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エンドスウィープの代表産駒といえば、やっぱり牡馬相手の宝塚記念を力でねじ伏せてしまった恐るべき牝馬・スイープトウショウでしょう。
インパクトとしてはスイープトウショウに譲るとしても、実績では決して劣っていなかったのが、牡馬のアドマイヤムーンでした。
スイープトウショウはダンシングブレーヴから受け継いだ男勝りの底力が魅力でしたが、アドマイヤムーンはサンデーサイレンスから受け継いだ鋭い決め手を武器に、ドバイDF、宝塚記念、JCを制しました。
早熟とは言わないまでも、アメリカ血統のエンドスウィープ産駒のイメージを覆すような、両馬の古馬になってからの活躍は印象深いです。
ここではアドマイヤムーン産駒についてお話します。
代表産駒の一覧を紹介
個性派スプリンターとして大活躍したハクサンムーン(母の父サクラバクシンオー)が現在までのアドマイヤムーンの代表産駒でしょう。
この馬は、世界のロードカナロアを負かしたことがあり、GⅠの舞台でもロードカナロアに迫った実績があるほど、素晴らしいスピードがありました。
あと一歩GⅠには届きませんでしたが、馬場入りの際の個性あふれる旋回は、多くのファンを魅了しました。
そして、マイルの現日本レコードホルダーであるレオアクティブ(母の父オペラハウス)もまた、地味ながらも印象深い1頭でした。
不滅といっても過言ではない1分30秒7の時計は、坂のある中山で、しかも追い込み脚質でマークした時計だけに、衝撃的でした。
他にも、牝馬のファインチョイス、朝日CC(当時)を勝ったアルキメデスらがアドマイヤムーン産駒の重賞勝ち馬です。
産駒の特徴、距離適性
お父さんはクラシックディスタンスのJCや、非根幹距離だけに底力を要することが多い宝塚記念を勝った割には、産駒は短距離の志向が強いです。
アドマイヤムーン自身、やはりアメリカの名牝系の出身だけに、さらに父方のミスタープロスペクターのスピード能力の高さも加わり、いろいろな意味で「速い馬」を多く輩出している印象があります。
それだけに、現在の日本の競馬には非常に合致している産駒が多い印象があります。
ただ、反面あまり奥がない産駒が多いという印象も、現在のところ少しあります。
産駒の成績
アドマイヤムーン産駒は、早いものでもう6世代をターフに送っていますが、現在までに125頭が278勝を挙げているということで、この数字はさすがだなという印象があります。
2016年リーディングサイアー争いでは、重賞勝ちはないものの、40頭が50勝を挙げて10月20日現在で12位につけています。
デビューが期待される注目産駒
人気種牡馬なので頭数が多い割に、仕上がりが早いというメリットもあるアドマイヤムーン産駒ですが、未出走組の中では、ミスタープロスペクターのクロスがある牝馬のアネロワ(母の父キングマンボ)に、血統的な注目が集まるでしょう。
あまりにもスピード色が濃すぎるせいか、ミスタープロスペクターのクロスは日本での成功例がほぼないに等しいだけに、名門下河辺牧場が送るアネロワには、一種のタブーに迫るという意味での活躍を期待したいものです。
まとめ
フォーティナイナー系の血を日本で広めたのは、トワイニングなどもそうかもしれませんが、やはりエンドスウィープという種牡馬の導入が大きかったように思います。
その代表産駒となるのがこのアドマイヤムーン、その血はまだまだ広がっていく気配が濃厚です。