スクリーンヒーロー
スクリーンヒーロー(父グラスワンダー、母ランニングヒロイン、母の父サンデーサイレンス)は、この夏にまだ4世代目の産駒を送る比較的新しい種牡馬ですが、初年度からかなり強烈なインパクトを与える産駒が登場しています。
現役時代もどちらかといえば地味だっただけに、種牡馬としても正直そこまで期待されてスタッドインしたわけではなかったという印象があります。
しかし近年では、ステイゴールドと並んで良い意味で期待を裏切り、しかもその裏切り方が半端ではない成功例ということになるでしょう。
現役時代の主な成績
スクリーンヒーローといえば、やはり人気薄のジャパンカップの快勝が真っ先に思いだされることになりますが、実はその前走のアルゼンチン共和国杯でも、「お!」という内容の勝ち方だったことを思いだします。
府中の2500m戦をあの内容で走破するというのは、ちょっと只者ではないという予感もありました。
それがあのジャパンカップの激走につながったわけですが、GⅠ勝利がその1鞍だけだったというのも今となっては少々不思議な気がしないでもありません。
2008年 ジャパンカップ
現在までの産駒成績/代表産駒
2歳世代にもすでに勝ち馬を送ってはいますが、スクリーンヒーローは現在のところ3世代が活躍しています。
ですから、スクリーンヒーローの種牡馬としてのポテンシャルがこれから明らかになっていくものと思われますが、上でも触れたように、早くも「天才的種牡馬」であることは明るみに出た印象が強いです。
モーリス
出典:wikipedia
やはりファーストクロップのモーリス(母メジロフランシス、母の父カーネギー)はすでに国際G1を4勝しており、歴史に名を残す名馬であることは間違いないでしょう。
今年一杯で現役を引退することがすでに発表されており、残るは2走ですから少し寂しくなりますが、スクリーンヒーローの後継種牡馬が初年度から誕生することになります。
ゴールドアクター
出典:wikipedia
そしてもう1頭、こちらも初年度産駒のゴールドアクター(母ヘイロンシン、母の父キョウワアリシバ)を輩出しています。
ゴールドアクターはすでに有馬記念を制しているため、今後どこまで現役を続けるかはわかりませんが、こちらもスクリーンヒーローの後継種牡馬となることは約束されているといえます。
初年度から自らの後継種牡馬を2頭も輩出し、しかも、どちらも目を見張るような牝系ではないというのが、スクリーンヒーローの種牡馬としてのポテンシャルの高さといえるでしょう。
ステイゴールドも、オルフェーヴルはそこまで名牝系ではなく、ゴールドシップは名牝系ながらもうすっかり活力を失っていたにもかかわらず、両馬のあの活躍だから驚かされました。
スクリーンヒーローも、早くもステイゴールドに近い功績を残しつつあります。
かつてのサンデーサイレンスや現在のディープインパクトのように、とにかく優れた母系の血を武器に産駒が競馬界を席巻するタイプではないものの、ステイゴールドのように自分の力で名種牡馬への道を今後たどることになるはずです。
2016年デビューの注目産駒
すでに新潟2歳Sで「父スクリーンヒーロー」の文字が目を引きましたが、スクリーンヒーローというと、モーリスにしてもゴールドアクターにしても古馬になってから急成長を見せる傾向が強いです。
これら2頭の活躍で繁殖牝馬の質が急上昇しているため、もっと早い時期から活躍する産駒がそろそろ登場するかもしれません。
そういった意味で、すでに勝ちあがっているサルヴェレジーナという馬は、血統的にもちょっと注目してみたいと思います。
というのも、このサルヴェレジーナは母の父がステイゴールドで、父も母父も、種牡馬としてのポテンシャルの高さはあきれるほどのものがあり、将来、このサルヴェレジーナがとんでもない名馬に育っていったらおもしろいなぁ・・・という気がします。
牝馬ですから、繁殖馬としても大きな活躍が期待されます。