競馬初心者から上級者まで楽しめる競馬情報サイト

本サイトではアフィリエイト広告を利用しています

騎乗停止処分はいつから?期間や理由、過去の騎乗停止処分の例を紹介

競馬に長く携わっていると時々

 

「〇〇騎手が〇〇のために騎乗停止」

 

というニュースを目にすることがあると思います。

 

これは、レース中になんらかの行いをしたために騎乗停止処分を喰らってしまったのです。

 

この騎乗停止についてまとめていこうと思います。

 

騎乗停止処分とは

騎乗停止処分と一口に言っても様々です。皆さんがよく目にするのはレース中に起こった斜行、妨害等による騎乗停止だと思います。

 

それ以外にも

 

・体重調整による騎乗停止

・ルール違反をした

 

等による騎乗停止処分も見られます。

 

騎乗停止の期間は?地方競馬、海外レースは騎乗できる?

中央競馬はよほどのことがない限りは週に2日間開催です。

 

一回の騎乗停止処分は軽度のもので2日から厳しいものだと8日の制裁が科せられます。現在のJRAでは騎乗停止処分を下された翌週から騎乗停止期間に入ります。また、1日あたりの騎乗停止は競馬開催日を1日としています。

 

例えば5月1日(日)のレースにて4日の騎乗停止処分が下された騎手は次の週に開催される5月7日(土)・5月8日(日)の2日のレースとさらにその翌週に開催される5月14日(土)・5月15日(日)のレースに一切の出場ができません。

 

 

では、騎乗停止期間中に地方競馬で交流重賞等で平日に開催される場合は地方競馬のレースに騎乗できるのでしょうか?

 

答えはNoです。

 

なぜなら騎乗停止期間中はその期間内の全てのレースに騎乗できないとされているからです。

 

上記の例で見ると、5月1日(日)に4日の騎乗停止処分が下された騎手がいて、中央競馬の開催が5月15日まで週2日間開催だった場合が、中央では5月15日(日)まで騎乗できませんが、この間、平日に開催される地方競馬のレースの一切も出走できません。

 

また、日本国外のレースにおいても騎乗停止期間中は海外遠征の届け出の許可が下りないため、海外での騎乗もできません

 

このため、5月1日(日)に処分が下された騎手は5月15日(日)まで中央・地方・海外問わず全ての競馬ができないことになります。

 

騎乗停止期間の中で3日間開催を挟む場合

もし騎乗停止期間内に3日間開催される週があった場合を見ます。

 

先ほど例にあげた5月1日(日)に4日間の騎乗停止処分を食らった例であげましょう。

 

騎乗停止処分を食らった翌々週の5月9日(月)が何らかの理由で開催される場合

 

5月7日(土)

5月8日(日)

5月9日(月)

5月14日(土)

 

が騎乗停止期間となり5月15日(日)から騎乗できるようになります。

 

同一に騎乗停止処分を複数下された場合

騎乗停止処分が下された週はそのまま騎乗することが出来ます。言い換えれば、再び騎乗停止処分が下されてる可能性もあるわけです。

 

もし、同じ週で2回以上騎乗停止処分が下された場合はシンプルに足して考えます。

 

例えばあるレースで4日の騎乗停止処分が下され、その日の別のレースで2日の騎乗停止処分が下された場合、

 

4+2=6日間の騎乗停止処分が下されることになります。

 

騎乗停止期間のルール変更について

 

2019年12月時点で騎乗停止期間の発生時期は

 

「騎乗停止処分が下された翌週」

 

からと指定されていますが2020年の1月1日からは

 

「騎乗停止処分が下された翌々週」

 

から処分期間が施行されます。

 

例えば5月1日(日)に騎乗停止処分が下された騎手は翌週の5月7日(土)ではなくその翌週にあたる5月14日(土)から期間に入るのです。

 

G1等で有力騎手が騎乗停止処分になったために有力馬に騎乗させる騎手の確保の観点から時間の余裕を設けるために施行されたようです。

 

騎乗停止の条件

騎乗停止の原因のほとんどはレース中になんらかの支障をもたらした時です。

 

例えば、斜行等で他の馬の進路を狭めたときや落馬負傷の可能性を生じる妨害をしてしまった場合です。

 

騎乗停止の判定はJRAの裁定委員会がパトロールビデオを見ながら審議をして判断します。

 

