日本では正直あまりなじみのない種牡馬ですが、日本の競馬に適応した馬をコツコツと輩出し、地味ながらも種牡馬としてなかなかの活躍を見せているのが、パイロ(父プルピット)です。
プルピット自体、日本ではダートで活躍する産駒が少々いる程度ですからなじみが薄いと思います。
しかしこのプルピット、実は日本でも一時大ブレークしたAPインディ(父シアトルスルー:タイキブリザードらの父)直仔ということで、典型的なアメリカ血統ながらも、はっきりいってしまえば、アメリカではサンデーサイレンスを送ったヘイルトゥリーズン系よりはずっと評価が高く、実際活力もある系統です。
今回は、そのパイロの産駒についてお話していきましょう。
代表産駒の一覧を紹介
パイロというと、ダートで走る産駒のイメージが強いですが、JRAでの重賞勝ち馬というと、2016年の年明け早々芝マイルのGⅢフェアリーSを勝ったビービーバレル(母の父シルヴァーホーク)1頭が1勝のみということで、少々意外な感があります。
そして、このビービーバレルが現在のところパイロの代表産駒ということになるでしょう。
とはいえ、フェアリーSというと1年で一番時計がかかる中山の、パワーを要する芝コースということで、なんとなく血統のイメージには合っている印象があります。
そして、ビービーバレル自身芝では頭打ちになり、現在はダートでそこそこの成績を残し始めています。
産駒の特徴
グレイソヴリン系やネイティヴダンサー系のような快速の産駒は多くありませんが、全体的には距離の融通が利かないスピードタイプが多いです。
ダートで走る産駒が多く、芝でも時計がかかると台頭するタイプが多いのはすでにお話したとおりです。
そして、総じて早熟の傾向がある印象・・・要するに、典型的なアメリカ血統というタイプの産駒が多いといえます。
とはいえ、APインディを経由したシアトルスルー系の種牡馬なので、堅実さだけではなく、母系、牝系次第では今後大物が登場しないとも限りません。
産駒の成績
パイロ産駒は足掛け4世代を日本のターフ・ダートに送りだしていますが、これまで63頭が105勝を挙げており、これは地味ながらなかなかの数字です。
2016年リーディングサイアー争いでは31頭が36勝を挙げ、10月20日現在では23位につける健闘を見せています。
デビューが期待される注目産駒
仕上がりが早いパイロ産駒は、現2歳世代からすでに中央で8頭が勝ちあがる活躍を見せています。
また、大半がデビューをすでに果たしていますので、まさに2歳向きという産駒が多いですが、やはりイメージとしてはこれからデビューする組はむしろ厳しい可能性もあります。
ただ、これだけ仕上がりが早く、コンスタントに勝ち馬を出すというのも、種牡馬としての立派な才能で、オーナーさん孝行の種牡馬だとは思います。
まとめ
仕上がりが早くコンスタントに勝つ・・・そういう種牡馬としての才能は非常に高く評価されているパイロ、これで大物を1頭でも出せば、パイロにとって種牡馬としての未来が大きく拓かれることになるはずです。