競馬の坂路といえば思い出される馬。
それは、栗東に坂路ができた当初から、これをフルに活用することで知られた戸山為夫調教師の方針によって、これ以上はないぐらいのハードトレーニングを課せられ、心肺機能と四肢の筋力を極限まで鍛え上げられたミホノブルボンです。
ミホノブルボンは1992年の2冠馬(皐月賞、日本ダービー)で、菊花賞ではライスシャワーの2着でした。
その後、怪我のため引退をしました。
この戸山調教師とミホノブルボンこそ、坂路調教を世に知らしめ、美浦にも坂路を設置することになるきっかけを作ったコンビでした。
今日はその坂路における時計の意味とその見方について紹介したいと思います。
坂路時計とは?
坂路時計とは文字どおり、坂路調教でのタイムのことを指します。
美浦と栗東では坂路の構造が全く変わってきます。
美浦の坂路ですが、実際に調教で坂を上る区間は約800mです。
その800mのうち、始めの400mは緩い坂で、400mで2.5mしか上りません。
そして後半の400mで13m上ります。
一方、栗東の坂路ですが、最初の300mで6m上り、そしてその後の570mで20m上ります。
さらにその後の100mで4m上っています。
明らかに、美浦の坂路よりも、きつい坂なのです。
これはあまり知られていないのですが、実際に調教タイムを見る際に考慮に入れて見る必要があります。
坂路時計の見方、注目するべき馬とは?
坂路調教の場合は、基本的には最後の1ハロンと全体の4ハロンを見ます。
前述の通り、美浦と栗東では構造が違うため、美浦坂路の基準タイムは栗東坂路の基準タイムと比べると1秒くらい(4F)速いです。
ラスト1Fが11秒台になる馬も結構多いです。
馬に負担のかかる坂路で速いタイムを出せる馬は、瞬発力があっていい脚を使える能力を秘めているという評価ができます。
特にここまで見てきていただいた通り、栗東の坂路1ハロンが最もきつい部分になります。
つまり、予想に役立てる際に注目すべきポイントは栗東の坂路調教のラスト最速の馬です。
単純な見方ですが、レース結果を見ると連に絡んでくることが非常に多くあります。
今まで注目をされていなかった方は、ぜひ注目をしてみてください。
まとめ
ここまで坂路の構造と坂路時計の見方、それに即した形で予想の仕方について解説をしてきました。
坂路調教は他の調教と比較しても、主流な調教となっており、最終追い切り坂路調教タイムランキングがよく競馬新聞等で発表されているほどです。
せっかく発表されている情報なのですから、それを活かさない手はありません。
ぜひ皆さんも参考にして見てください。