ハービンジャー(父ダンシリ、母ペナンパール、母の父ベーリング)は繋養された当初はポスト・サンデーサイレンスとも言われたほど将来を嘱望された種牡馬でした。
現状では「でした」と過去形になってしまうのがちょっと残念ですが、種牡馬ハービンジャーをご紹介しましょう。
現役時代の主な成績
英国産馬ハービンジャーは現役時代、イギリスでのみ競馬に使われました。
戦績は9戦6勝、2着、3着、着外がそれぞれ1回ずつでした。
ビッグタイトルという意味では、日本で言うGⅠ級レースを1つしか勝っていませんでしたが、その1つが驚きのレースでした。
ラストランとなったヨーロッパ三冠レースのひとつ、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSでは、2着に11馬身差の圧勝という、オルフェーヴルも真っ青といった強さで引退レースを飾りました。
ハービンジャーのレースを映像で見たのは4歳時のラストランだけですが、非常に荒々しいファイトで、能力の高さはひしひしと伝わってきました。
そうした気性も産駒にはよく伝わっているという印象です。
現在までの産駒成績/代表産駒
ラストランのあまりにも素晴らしいファイトが評価され、どこかサンデーサイレンスの再来を期待して輸入された印象もありますが、現在のところ、正直その期待値にそぐう種牡馬成績とは言えないかな、ということになります。
初年度産駒でちょっと目立っていたのが、京成杯を勝ってクラシックにも乗ってきたベルーフ、そして2世代目は、京都2歳Sを勝ったドレッドノータスと、ベルーフに続いて京成杯を勝ったプロフェットの2頭が重賞勝ち馬となっています。
いずれもかなりスケールが大きいタイプで、しかもハービンジャー自身もラストランで素質が開花したように、どちらかといえば晩成タイプであっただけに、もしかしたら産駒も古馬になってから力を発揮できるようになるのかもしれません。
やはりハービンジャー産駒は気性が激しすぎるところがあるため、その気性が落ち着いてから果たしてどうかというところに注目してみたい気持ちは強いです。
また、勝ち馬という意味で重賞実績はイマイチですが、ここ数年はあまりにもディープインパクト産駒が重賞で走りすぎている印象もあり、また、勝ちにはつながっていないものの、かなり好走するレベルの馬は上記の重賞勝ち馬以外にもたくさんいるという点で、やはりある程度年齢を重ねてからが注目されます。
2016年デビューの注目産駒
現状ではそこまでの活躍を見せているとはいえないハービンジャー産駒ですが、人気種牡馬であることには違いなく、2016年デビュー予定の産駒にも期待は高まります。
中でも、サンデーサイレンスが入っていないハービンジャーにとってはサンデー系牝馬との相性はよく、中ではディープインパクト牝馬のサトノユリア産駒・サトノリュウガにはちょっと注目してみたいところです。
サトノリュウガは3代母にエアグルーヴがいるいわゆる超良血馬ということで、ハービンジャーからも待望のGⅠ馬誕生の期待が高まります。
もう1頭、重賞勝ち馬ドレッドノータスの全弟であるバルデス(母ディアデラノビア、その父サンデーサイレンス)にも、兄以上の期待がかかります。