地方競馬とは
地方競馬は地方公共団体が主催する競馬です。
一方、中央競馬は農林水産省の監督のもと行われる競馬です。
中央競馬は国が管理し、地方競馬は地方自治体が管理していますが、競馬を管轄する違いはあるだけで、競馬をするには何も問題はありません。
しかし地方競馬と中央競馬はいくつかの違いがあります。
ここでは地方競馬と中央競馬の違いについて説明したいと思います。
1. コースの違い
地方競馬場に出向いて「アレッ?芝コースがないぞ?」と中央競馬場と違い、驚かれるかもしれません。
中央競馬は芝コースとダートコース両方のコースを使います。
どちらかというと芝コースが主流になっています。
一方、地方競馬場はほとんどがダートコースを利用しての競馬を行っています。
しかし、盛岡競馬場だけは唯一芝コースが利用されています。
2. 勝負服の違い
中央競馬の騎手の勝負服は馬主が決定しますが、地方競馬は騎手ごとに決められたオリジナルの勝負服を着ています(ホッカイドウ競馬の一部を除きます)。
競馬には出走している馬の名前に冠名をつけている馬主がいます。
例えばマイネル、アドマイヤなどの馬主です。
これらの決まった冠名を持った馬は、馬主が決めた特定の勝負服を着ています。
マイネルならこの勝負服、アドマイヤならこの勝負服と把握することができます。
しかし地方競馬にマイネルやアドマイヤの冠名を付けた馬が出走しても、騎手は中央競馬で出走しているときの勝負服ではなく、オリジナルの勝負服を着ています。
騎手が乗り替わるたびに勝負服が変わりますので、慣れるまでは少し迷うかもしれません。
3. 各地6競馬場でダービーが行われる
中央競馬のダービーは日本ダービー(東京優駿)として年に一回行われます。
しかし地方競馬のダービーは各地の競馬場で6つのダービーが開催されます。
この6つのダービーを6月初旬に施行し、この期間をダービーウィークと呼んでいます。
1. 佐賀の九州ダービー栄城賞
2. 盛岡の岩手ダービーダイアモンドカップ
3. 門別の北海道優駿
4. 大井の東京ダービー
5. 園田の兵庫ダービー
6. 名古屋の東海ダービー
上記の6つのダービーを1週間のうちにすべて行い、各地のダービー馬が決定されます。
さらにこの6つのダービーのうち1つを優勝すると大井競馬場で行われる、ジャパンダートダービー(JpnI)の優先出走権を得ることができます。
また、大井の東京ダービーの場合は、1着馬だけではなく、2着馬にもジャパンダートダービーの優先出走権が与えられます。
そして中央競馬の強豪と対決し3歳のダートチャンピオンを決めます。
4. ナイター競馬
地方競馬には中央競馬と違いナイター競馬が開催されます。
帯広競馬場(ばんえい競馬)、門別競馬場、大井競馬場、川崎競馬場、船橋競馬場、園田競馬場、高知競馬場と7つの競馬場で行われています。
中央競馬は夏の開催になるとローカル開催となり、地方での競馬が行われます。
一方、地方競馬は中央競馬のように夏になっても競馬場を移すことができませんので、より涼しい環境で競馬を楽しむためにナイター競馬を開催しています。
ナイター競馬はライトで競走馬を照らすのできらびやかに輝き、昼間に開催される競馬以上に競走馬の躍動感が実感できます。
5. クラス分けは中央競馬とは違う
中央競馬のクラス分けは、新馬、未勝利、500万下、1000万下、1600万下、オープン、GⅢ、GⅡ、GⅠと分けられています。
新馬か未勝利を勝てば次は500万下、それを勝てば1000万下とそのクラスで1着になれば次のクラスに挑戦できる仕組みになっています。(2歳馬や3歳馬同士のレースは1000万下、1600万下のクラスはありません。また上記の昇級に例外もあります)
一方、地方競馬場は各地方の競馬組合によって違いますが、基本は賞金によってクラス分けされています。
ですので1着にならなくても2着以下になって賞金を加算し、ある一定の賞金に達するとクラスが上がり、今までより強い馬たちと競争しなくてはなりません(例外もあります)。
中央競馬は勝って次のクラスに上がりますが、地方競馬は賞金を加算して次のクラスに挑戦できるのです。
6. ばんえい競馬
地方競馬と中央競馬の最大の特徴は「障害レース」の有無「ばんえい競馬」の有無です。
中央競馬には「ばんえい競馬」はありませんが「障害レース」はあります。
一方、地方競馬には「障害レース」はありませんが「ばんえい競馬」があります。
ばんえい競馬とは世界で唯一、帯広競馬場だけで開催されているレースです。
サラブレッドが走る主体の競馬と違い、ばんえい競馬はサラブレッドは一切走らず、サラブレッドの約2倍の重量のある「ばん馬」が重いソリを引いて200m先のゴールを目指すレースです。
ばんえい競馬の様子
出典:ばんえい十勝より
サラブレッドも1km、2kmを約60kmのスピードで走るので過酷といえば過酷ですが、ばん馬も最高1トンの重量物を引っ張って競争するので過酷です。
応援するファンも息を飲んだり声援を送ったりとゴールまで興奮がおさまりません。
一度、ばんえい競馬を経験して、ばん馬とはどういうものか体験し迫力を感じてみてはいかがでしょうか。
ばんえい競馬については、こちらの記事でも詳しく解説しております。
その他にも中央競馬にはないものが地方競馬にはあります。
いろいろ中央競馬との違いがありますので、地方競馬に参戦して中央競馬との違いを実感し、地方競馬の魅力を体験してみてください。
参考:http://www.kiso-keiba.com/tihou/class/11-5.html