レースの敗因を問われた競走馬の関係者が「落鉄していなければ好勝負できていたのですが…」というコメントを出すケースがよくありますよね。
そもそも、落鉄とはどういう状態のことを指すのでしょう?また、落鉄の原因やレースに及ぼす影響はどうなっているのでしょうか。
ここでは、競馬の世界でよく目にする「落鉄」という専門用語について、競馬初心者の皆さんにも分かりやすく解説いたします。
落鉄とは
競走馬の蹄鉄が外れることを「落鉄(らくてつ)」といいます。
蹄鉄とは、人間でいうところの靴に該当するもので、競走馬の蹄(ひづめ)の損傷を防ぐために装着されます。
レース前に落鉄した場合は蹄鉄を打ち直すことができますが、レース中に落鉄した場合は蹄鉄を打ち直すことは不可能で、蹄鉄が外れたままレースを走らなければいけません。
落鉄が起こる原因とレースへの影響
落鉄が起こる原因は?
装蹄師(そうていし)というプロが競走馬に蹄鉄を打ち込みますので、そう簡単には蹄鉄は外れません。
でも、競走馬はとんでもないスピードでコースを駆け抜けますから、少し踏み外しただけで、運悪く蹄鉄が外れてしまうことがあるのです。
また、小さな石を踏んだだけで蹄鉄が外れる競走馬もいます。
落鉄がレースに及ぼす影響は?
人間でいえば、走っている最中に靴が脱げてしまった、という状況になりますので、少なからず影響はあると思います。
落鉄がレースに及ぼす影響は科学的に証明されていないのですが、蹄の損傷が大きなケガにつながることもありますから、マイナスの影響を与えることの方が多いのではないでしょうか。
サトノダイヤモンドとドゥラメンテ
サトノダイヤモンドの落鉄
サトノダイヤモンドは2016年・日本ダービーのレース中に他馬と接触し落鉄。2着に終わっています。
わずか8cm差でマカヒキに日本ダービーのタイトルを譲ったサトノダイヤモンドにとっては痛すぎるアクシデントでした。
落鉄の不運さえなければ、2016年の日本ダービー馬はサトノダイヤモンドだったかもしれませんね。
ドゥラメンテの落鉄
ドゥラメンテは2016年・ドバイシーマクラシックに出走して2着に終わりましたが、落鉄していたことがレースの敗因といわれています。
レース前に落鉄していることが分かっていたものの、蹄鉄を打ち直すことができず、そのままレースに出走。
落鉄したままレースに出たことが影響したのか、直線で鋭い末脚を使うことができず、ポストポンドに敗れてしまいました。
まとめ
サトノダイヤモンドやドゥラメンテの例を見る限り、落鉄してしまうと、レースに悪影響を及ぼす可能性が高い、といえるのではないでしょうか。
馬券を買う時に「前走で落鉄があった」という関係者コメントを見つけた場合は、前走の成績を度外視したほうが良いでしょう。
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