ブラックタイド産駒の特徴、成績、2016年デビューはアルマローランに要注目

公開日 2016年09月08日更新日 2017年05月10日

ブラックタイド(父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア、母の父アルザオ)は全弟に日本の至宝・ディープインパクトを持つ種牡馬です。

競走馬時代はGⅠ勝ち鞍がなく、重賞も1勝のみということで、もちろんそれだけでも競走馬としては優秀な部類に入るはずですが、種牡馬としては、競走馬時代にある程度キャリアを積んだ割に目立った成績がないというのが、ブラックタイドの大きな特徴になります。

ただ、やはり全弟ディープインパクトが史上6頭目の三冠馬に輝いたという血統的な側面が評価され、しかもそうした優れた血でありながら、現役時代に目立った実績がないことから種付け料が「お手頃価格」になるという意味で、ブラックタイドは近年でも人気種牡馬の1頭に数えられることは間違いありません。

ブラックタイドの現役時代の主な成績

ブラックタイドが現役時代に挙げた唯一の重賞勝利が、皐月賞トライアルのスプリングS(GⅡ)でした。

しかし本番の皐月賞では16着と惨敗を喫し、賞金のおかげで出走が叶ったダービーでも7着と敗れました。

古馬になってからもたびたび重賞に出走したものの、結局重賞勝利の美酒に酔うことはできませんでした。

ブラックタイドの代表産駒は、やはりなんといっても菊花賞、天皇賞春を勝ったキタサンブラック(母の父サクラバクシンオー)でしょう。

サクラバクシンオー自体、生粋のスプリンターに近い競走馬でしたから、ブラックタイド自身も血統的に正直そこまで長距離に適性があるタイプとは思えないだけに、菊花賞、天皇賞春という国内における数少ない長距離GⅠを連勝したというのは、ある意味衝撃でした。

弟のディープインパクトの場合、血糖云々以前に、突然変異的な強さでしたから、もしかしたらこの牝系には、そういった突発的な変異のような現象が競走成績、種牡馬成績に現れることがあるのかもしれません。

キタサンブラックの長距離戦での活躍に関しても、非常に予想しづらい結果でした。

ブラックタイド産駒を占う上で、2つの考え方があります。

ひとつに、弟ディープインパクトは、ストームキャットとのニックスを形成していますので、ディープとまったく同じ血のブラックタイドも、もしかしたらストームキャット(系)が母系に入ることで、何らかの化学反応を見せるのではないか・・・という狙いです。

もうひとつは、サクラバクシンオーというスピード能力の高さを補うことで、ブラックタイドのような基本能力が高い競走馬が生まれるという可能性です。

そういった意味では、弟以上に広い視野で牝馬を探すことができるというメリットがブラックタイドにはあります。

中でも、リファールのクロスがあるアルマローラン(母の父ホワイトマズル)にはちょっと注目してみたい気がします。

ホワイトマズルというと、もちろんイングランディーレのようなスタミナ豊富な馬も魅力ですが、バンドワゴンのようなスピードタイプの馬にも大きな魅力を感じます。

サクラバクシンオーにしてもホワイトマズルにしても、サイアー、BMSとして一本筋が通っているという意味で、ブラックタイドにはいかにも合いそうな気がします。