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意外性のある産駒を輩出する大種牡馬というと、おそらく競馬ファン10人中10人が、「ステイゴールド!」と答えることになると思いますが、しかし意外性のある産駒を出す種牡馬は他にもいます。
ステイゴールドはサンデーサイレンス系ですが、非サンデー系ながらもそうした意外性を産駒に伝えたのが、「世界的名血」と呼ばれたあの馬でした。
そう、「あの馬」とは、スペシャルウィーク、セイウンスカイとともに「3強」を形成した、ダンシングブレーヴ産駒のキングヘイローです。
とはいえ、「ヘイロー」の名からもわかるように、キングヘイローはサンデーサイレンス同様ヘイロー系であることには違いありません。
代表産駒の一覧を紹介
キングヘイローの代表産駒というと、3歳時代には一時神がかった強さを見せたカワカミプリンセス(母の父シアトルスルー)でしょう。
桜花賞は出走しなかったので、秋華賞まで無敗の女王(オークス、秋華賞)でした。
古馬牝馬と初対戦となった続くエリザベス女王杯でも、完全に力が抜けていただろうというレベルの末脚を繰りだしながらも、メジロマックイーン以来のGⅠ1位入線降着という悲劇が起こってしまい、そこからカワカミプリンセスの運命も急転直下という印象でした。
そして、お父さんと同じくスプリント路線では強さを見せたローレルゲレイロ(母の父テンビー)でした。
ローレルゲレイロはスプリントGⅠを春秋制覇するスピードが最大の武器でした。
あとは、現在悲願のGⅠ制覇を目指しているクリールカイザーも、あのゴールドシップを破ってAJCCを勝っていますし、また、GⅠにはあと一歩届いていないスプリンターのマヤノリュウジンも、現在地方競馬で活躍中と、非常にいろいろなタイプの産駒を送るのも、さすがは意外性が持ち味のキングヘイローという気がします。
産駒の特徴
お父さんは「世界的名血」、「ダービー最右翼」などといわれながら、勝ったGⅠは古馬になってからの高松宮記念という意外性を見せましたが、やっぱり産駒も、カワカミプリンセスのようなキレ味抜群のクラシックホースが出たかと思えば、ローレルゲレイロやマヤノリュウジンのような典型的なスプリンターを出し、またそうかと思えば、今度はGⅠ6勝の名馬ゴールドシップを中距離で破るクリールカイザーのような馬も輩出するということで、産駒の特徴には傾向らしい傾向がないというのも、いかにもキングヘイロー産駒らしいなという気はします。
ダートでもそこそこの数字を残していますので、まさに「オールラウンダー」といったイメージの種牡馬です。
産駒の成績
キングヘイローは現在21歳、まだまだ現役種牡馬として元気ですが、ここまで13世代にわたって産駒を送り、220頭が470勝を挙げる活躍を見せています。
2016年リーディングサイアー争いでは、10月25日現在で8頭が11勝を挙げ、現在48位と頑張っています。
デビューが期待される注目産駒
現2歳世代からはまだ勝ち馬が出ていませんが、2着した産駒はいますので、勝ちあがりは時間の問題でしょう。
未出走組からは、リネンルクロスという牝馬(リボー、パーソロンを持ち、牝系はオークス馬スマイルトゥモローと同じ一族)は非常に奥がありそうな血統背景にあります。
まとめ
とにかく現役時代からつかみどころがないタイプで、種牡馬としても同じような印象があるキングヘイロー、ファンとしてはたまらない魅力的なキャラクターです。
まだまだ元気で種牡馬生活が続くだけに、そして何より「世界的名血」だけに、今後ますます期待したいものです。