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田辺裕信騎手(美浦・フリー)は、福島県出身で現在32歳のジョッキーです。
田辺騎手というと、先日久々のJRA GⅠ勝利を手にし、まさに波に乗りまくっているジョッキーという印象がありますが、関東のジョッキーながらにして、はじめにレベルの高い関西の調教師勢から非常に厚い信頼を勝ち取ったという、年齢を考えれば、関東のジョッキーでは過去にあまり例がないくらい、ジョッキーとしての資質に富んだ人材です。
ジョッキーという職業は、技術以上に人脈が重要であるとされることもある職業ですが、田辺騎手はまるでベテランジョッキーのように、調教師のほうから声がかかるジョッキーで、将来的には武豊騎手、横山典弘騎手、蛯名正義騎手らのように、日本のトップにとどまらず、海外でも十分名前を知られるジョッキーへと成長していくのではないかという予感があります。
田辺騎手の得意な条件、コース、展開、騎乗スタイルなど
乗鞍や馬質に恵まれるトップジョッキーの場合、コースや展開にそこまで大きな得手不得手がないケースが多いですが、中堅~若手の騎手ともなると、比較的得手不得手がはっきりしてきます。
しかし若手の域を脱し、中堅騎手の中でも池添騎手や戸崎騎手、川田騎手らと並んで中心となっているジョッキーの中でも、どんなコース、どんな展開でも考えうる最善の結果を残すことができるジョッキーであるといえるでしょう。
やはり技術や競馬センスに優れたジョッキーというのは、小回りコースでうまく乗るイメージがありますが、田辺騎手はまさにそういうジョッキーで、中山の内回りコースなどは非常にうまく乗る印象があります。
大胆な発想と鋭い読みで天才的な騎乗を見せるジョッキーというと、やはり大ベテランの横山典弘騎手が真っ先に思いだされますが、田辺騎手も、既存のイメージにとらわれず、かなり大胆な発想と騎乗が持ち味であるといえます。
まず厳しいだろうと思われる馬であっても、田辺騎手は素晴らしいアイディアで馬券圏内に持ってくることも多々あります。
現在までのレース成績
やはり真っ先に触れなければならないのが、先日の安田記念で、実力者ながら古馬GⅠではちょっと足りないかな・・・と思われたロゴタイプを勝たせたあの手腕と思い切りの良さは特筆すべきものがあるでしょう。
横山典弘騎手のように、大混戦を特有のアイデアで制したのではなく、モーリスという絶対的エースを下しての優勝ですから、ロゴタイプのポテンシャルはもちろん、この田辺騎手のポテンシャルの高さも再確認できました。
2014年にも、最低人気のコパノリッキーでフェブラリーSを優勝し、JRAGI初制覇を飾っていました。
安田記念のロゴタイプもそうですが、人気薄の馬で逃げてノーマークの恩恵を得るうまさは、横山典弘騎手、江田照男騎手と並ぶだけのものがあるのではないでしょうか。
今後の騎乗予定
最近では騎乗数も安定してきて、騎乗馬にも恵まれるようになってきました。
もちろん田辺騎手にはそれだけの技術が伴っています。
しかしGⅠを勝った関係で、この秋最大の注目が集まるのは、やはりどうしてもロゴタイプとのコンビということになるでしょう。
ロゴタイプの場合、安田記念を勝ってしまったからこそ今後が厳しくなることも予想されますが、田辺騎手がどんな騎乗でどんな競馬を見せてくれるのかというところは、この秋の大きな注目ポイントということになるでしょう。