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日本で活躍しているダート系種牡馬というと、やはり真っ先に思い当たるのがゴールドアリュールということになるでしょうか。
ゴールドアリュールはあのエスポワールシチーやスマートファルコン、そして現役のコパノリッキーなど、一時代を築いたダートのチャンピオンを輩出しました。
ダートで活躍したクロフネは、もちろんダートでよい産駒も多いですが、やはり芝のスピードタイプを輩出するケースのほうが目立ちます。
日本のダート系種牡馬は、ダートの活躍馬を出すかどうかを問うならば、正直層が厚いとはいえません。
そこで、ダートで活躍できる産駒を送る種牡馬として改めて注目してみたいのが、ヴァーミリアン(父エルコンドルパサー、母スカーレットレディ、その父サンデーサイレンス)です。
NHKマイルCやJCを勝ち、凱旋門賞2着などの成績を残したスーパースターのエルコンドルパサー産駒ということで、ヴァーミリアン産駒も実は芝向き?の声もあるようです。
しかしエルコンドルパサー自身、デビューから3戦はダートで、ちょっとありえないような強さだったことは、知る人ぞ知る話です。
ですからヴァーミリアンがダートで強い産駒を出したとしてもまったく不思議ではありません。
現役時代の主な成績
というよりも、そもそもこのヴァーミリアン自身がダートで大活躍した名馬ですから、やはり産駒がダートで走るのは当然というところではあります。
ヴァーミリアンは父エルコンドルパサーとは真逆で、デビュー以降しばらくは芝ばかりで競馬をしていました。
実際、暮れのラジオNIKKEI杯2歳S(当時)で重賞初制覇を飾り、クラシックの有力候補ともいわれたほどです。
芝のスピード競馬ではその後思った成績を残せず、ダートに転向してから、ヴァーミリアンの快進撃が始まります。
交流重賞も入れればダートのタイトルはほぼ総なめということで、ここでは勝ったレースだけを挙げておきましょう。
5歳時:川崎記念、JBCクラシック、JCダート、東京大賞典
6歳時:フェブラリーS、JBCクラシック
7歳時:帝王賞、JBCクラシック
8歳時:川崎記念
現在までの産駒成績/代表産駒
ヴァーミリアン産駒はまだ今年で4世代目ということで、まあ例年産駒数が少ないこともあって、これまでそこまで目立った活躍馬を輩出するまでには至っていません。
しかし昨年2015年には、当時3歳牝馬のノットフォーマルが芝のフェアリーSを優勝する星を挙げています。
2016年デビューの注目産駒
ヴァーミリアン産駒は非常に仕上がりが早く、この時期にもうかなりの数の2歳馬がデビューを果たし、勝ち鞍を挙げている産駒も何頭かいます。
しかしあえてまだデビューしていない組からピックアップするとするならば、母の父シアトルダンサーⅡのキロロチャンという牝馬かな、という気がします。
というのも、父系はエルコンドルパサーですからサドラーズウェルズの系統で、母方はシアトルダンサーⅡということで、こちらはニジンスキー系になります。
一見あまりにも重厚なイメージがある配合ですが、ダートの適性が高いとするならば、意外とこうしたヨーロッパ色の強い配合が日本では成功することもあり、ちょっと注目してみたい気がします。