追い切りとは?
週末のレースに出走する競走馬は、基本的に水曜日(木曜日の場合もある)に最後の調整を行います。
これを最終追い切りと言います。
この様子が一般的にスポーツ紙や競馬専門紙の調教情報のベースになるのです。
競走馬の最終調整である追い切りは、それぞれの競走馬が所属するトレーニングセンター(関西馬は栗東,関東馬は美浦)で行われます。
使うコースは坂路,芝(本馬場),ウッドチップ,ダートとそれぞれ違いますが、最も有名なのは坂路調教でしょう。
栗東に1985年に登場し、それまでの競馬の調教過程を根本から覆す革命的な調教方法となりました。
坂路=坂道を駆け上がる調整方法なのですが、従来の芝やダートでの調整とは異なり、蹴り脚である後ろ脚に負荷を掛けるため、走力が格段に上昇するようになったと言われています。
これによって栗東所属馬がビッグレースを席巻するようになり、8年遅れて1993年に美浦にも導入時されました。
追い切りから分かること、予想に活用する際の注意点
ではこれらの追い切りでなにがわかるのでしょうか?
追い切りの目安となるのは走破タイムです。
坂路は4F(ハロン、1ハロン=200m)、他のコースは6~7Fでタイムをはかり、平均は1Fを12秒前後で走ります。
もちろんコース状態や、前半から飛ばしたり、ラスト1F重点など、調教師の指示やその馬独自の調整方法でタイムは変わりますが、2歳~3歳の春のシーズンぐらいまではこの追い切りで動きが良かった馬や、タイムが良かった馬はレースでも好走するケースが多いようにみられます。
ただ、古馬になると調教では全く走らないのに、本番のレースでは激走したりするような馬がいたり、追い切りの時点で既にテンションが上がってしまい、前半に飛ばしすぎて後半は馬がバテてしまい、調教にならないケースがあったりします。
追い切りを見る際に大切なこと
追い切りを見る上で重要なことは調整過程が順調かどうか、いつも通りの動きかどうかを確認することだと思います。
専門紙やスポーツ紙での追い切りの解説の中で注意したいのは、トラックマンは主観が入っているため、自分が重い印を付けている馬の解説は、追い切りの状態に関わらず良いように書く傾向があるということです。
また、予想紙に印がない、レース当日のオッズでも人気がない馬でも、いつも通りの調教が出来ていて、動きが良い馬は注意を払った方が良いでしょう。
レース間隔が空いている馬は特に追い切りに注目
レース間隔が空いている場合は特に追い切りの状態が重要視されます。
・乗り込み量が確保出来ているか?
・タイムが出ている(走破タイムが速いこと)か?
・その馬のレース間隔が空いた時の成績(鉄砲成績と言います)はどうなのか?
に注意が必要です。
馬の順調さ,調子,成長度合い,癖などに注意していれば、馬の個性が追い切りからわかることがあります。
競馬の予想をするときには、予想紙のコメントだけでなく、調教のビデオや動画などを確認することをお勧めします。
百聞は一見にしかずのことわざ通り、コメントだけではわからない事が必ず見えてくるようになるはずです。
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