競馬のレース後に騎手や調教師が「手前がスムーズに変わらなかった」というようなコメントを出すケースがありますよね。
「手前を変える」とはどういう意味なのでしょう?
ここでは、競馬の専門用語の中でも理解が難しい「手前」の効果や影響、見分け方を分かりやすく解説していきます。
手前を変えるとは?左手前と右手前
馬の走り方は、右前脚よりも左前脚を前に出す「左手前」と、左前脚よりも右前脚を前に出す「右手前」とに分けられます。
競馬ではコースの回りに応じて左手前と右手前を使い分ける必要があり、左手前から右手前へ、右手前から左手前へと変えることを「手前を変える」といいます。
どのようにして手前を変える?
騎手が重心を移動したり、持っているムチで馬の肩を叩く、などの合図を送ることで手前が変わります。
でも、騎手の合図に従順な馬ばかりではありませんので、騎手が手前を変えたくても馬が拒否することもあります。
また、脚に故障を抱えている馬は手前を変えることをためらうケースが多く、スムーズに手前を変えることができません。
レースへの影響と見分け方
手前を変えるとレースにどんな影響がある?
直線で目いっぱい走る時は左右どちらの手前で走っても問題ありません。
でも、馬は右回りコースの時は右手前で、左回りコースの時は左手前で走らないと、コーナーで外側に膨らみ、大きなコースロスをしてしまいますので、コーナーで手前を変える必要があるのです。
競走成績で左回りコースでは好成績を残しているけれど、右回りコースでは着外ばかり、という馬がいますが、この馬は左手前の走りが得意である一方、右手前の走りが苦手であることを示しています。
多くの馬は左手前を得意としているといわれていて、右手前でも走れるよう、ほとんどの馬が手前の変え方のトレーニングを積んでいます。
手前を変えた時の見分け方は?
メイショウマンボが優勝した2013年・オークスのレース動画をご覧いただきながら、どのように手前を変えているのかを確認してみましょう。
0:40からの映像で、手前が変わっているところがよく分かると思います。
最初は右手前で走っていますが、途中から左手前に変えて走っていますよね。
メイショウマンボのように直線で手前を変える馬も少なくありませんから、レース映像でしっかりチェックしておいてくださいね。
まとめ
馬は騎手が合図を出すことで手前を変えます。
競馬歴が長いファンでも、手前を変えることの意味を知らない方は多いので、なぜ手前を変える必要があるのかをこの機会に知っておきましょう。
競馬の生中継の中で見分けるのは至難の業ですが、レース動画を何度も見て手前の変わる瞬間が分かるようになれば、あなたも競馬熟練者の仲間入りです!
こちらの記事もおすすめ
>> 初心者必見!競馬を見る、買う時に欠かせない競馬の専門用語20選