今回は日本競馬におけるコースレコードタイムの一覧とそれぞれの特徴などについてまとめてみました。
そもそも、レコードタイムが出るようなレースにはある一定の特徴があります。
レコードタイムが出る特徴とは?
競馬には様々なコースや距離があり、そこで行われるレースでは必ずタイムが計測されています。
競馬の場合、馬券を買うにあたってはタイムと言うより着順が全てを決定しますので、例えば全く同じタイム(0.0秒差)でゴールしても、わずか数センチの違いで3着と4着が分かれれば馬券の対象も大きく変わってきます。
一方、タイム自体も重要な要素となっており、例えばその日の馬場状態によって競走馬が走りやすい馬場(=早くタイムが出やすい)なのか、それともパワーが必要で走りにくい馬場(=タイムが遅くなりやすい)なのかを見極めることは重要です。
そんな競馬のタイム計測ですが、同じ距離においてそれぞれのレコードタイムが記録として残されます。
レコードタイムが出やすい特徴として、逃げ馬がいてレース全体のペースが速い時、芝コースであれば良馬場、ダートコースなら重馬場や不良馬場でスピードが出やすい(走りやすい)時という2つの要素が重なるとレコードタイムが出やすい傾向があります。
また、特に芝コースの場合は開幕したばかりの時期はまだ芝が傷んでいないので、その辺りの時期もレコードタイムが出やすいと言えるでしょう。
では、こうしたレコードタイムを持っている競走馬(=スピードが速い馬)が強いのか、その辺りを実際のデータを用いて見ていきましょう。
芝コースのレコードタイム一覧
まずは現在(※)の芝コースにおけるレコードタイムを見てみましょう。
2歳馬
距離 |
タイム(場名) |
馬名 |
年月日 |
1000m |
55.0(新潟) |
レジーナフォルテ |
平成28. 8.28 |
1100m |
1:05.0(京都) |
ヤマピット |
昭和41. 9. 4 |
1200m |
1:07.8(中山) |
サーガノヴェル |
平成13.12.16 |
1300m |
1:16.8(阪神) |
イナドコトブキ |
昭和53.12.16 |
1400m |
1:20.3(京都) |
アストンマーチャン |
平成18.11. 5 |
1500m |
1:29.1(札幌) |
キャンディバローズ |
平成27. 8.23 |
1600m |
1:32.3(京都) |
ミッキーアイル |
平成25.11. 2 |
1700m |
1:41.5(福島) |
コンドルクエスト |
平成15.10.25 |
1800m |
1:45.9(東京) |
イスラボニータ |
平成25.11.16 |
2000m |
1:59.8(京都) |
アグネスフォルテ |
平成27.10.24 |
※データは2017年1月22日終了現在
まずは2歳馬のレコードタイムです。
こうしてみると、1400mにおいてはファンタジーステークスでアストンマーチャンが記録したレコードタイムが残っています。
アストンマーチャンはこの後、同世代最初のG1である阪神ジュベナイルフィリーズに出走し、2着と好走しています。
また、1600mの記録保持者であるミッキーアイルは未勝利戦で記録したものであり、その後は破竹の4連勝でG1のNHKマイルカップを制覇。
古馬になってからもマイルチャンピオンシップを制覇するなど、マイルG1で活躍をしていますが、この時期から既に類まれなスピードを持っていたということが分かりますね。
その他にも、1200mの記録を持っているサーガノヴェルはこの記録がデビュー2戦目のフェアリーステークスで記録したものであり、続くクリスタルカップも勝って重賞2連勝を飾りました。
1800mの記録を持つイスラボニータはクラシック路線の登竜門として注目される東京スポーツ杯2歳ステークスで記録したものであり、その後も共同通信杯(G3)、皐月賞(G1)、セントライト記念(G2)を制覇。
日本ダービー(G1)・マイルチャンピオンシップ(G1)2着、天皇賞(秋)(G1)3着2回など第一線で活躍しています。
このように、2歳時にレコードタイムを記録できる競走馬、特に1200m、1400m、1600m、1800mといった重賞レースも多く組まれている距離でレコードを記録できるだけの能力を持った馬はその後の活躍にも繋がる可能性が高いと言えそうですね。
では、次に3歳以上の記録を見ていきましょう。
3歳以上
距離 |
タイム(場名) |
馬名 |
年月日 |
1000m |
53.7(新潟) |
カルストンライトオ |
平成14. 8.18 |
1100m |
1:04.9(福島) |
トミヨルカ |
昭和45. 7.11 |
1200m |
1:06.5(小倉) |
アグネスワールド |
平成11. 7.17 |
1300m |
1:16.2(阪神) |
ファインクローバー |
昭和51.12. 4 |
1400m |
1:19.0(新潟) |
