エンパイアメーカーは、アンブライドルド-ファピアノ-ミスタープロスペクターというサイアーラインをたどる、懐かしいといえば懐かしい、日本ではおなじみのサイアーラインを引き継ぐ形で繋養されることになりました。
現役時代は北米三冠レースを2走し、ケンタッキーダービーで2着、ベルモントS優勝と、クラシックでの活躍が目立ちましたが、やはりサンデーサイレンスのイメージが強すぎる日本では、少々地味な印象を受けます。
そんなエンパイアメーカー産駒について今回ご紹介していくことにしましょう。
代表産駒の一覧を紹介
アメリカでも種牡馬の経験がありましたが、日本に来てからのほうが種牡馬としてのキャリアは長く、中でも代表産駒といえるのが、母にあのダンスパートナー(その父サンデーサイレンス)を持つフェデラリスト(中山記念、中山金杯)でしょう。
GⅠ級の可能性を秘めた馬でしたが、お母さんの悲願は達成されませんでした。
しかし現在は種牡馬となり、お母さんの血を父系として伝えるべく励んでいます。
他では、ダートでまさに異次元の決め手を持っていたイジゲン(母の父ディキシーランドバンド)が武蔵野Sを鮮やかに勝ったあのレースが印象に残ります。
この馬もGⅠ級の力はありましたが、イジゲンは残念ながらすでに死亡しています。
産駒の特徴
上記のとおり、芝でもダートでもGⅠ級の力を持った産駒を輩出しているという点で、エンパイアメーカーの種牡馬としてのポテンシャルは非常に高いといえるのではないでしょうか。
それを示すように、条件馬でもいろいろなタイプの産駒がいて、つかみどころがないといえばいえますが、なかなか見どころがある産駒が多い印象です。
産駒の成績
すでに9世代をターフに送っていますが、ここまでは96頭が171勝を挙げる産駒の活躍がありました。
2016年リーディングサイアー争いでは、10月20日現在で47頭が59勝を挙げ、15位につけています。
順位としては過去最高をマークする勢いです。
すでにアメリカが買い戻しているだけに、皮肉な結果となりそうですが・・・
産駒のダート・距離適性
血統からもわかるように、エンパイアメーカー産駒は圧倒的にダートに適性がある馬が多いです。
ただ、上記のフェデラリストのように芝でこそのタイプもいるので、非常に産駒のバラエティに富んでいるといえるでしょう。
距離適性については、やはり典型的なアメリカ血統だけに、あまり距離は伸びないほうがよいといえます。
かといって、早熟のスピードタイプばかりかというとそんなことはなく、意外と奥がありそうな産駒も少なくありません。
そういった産駒は、2000m前後までは十分こなせます。
デビューが期待される注目産駒
現2歳世代には実に65頭もの産駒が中央に所属していますが、だいたい半数程度はすでにデビューを果たしており、そのうちの数頭が勝ちあがっています。
それだけに、未出走組にも注目される産駒はたくさんいますが、1頭挙げるなら、あのサイレンススズカの甥っ子にあたるラーケン(母の父サンデーサイレンス)がやはり注目ということになるでしょうか。
まとめ
アメリカに買い戻されてから産駒の活躍が顕著化しているという点で、社台ファームの本家から分家へと移動になって産駒が突然激走をはじめたステイゴールドに通じるところがある気もします。
そういった意味では、存命ながらも「今はなきエンパイアメーカー」の今後の産駒が、むしろ注目なのではないでしょうか。