神競馬場で開催されることとなりました。
秋の牝馬最強を決める一戦ですが春のヴィクトリアマイルと違い、中距離の非根幹距離を走るためスプリンターやマイラーの牝馬は出馬を表明しません。
また、昨年のアーモンドアイやジェンティルドンナのように本当に強い牝馬はここを選ばずに天皇賞(秋)やジャパンカップを選択することから、牝馬最強決定戦らしからぬ小粒開催となる傾向も強いです。
しかしながら、2015年のマリアライトや2018年に制したリスグラシューのように勝った馬はその後の飛躍も期待できます。
短距離牝馬は集まりませんがクラシックや秋華賞を走った3歳牝馬が参戦する傾向も強く、ヴィクトリアマイルとは全く違ったメンバーが揃うのも特徴的でしょう。
19.マイルチャンピオンシップ(11月22日)
阪神競馬場・芝1600m・3歳以上
エリザベス女王杯同様、こちらも今年は阪神競馬場開催となります。
春の安田記念同様、マイラーだけでなくスプリンターや中距離路線からも参戦することが多いです。
しかしながら例年は開催後期の京都において力の求められる馬場に開催されることが多く、どちらかというとスプリンターよりも中距離馬のほうが結果を残している傾向が強いです。
例えばここを好走したペルシアンナイトは皐月賞で2着でしたし2016年に2着に入選したイスラボニータも皐月賞馬、2018年に3着で入選したアルアインも皐月賞の勝馬でした。
地味に皐月賞と結びつきが強いレースだったりします。
皐月賞に限らず、中距離路線で結果を残している馬には注目したいところですが今年は阪神競馬場開催となっているため過去のデータは鵜呑みにはできないでしょう。
20.ジャパンカップ(11月29日)
東京競馬場・芝2400m・3歳以上
日本が誇る国際招待レースで1着の賞金額も3億円と暮れの有馬記念と並ぶ国内最高賞金レースです。
創設時は日本で世界の馬と戦えることを趣に設立されましたが近年は欧州芝と日本芝の違いの観念から、外国馬の出走は減少気味で、2019年にはついに外国馬の出走がゼロとなってしまいました。
当初の名目は全くと言っていいほど果たせていませんが、国内馬にとっては賞金額の高さとダービーやオークスと同じ東京芝2400mで走ることができる数少ない舞台ということで例年G1ホースが揃います。
それでも天皇賞(秋)と比較するとやや小粒感は否めない...というよりも天皇賞(秋)が豪華すぎるのかもしれません。
日本馬に限らず、外国馬の出走に期待したいですね。
21.チャンピオンズカップ(12月6日)
中京競馬場・ダート1800m・3歳以上
かつてはジャパンカップダートという名前で開催されていました。
砂のジャパンカップともいえるこのレースは秋のダート王者決定戦です。
春のフェブラリーステークスと違い3歳馬も出馬できます。2018年の勝馬ルヴァンスレーヴ、2019年の勝馬クリソリベルのように近年は3歳馬の台頭が大きいですね。
2017年の勝馬ゴールドドリームのようにここを制した馬は他のダートG1を勝つ傾向が強く、出世傾向にあるのもポイントです。
暮れに東京大賞典があることからメンバーは分散しがちですが、年に2回しか開催されない中京競馬場でのG1ということで多くの人が中京競馬場に来場するのです。
22.阪神ジュベナイルフィリーズ(12月13日)
阪神競馬場・芝1600m・2歳・牝馬
12月は2歳のG1が3戦開催され、その1戦目がこの阪神ジュベナイルフィリーズです。
ここを勝った馬はほぼ確実に最優秀2歳牝馬に選ばれることから、早生まれの牝馬が集まります。
身体もできていない馬が多く、かつてはここで好走しても年を重ねることに凡走する馬が多かったです。
しかし、近年は古馬になっても活躍する馬が多く、ラッキーライラック、リスグラシューといった馬はまさにその典型でしょう。
2歳の重賞のわりに荒れる傾向が少なく、ほぼ人気通りに決着するため穴党は極力避けたほうがよいレースでもあります。
23.朝日杯フューチュリティステークス(12月20日)
阪神競馬場・芝1600m・2歳
阪神ジュベナイルフィリーズと全く同じ舞台で開催される朝日杯フューチュリティステークスは元々は朝日杯3歳ステークスという名前で開催されていて、実は歴史は深いレースです。
武豊騎手が唯一獲得できていないG1としても有名で、2015年にはエアスピネルに騎乗して勝負に挑みましたが新馬戦から挑んだリオンディーズに敗れてしまいました。
