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競馬のレース前コメント(騎手・調教師・厩舎)は信用できる?コメント内容とレース結果の関係を分析してみた

競馬予想をする際に、ほとんどの競馬ファンは専門誌やスポーツ新聞の関係者コメントを参考にしているでしょう。

 

そのレース前コメントはどれぐらい信用できるか、どれぐらい結果に結びついているのか、2019年上半期のGⅠで1番人気を背負った馬の事例をもとに検証していきます。

 

※記事内の「」内に記している関係者コメントは『サンスポ ZBAT!競馬(http://race.sanspo.com/)』より 引用しています。

 

1番人気の馬が、人気に応えて勝った事例①(サートゥルナーリア)

2019年4月14日(日) 第79回 皐月賞

サートゥルナーリア(単勝1.7倍)→1着

 

レース前コメント(ルメール騎手)

「能力の高さは同じレースに乗って実感しています。2週続けて調教でまたがったけど、コンディションの良さを感じる。休み明けだけどスタッフがいい仕事をしてくれたし、自信を持ってレースに臨むことができる。皐月賞はまだ勝っていませんが、ベストチャンスだと思うし、きっちり結果を出したいです」

 

サートゥルナーリアが単勝1.7倍の圧倒的な支持に応えデビュー以来4戦無敗でクラシック一冠目を制しました。

 

年末のホープフルステークスを勝ってから、ぶっつけ本番になることが最大のポイントでしたがルメール騎手はベストコンディションに仕上げてくれたスタッフに感謝し、自信を持ってレースに臨める状態であることが伝わります。

 

レース当週だけでなく、1週前追い切りからルメール騎手が跨っていたことからも陣営の勝負気配がうかがえたのでこれは信頼できるコメントでした。

 

1番人気の馬が、人気に応えて勝った事例②(フィエールマン)

2019年4月28日(日) 第159回 天皇賞・春

フィエールマン(単勝2.8倍)→1着

 

レース前コメント(手塚貴久師)

「前走後はいつも通りにノーザンファーム天栄へ。それほど疲労も残っておらず、美浦に入厩してからも順調。調教の動きも良かった。前走時の過程と比べても数段いい。良馬場でやれそうなのは何より。秋に希望が持てるようなレースをしてほしい」

 

とにかく、陣営のこの馬への期待が強く伝わるコメントでした。

 

前走より過程がいいという内容コメントはよく目にしますが「数段いい」とまでコメントを残すということは仕上がりに相当な自信を持っていることが伝わってきます。

 

「秋に希望が持てるようなレースを」といった内容のコメントがある場合は、仕上がりが今ひとつで先々が楽しみになればという意味が込められていることが多いですがその不安は「数段いい」というコメントで払拭されました。

 

レースでは3200mとしては激しい流れになり直線もグローリーヴェイズに外から並ばれてる形になりましたが、最後は競り落とす強い勝ち方を見せてくれました。それほどタフな競馬になっても、しっかり勝ち切れるほど最高の仕上がりだったということが分かります。

 

1番人気の馬が、人気を裏切った事例①(アーモンドアイ)

2019年6月2日(日) 第69回 安田記念

アーモンドアイ(単勝1.7倍)→3着

 

レース前コメント(国枝栄師)

「金曜日にゲートを確認したが問題なかった。特に希望はなかったが、競馬がしやすい枠だと思う。この距離のスペシャリスト相手だけに油断はできないが、桜花賞以来というだけで、マイルへの対応は心配していない。今の東京はかなり時計が速く、スタートでのロスは致命傷になる可能性があるけど、毎回想像以上のパフォーマンスをするし、ここでも結果を出してくれると思う」

 

このコメントを読んでまず感じたのが、スタートに相当不安を残しているなということです。

 

「スタートでのロスは致命傷になる可能性がある」と最後の念を押しているのを読んで、金曜日のゲート練習はたまたま問題なかっただけで、まだまだ不安を残しているんだろうと感じました。

 

さらに「毎回想像以上のパフォーマンスをするし、ここでも結果を出してくれると思う」というコメントも根拠のない理想を言っているだけで、危険なコメントだなと判断することができました。

 

実際にレースではスタートでのトラブルがあり、5馬身ぐらい出遅れてしまいました。

 

最後の直線はこの馬らしい脚で追い込んできましたがさすがにGⅠのメンバーが相手では差し切ることができませんでした。単勝1.7倍と圧倒的な人気を集めている割には危険な要素がたくさん詰まったコメントだった良い事例ではないかと思います。

 

1番人気の馬が、人気を裏切った事例②(ダノンスマッシュ)

2019年3月24日(日) 第49回 高松宮記念

ダノンスマッシュ(単勝2.5倍)→4着

 

レース前コメント(安田隆行師)

「前走は直線で追い出しを待たされたけど、外にスペースを見つけるとスッと反応し、抜け出すことができた。昨年の今頃に比べれば馬もしっかりしてきたし、今なら左回りでもいい競馬ができるはず」

 

このコメントで危険だなと感じたのは「今なら左回りでもいい競馬ができるはず」という部分です。

 

馬が成長するとバランスの取れた走りができるようになり道悪を克服したり、右回り・左回りを問わず走れるといったコメントをよく見ますが、実際に克服できる馬はそれほど多くありません

 

実際に、GⅠクラスの馬になっても馬場状態・競馬場・回りなどの得手不得手を持ったままの馬が多いことがそれを証明しているでしょう。

 

なので「馬がしっかりしてきたし、今なら左回りでもいい競馬ができるはず」といったコメントは、馬が成長したので苦手も克服してほしいという希望的観測でしかないことが分かります。

 

レースでは4コーナーで外に弾かれる不利があったり、内が伸びる馬場だったという不運があったにしても最後の直線の伸びはこの馬本来のものではありませんでした。

 

関係者のレース前コメントは、どう扱うべきか?

私がコメントを読む上で常に意識しているのが 「ファンではなく、馬主など関係者を意識してコメントしている」ということです。

 

専門誌やスポーツ新聞にコメントが掲載されている調教師や厩舎スタッフ、騎手は馬主がいなければ食べていくことができません。なので、関係者の考えを強く意識したコメントであることを忘れてはいけません。

 

厳密にいえば、ファンによる馬券購入の売り上げもなくてはならないものですが、直接関わることは少ないので実際、それほど意識はしていないでしょう。

 

その馬の関係者がコメントを読んだときの心理を推察してみましょう。

 

人気薄での出走だった場合は、

強気コメント→少しは可能性があるのか…

弱気コメント→やっぱりダメなのか…

と受け取るだけで終わるので、仮に負けてしまっても、責められることはそれほどないでしょう。

 

ただ、これが人気馬だった時には話が変わってきます。人気を背負っていると、関係者は勝てる可能性が高いと期待をもって専門誌やスポーツ新聞を読みます。そこに、自信満々なコメントが書かれていて負けると、不信感を持たれることになります。

 

ただ、人気を背負っていて弱気すぎるコメントを残しても同じく不信感を抱かれることになります。

 

そういった微妙な心理の中でコメントを出している心情を考えながらコメントを読めば、人気通りに走ってくれる馬と、人気を裏切る可能性が高い馬を判別できる可能性が高くなると私は考えています。

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