競馬ファンの中で「牝馬限定戦は荒れやすい」というのは一般常識として浸透しています。
しかし、本当に牝馬限定戦は荒れやすいのでしょうか。今回は荒れやすい牝馬限定戦と荒れにくい牝馬限定戦をご紹介します。※各データは2019年9月8日現在のものです
荒れやすい牝馬限定重賞(中山牝馬ステークス・マーメイドステークス)
ハンデ重賞
「牝馬限定戦は荒れやすい」と同時に「ハンデ戦は荒れやすい」というのも、競馬ファンにはよく知られた格言です。今回は中山牝馬ステークス(GⅢ)とマーメイドステークス(GⅢ)の牝馬限定のハンデ重賞のデータを見ていきます。
●1番人気の成績(過去10年)
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|
中山牝馬ステークス | (1.2.1.6) | 10% | 30% | 40% |
マーメイドステークス | (2.1.1.6) | 20% | 30% | 40% |
●馬連万馬券の回数(過去10年)
中山牝馬ステークス:2回
マーメイドステークス:4回
●三連複万馬券の回数(過去10年)
中山牝馬ステークス:7回
マーメイドステークス:9回
●三連単万馬券の回数(過去10年)
中山牝馬ステークス:10回
マーメイドステークス:10回
JRAのレース全体で統計を取ると、1番人気の勝率は約32%、連対率は約51%、3着内率は約62%となります。これらのレースはこの平均値を大きく下回ります。
また、どちらのレースも過去10年すべてのレースで三連単は万馬券ですし、マーメイドステークスに関しては馬連万馬券も4回出ています。この2レースは荒れるという前提で予想して問題ないでしょう。
このような傾向になる理由としては、牡馬を相手に善戦した馬や一度でも重賞で上位に入ったことある馬がハンデを背負わされたり人気になることが多くなります。そして、3勝クラスや2勝クラスのオープン入りしていない馬たちが、極端にハンデが軽くなり穴馬として馬券に絡むケースが多くあるためです。
荒れやすい牝馬限定戦GⅠ(ヴィクトリアマイル・エリザベス女王杯)
次は牝馬限定GⅠの中で波乱傾向にあるレース、ヴィクトリアマイルとエリザベス女王杯の傾向を見てみます。
●1番人気の成績(過去10年)
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|
ヴィクトリアマイル | (1.4.0.5) | 10% | 50% | 50% |
エリザベス女王杯 | (1.3.3.3) | 10% | 40% | 70% |
●馬連万馬券の回数(過去10年)
ヴィクトリアマイル:2回
エリザベス女王杯:2回
●三連複万馬券の回数(過去10年)
ヴィクトリアマイル:8回
エリザベス女王杯:4回
●三連単万馬券の回数(過去10年)
ヴィクトリアマイル:10回
エリザベス女王杯:9回
ヴィクトリアマイルは1番人気の連対率が50%、エリザベス女王杯は1番人気の3着内率が70%と、一見波乱傾向の強いレースには見えませんが、ヴィクトリアマイルは三連複万馬券が過去10年で8本、エリザベス女王杯は三連単万馬券が過去10年で9本となり、ヒモ荒れ傾向で波乱が続出していることが分かります。
牝馬限定のGⅠの出走メンバーは、他のGⅠと比べて色々な条件から駒を進めてきます。牡馬と重賞を戦ってきた馬、オープン特別やリステッド競走ばかりを使ってきた馬、牝馬限定戦ばかりを使ってきた馬、条件戦を勝ち上がったばかりの馬と、多彩なローテーションになります。そのため、能力の比較が非常に難しくなるため、ヒモ荒れとなる穴馬の台頭が多くなります。
荒れにくい牝馬限定GⅠ(阪神ジュベナイルフィリーズ・桜花賞)
阪神ジュベナイルフィリーズ
●1番人気の成績(過去10年)
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|
阪神ジュベナイルフィリーズ | (4.1.1.0) | 40% | 50% | 60% |
●馬連万馬券の回数(過去10年)
阪神ジュベナイルフィリーズ:1回
●三連複万馬券の回数(過去10年)
阪神ジュベナイルフィリーズ:1回
●三連単万馬券の回数(過去10年)
阪神ジュベナイルフィリーズ:7回
このレースは一番人気が勝率40%と信頼ができます。そして、特筆すべきは三連複の万馬券が過去10年でわずか1回しか出ていないという点です。戦前からある程度勢力図がはっきりしており、よほどのことがない限りは波乱につながる要素がないと考えて予想して問題ないでしょう。
桜花賞
●1番人気の成績(過去10年)
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|
桜花賞 | (2.2.1.1) | 20% | 40% | 50% |
●馬連万馬券の回数(過去10年)
桜花賞:1回
●三連複万馬券の回数(過去10年)
桜花賞:2回
●三連単万馬券の回数(過去10年)
桜花賞:7回
1番人気が馬券に絡む確率は特筆して高くありませんが、過去10年で三連複万馬券が2回だけと、上位人気で決まることが多いのこのレースの特徴です。
先ほどの阪神ジュベナイルフィリーズも同じですが、トライアルで同じようなメンバーと戦い、力関係がハッキリした状態でレースを迎えることが多いので、波乱が起きにくい傾向にあるのではと考えられます。
牝馬限定戦の馬券の組み立て方
波乱傾向の強い牝馬限定戦の馬券を購入するときに一番考えておくべきことが、人気を背負っている馬が実績のある牡馬と差のないレースをした実績があるかという点です。
そういった実績があれば、牝馬限定戦では相手が楽になるので、人気でも信頼して問題ないでしょう。
ただ、牡馬が相手でもGⅢクラスで善戦して人気をしている馬は、過剰人気になったりするケースも多く見られます。このような馬が人気している場合は、軸馬にはおすすめできません。先ほども説明したようなハンデの軽い条件馬などを狙った方が良いでしょう。
牝馬で特に多い「季節労働者」
牝馬は発情期があったりと、牡馬と比べて一年を通してホルモンバランスのばらつきが激しい性別でもあります。冬場にだけ強い馬だったり夏場にだけ強い馬だったり、決まった時期だけいい成績を出す馬もたくさんいます。
例えば、2013年・2014年のヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナは、 2013年、1番人気でこのレースを勝ってから6戦連続7着以下と低迷が続きます。しかし、翌年は11番人気の低評価を覆して連覇を達成します。
牝馬限定戦の場合、過去のそのレースの結果を見て好走している馬は近走の実績に関係なく馬券は押さえておくと、穴馬券の的中に繋げることができるでしょう。
まとめ
今回は牝馬限定戦が本当に荒れやすいかどうか、荒れやすい牝馬限定戦と荒れにくい牝馬限定戦ご紹介、また牝馬限定戦の馬券を買う際の基本的な考え方をご紹介しました。
基本的には波乱が多いのが牝馬限定戦なので、的中する確率が上げると馬券の収支も一気にアップさせることができるので、皆さんも牝馬限定戦の的中方法を極めてみてはいかがでしょうか。
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