阪神ジュベナイルフィリーズと同じ舞台でありながら小波乱の傾向が強く、2019年のグランレイ(14番人気)や2018年のクリノガウディー(9番人気)のように伏兵馬には警戒が必要です。
しかしながら人気を集めた馬も馬券に絡みやすいため複合馬券を購入するのであれば人気馬+不人気馬の組み合わせで思わぬ高配当を得られるかもしれません。
24.中山大障害(12月26日)
中山競馬場・障害4100m・3歳以上
例年有馬記念の週の土曜日に開催される秋の障害チャンピオン決定戦です。
一年を通して障害レースで実績を重ねた馬はほぼ確実に出馬を表明します。
障害レースは平場のレースと比較するとどうしても注目度は低いのですが、2017年のオジュウチョウサンとアップトゥデイトは名レースと名高いです。
絶対王者オジュウチョウサンに勝つためにアップトゥデイト陣営が取った一か八かの先方は大逃げでした。
逃げるアップトゥデイトに対し、絶対王者オジュウチョウサンがとった追い込み。2頭の激戦は映像越しに多くの観客を奮い立たせ、普段障害レースを全く見ない人をして、この年一番のレースと言わせるほどでした。
オジュウチョウサンとアップトゥデイトの活躍で、にわかに障害レースも注目を浴びることとなったのです。
今年は果たしてどのような馬が出馬を表明するのか興味が尽きませんね。
25.ホープフルステークス(12月26日)
中山競馬場・芝2000m・2歳
賛否両論がありながらも2017年にG1に昇格したホープフルステークスは有馬記念のあとに開催されていました。
締めは有馬!という人にとってはなんとも不甲斐ないレーススケジュールでしたが今年はカレンダーの関係からか年の最後のG1を有馬記念に譲り、ホープフルステークスはまさかの土曜日開催となりました。
そもそも平場のG1が土曜日に開催することが異色ですし、障害G1である中山大障害と同じ日にホープフルステークスが開催されることとなったため、12月26日の中山競馬場では1日に2つのG1を楽しめることになりました。
レースとしては朝日杯フューチュリティステークスと時期が被りがちで有力馬は2つに分かれます。
しかしながら2016年のレイデオロや2018年の勝馬サートゥルナーリアのように後に羽ばたく馬が現れやすくも感じます。
G1昇格当初は競馬ファンでも否定的な意見が多かったのですがサートゥルナーリアの活躍により近年は薄まりつつあります。
来春のクラシックに向けて、若駒が集まることに期待したいですね。
26.有馬記念(12月26日)
中山競馬場・芝2500m・3歳以上
3年ぶりに年度最後のG1として有馬記念が帰ってきました。
有馬記念の知名度は競馬に興味のない人でも行き渡っていることでしょう。競馬はやらないけど有馬だけは買うという人も身近にいらっしゃることかと思います。
プロ野球のオールスターからヒントを得たファン投票によって優先出走権が得られる稀有なレースで、2018年にはこのルールを利用して障害馬であるオジュウチョウサンが参戦したことで話題になりました。
この年に活躍した中距離馬はもとより、牝馬、3歳馬も集まりまさに競馬のオールスターともいえるレースです。
例年、菊花賞組が好走しやすく、2019年の有馬記念の3着馬ワールドプレミア、4着馬フィエールマン、5着馬キセキはいずれも菊花賞馬でした。
それ以外にもオルフェーヴル、ゴールドシップ、サトノダイヤモンド、キタサンブラックと菊花賞馬が非常に強いです。
枠順にも影響されていて連対しやすいのは1~4枠の馬です。それより外を引いた馬はよほど強い馬でないと好走は厳しく、暮れのレースながら、運の要素も強いレースです。
今年は有馬記念が最後のG1ということもあり、また、ボーナスのあとに開催されるということもあって例年以上に馬券の売上が上がりそうな気がします。
まとめ
日本の全てのG1を紹介しました。
時期も時期で秋開催のレースに出走する馬に関しては全く未知数だったためにレース傾向と過去の勝馬にスポットを当てさせていただきました。
G1レースは多くの競馬関係者が出走馬や調教師、レースデータを根掘り葉掘り引き出すためG1ウィークになると情報も豊富になり、それらを見るだけでも楽しめます。
今年はいったいどんなドラマが生まれるのか、いまから楽しみですね。