マグナーテン |
平成14. 7.14 |
1500m |
1:27.7(札幌) |
セウアズール |
平成27. 8. 2 |
1600m |
1:30.7(中山) |
レオアクティブ |
平成24. 9. 9 |
1700m |
1:39.8(小倉) |
メイショウジェイ |
平成21. 7.18 |
1800m |
1:43.9(京都) |
グランデッツァ |
平成26. 5.17 |
1900m |
1:54.1(阪神) |
ニチドウタロー |
昭和55. 4.19 |
2000m |
1:56.1(東京) |
トーセンジョーダン |
平成23.10.30 |
2200m |
2:09.9(中京) |
グリュイエール |
平成28. 3.27 |
2300m |
2:18.3(東京) |
セイウンエリア |
平成11. 5. 9 |
2400m |
2:22.1(東京) |
アルカセット |
平成17.11.27 |
2500m |
2:29.5(中山) |
ゼンノロブロイ |
平成16.12.26 |
2600m |
2:37.3(福島) |
サクセスパシュート |
平成24.11. 3 |
2800m |
2:55.2(中京) |
ムッシュシェクル |
平成 6. 3.13 |
3000m |
3:01.0(京都) |
トーホウジャッカル |
平成26.10.26 |
3200m |
3:13.4(京都) |
ディープインパクト |
平成18. 4.30 |
3400m |
3:29.4(東京) |
モンテクリスエス |
平成21. 2.15 |
3600m |
3:41.6(中山) |
エアダブリン |
平成 6.12.10 |
4000m |
4:15.6(中山) |
キクオーカン |
昭和49. 3. 3 |
※データは2017年1月22日終了現在
3歳以上になると距離の幅も広がりますし、特に中距離以上のレースになるとオープンクラス、特に重賞レースでの開催が多い傾向にあるので、自ずとレースのレベル上がると言えますね。
まず最初に注目したいのが芝1000mのレコードですね。
日本で唯一の直線競馬が実施される新潟競馬場においてカルストンライトオが記録したタイムがレコードとなっており、そのタイムはなんと53.7秒。
1キロを僅か1分もかからずに駆け抜けるレースなだけに、毎年夏競馬の風物詩としてファンの間で楽しまれていますね。
それにしても、いかに競走馬のスピードが速いかと言うことが良くわかる記録と言えます。
次に1200mの記録を持っているアグネスワールドですが、これは4歳の夏に記録したもので、後にはフランスの短距離G1、アベイドロンション賞を制覇。
当時はまだそこまで日本馬が海外のG1レースに出走したり好走したりできる馬が少なかっただけに、当時としては非常に明るいニュースになったことは間違いないでしょう。
アグネスワールドはその翌年にもイギリスのG1レースにチャレンジしており、見事に勝利を収め、海外G1を2勝する大活躍をしました。
少し意外なのが1600m、1800mでこの距離はG1、G2も実施される距離ですが、レコードホルダーはともに重賞勝ちはあるものの、G1馬ではないという点が挙げられます。
2000mのレコードホルダーはトーセンジョーダンで、これはG1の天皇賞・秋に記録されたものです。
この時は冒頭で書いたレコードタイムが出やすい特徴にまさに当てはまるレースで、東京競馬場の芝は良馬場、さらにこのレースではシルポートという逃げ馬がおり、大方の予想通りシルポートが逃げる展開になったのですが、前半の1000m通過が56.5秒という超ハイペースとなりました。
そのなると先行していた馬たちはスタミナを使い果たしてしまい、後方にいる馬が有利になりますが、4コーナーを後方11番手で控えていたトーセンジョーダンが見事に差し切り勝ちを収め、それがレコードタイムとなりました。
その他にも、2400mの記録はジャパンカップで記録されたもので、この時もタップダンスシチーが逃げて前半1000m通過が58.3秒というハイペースでした。
長距離になると2500mは有馬記念、3000mは菊花賞、3200mは天皇賞・春での記録となっていますので、ただスピードが速いだけではなく、マラソンのようにスタミナを持ちながら速く走ることも出来るようなレベルの高い走りが求められたうえで記録されていると言えますね。
まとめ
芝コースのレコードタイムについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
レコードを記録した後にも活躍した馬もいれば、あまり馴染みのない馬もいるかもしれませんが、やはりレコードタイムを出せるというのはそれだけ速く走れることの証ですから、その後のレースぶりには注目したほうがいいかもしれませんね。
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