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天栄仕上げとは?現在の競馬界を変える外厩制度と強さの秘密

競馬をしていると、「天栄仕上げ」という言葉を耳にするようになりました。

 

近年はそれらの馬の活躍によって、競馬の常識が変わろうとしています。つまり、これからの競馬予想には、欠かせない言葉なのです。

 

ここでは、天栄仕上げとは何なのかということについて紹介します。

 

天栄仕上げとはどういう意味?

「天栄」とは、ノーザンファーム傘下のトレーニングセンター「ノーザンファーム天栄」を指します。トレーニングセンターというと栗東や美浦が浮かぶかもしれませんが、それらは内厩と呼ばれるJRAの施設です。対してノーザンファーム天栄は、外厩と呼ばれるJRA以外の厩舎ということになります。

 

このノーザンファーム天栄で調教された馬を天栄仕上げと呼びます。

 

外厩とは?

もともと外厩は、内厩に収まりきらない馬たちが滞在するための場所でした。内厩では、与えられる馬房の数が決まっているためです。

 

ここを調教が行えるように設備投資したのが、ノーザンファームです。その素晴らしい設備から、関東のノーザンファーム天栄と、関西のノーザンファームしがらきは、「最強の外厩」とも呼ばれています。

 

競走馬はレースの10日前には、栗東トレーニングセンターまたは美浦トレーニングセンターに滞在しなければならないという決まりがあります。これには、レースにおける公正を守るためと、疫病への感染を防ぐためなどの理由があります。

 

最近ではこの期限ぎりぎりまで外厩で調整をしてから内厩入りする、10日競馬という調整法も行われています。

 

覆された休み明けの概念

少し前は、休養明けに大きなレースに挑む場合は叩き台となるレースを挟むことが常識でした。人間も馬も同じで、休養をはさむとそれだけ体がなまるためです。なので、出馬表に「休養明け」の文字があるだけで、割り引いて予想するのが普通でした。

 

しかし最近では、休養明けの馬がGIを勝つケースが増えています。

グランアレグリアは年明け初戦が桜花賞という驚きのローテーションでしたが、見事に勝利しています。アーモンドアイもシンザン記念からの桜花賞、オークスからの秋華賞というローテーションで牝馬三冠を達成しています。

他にも皐月賞のサートゥルナーリアや天皇賞(春)のフィエールマンなども、同じく休養明けでGIを勝っています。

 

これらの馬の活躍により、従来のローテーションの考え方が崩れつつあります。活躍馬に共通するのは、「休養」していた先がノーザンファーム天栄だったということです。

 

なぜ天栄仕上げの馬は強いのか

ノーザンファーム天栄は、福島県にあります。美浦トレーニングセンターから、自家用車で2時間半、馬運車で3時間半から4時間という利便性の高い立地です。

 

その施設はJRAのトレーニングセンターに勝るとも劣らない設備を備えています。

 

ノーザンファーム天栄の施設

注目すべきは、2017年に改装された坂路コースです。全長は及ばないまでも、高低差は美浦トレーニングセンターの倍あります。天栄仕上げの馬たちはこの坂路でしっかりと負荷をかけたトレーニングを行っています。このトレーニングこそが、天栄仕上げの馬たちの飛躍の秘密だといわれています。

 

【坂路の全長と高低差】

・ノーザンファームしがらき:全長  800m、高低差39.7m

・ノーザンファーム天栄  :全長  900m、高低差36m

・栗東トレーニングセンター:全長1,085m、高低差32m

・美浦トレーニングセンター:全長1,200m、高低差18m

 

また、屋内施設を備えていることも大きな意味を持ちます。年間を通して天候や気温に左右されることなく調教ができるためです。これは育成段階の馬には大きなメリットであるといわれており、実際にノーザンファーム産の新馬は目覚ましい活躍を見せています。

 

放牧はのんびり過ごす時間ではない

放牧というと、馬たちがレースを忘れて牧場でのんびり草を食べている姿を想像してしまいます。しかし、近年の放牧は内容が違ってきています。

 

大きなレースを終えた後に放牧に出される競走馬ですが、行先は生まれ故郷の北海道ではなく外厩です。ノーザンファーム天栄では、レース後のリフレッシュと同時に、次のレースへ向けてコンディションを整えています。

 

放牧とはいっても、ただ休むわけではなくしっかりとトレーニングをしているのですから、従来の「休養明け」とは意味が異なってくるのです。

 

天栄仕上げを予想にどう生かすか

ノーザンファーム天栄で調教された馬が、非常に強いことがわかりました。

では、どのようにして情報を入手し、予想に生かせばよいのでしょうか?

 

外厩情報は新聞には載らない

外厩で調教したかどうかは、JRAの公式ホームページや競馬新聞には載りません

関係者のコメントとして新聞などには時折載ることはあっても、基本的には全出走馬分の情報を入手することはできません。

 

外厩情報を入手するには、インターネットが中心となります。無料で紹介しているものもありますが、詳細な情報となると有料サイトの方がいいでしょう。

また、一口馬主クラブの会員になれば、そのクラブの外厩情報を入手することができます。公式な情報なので、詳細な内容が入手できるようです。

 

予想にどう生かすか

天栄仕上げの馬が結果を出している以上、これからの競馬予想には欠かせない要素になります。

前走がふるわなかった馬でも、外厩での放牧を挟んで次走では目覚ましい走りを見せたという例もあります。このような場合は、前走の成績だけを見て馬券からははずしてしまいがちですが、外厩滞在をしたかどうかを知っておくと見方を変えることができます。

 

GIなどの大きなレースになると外厩帰りの馬も多くなるため、それだけで予想を立てることはできません。しかし、予想の要素のひとつとして頭に入れておくだけで、見極めがしやすくなります。

 

参考:外厩情報とは?なぜ競馬新聞ではのっていないのか。どこでわかる?

 

今後の競馬

天栄仕上げの馬の活躍と強さの秘密は、最新の設備と優秀な人材がそろった外厩での調教にあることがわかりました。

 

外厩帰りの馬の活躍によって、競馬そのものが変わりつつあるのかもしれません。

 

今後は予想をする上で、外厩情報を取り入れてみてはどうでしょうか。もしかしたら、今までとは少し違った見方ができるようになるかもしれません。

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