中には明らかに大きな被害を与えていても裁定委員会の判断が甘いときもあり、多くの競馬ファンやマスメディアから抗議を浴びることもあります。

 

競馬は何が起こるかわからないスポーツで、なおかつ賭け事における判断なのでどのような判定を出しても賛否両論は避けられませんが、極力公平な立ち位置でジャッジを出すのが裁定委員会の仕事になっています。

 

騎手制裁における点数とは

騎乗停止のほとんどの原因はレース中によるアクシデントであることは先ほどお伝えした通りです。

 

ただ、アクシデントにも軽度のものから重度のものまで様々。軽度のものだと騎乗停止ではなく、戒告や罰金を支払うケースもあります。一般的に騎乗停止よりも戒告、罰金のほうが軽いといわれています。

 

ところで、運転免許証と同じように騎手にも罰則が加算される点数制度が導入されているのはご存じでしょうか。理屈は運転免許証と全く同じで罰則ごとに点数が決められていてその点数が30点を超すと再教育目的の講習を受講しなくてはいけません。

 

講習内容は学科の講義や裁定委員の人とビデオ講習を受けたり反省文の提出をしないといけません。また、年に1回の再教育専門の講義を受けたり厩舎で馬の世話をする仕事をしないといけません。

 

さて、騎乗停止処分が下された場合、どれくらいの点数が加算されるのでしょう。

 

答えは

 

騎乗停止処分10点+騎乗停止日数×2点

 

です。

 

例えば4日間の騎乗停止処分が下された場合18点の点数が加算されます。年に2回停止処分を受けるとそれだけで再教育を受ける可能性があるわけです。

 

ちなみに戒告は1点、罰金は罰金金額に応じて点数が変わります。

 

2019の騎乗停止例

 

C.ルメール騎手 グランアレグリア 5月5日

5月5日のNHKマイルカップにて残り400mの地点で進路確保のために外側に斜行。外を走っていたグランチェイサーを外へはじき出しました。4着に入選しましたが降着し5着入選となりました。

 

ルメール騎手はこの前々週の皐月賞でも斜行していた(騎乗停止処分なし)こともあり、厳しい処分が下されました。

 

また、3月にも騎乗停止が下されていて、それから3か月立たずに再び騎乗停止を食らったため、過重制裁の措置が取られ6日間の騎乗停止となりました。

 

騎乗停止期間内に騎乗する予定だったノームコア(ヴィクトリアマイル)、コントラチェック(オークス)、サートゥルナーリア(ダービー)は全て乗り変わりとなりました。

 

武豊騎手 ロジクライ 6月2日

6月2日の安田記念にて外枠16番のロジクライがスタート直後に内に斜行。13番アーモンドアイをはじめ14番のペルシアンナイト、15番のダノンプレミアムの進路を狭めてしまいました。

 

発馬直後の出来事で、意図的なことではなく、騎手責任はほぼないのですがG1で被害馬が人気馬だったこともありファンの心境を汲んだ上で騎乗停止措置が取られたのかもしれません。

 

騎乗停止期間は1日でした。

 

福永祐一騎手 ソフトフルート 11月9日

東京競馬場の3歳未勝利戦にて、ソフトフルートに騎乗していた福永騎手が直線で斜行し、レイコックアビーの進路を塞いでしまったのが原因です。

 

これにより4日間の騎乗停止処分が下され、翌週のマイルチャンピオンシップに出走するインディチャンプ、更に翌週のジャパンカップに出走するワグネリアンは乗り変わりとなりました。

 

義英真騎手 ハーキースキップ 10月5日

体重の調整ができず、公表されていた負担重量で騎乗できなかったことで騎乗停止処分が下されました。

 

騎乗停止期間は11日間でした。

 

8月に調整失敗で2度の制裁を食らっており、それが影響したかもしれません。

 

義騎手はこれがきっかけとなったのか分かりませんがこの後引退されました。

 

まとめ

騎乗停止は騎手にとって死活問題です。なぜならレースに出走しないことには収入が得られないからです。それでもレースで接戦を制するためについ力んでしまうことも多いですね。

 

それでも停止処分が存在しなければやったもん勝ちになるので抑止力としても機能していることでしょう。

 

競馬は命がけのスポーツなので大惨事にならないようなフェアな戦いをしていただきたいです。

 

こちらもおすすめ

>>  落鉄とは何か?原因とレースへの影響。サトノダイヤモンドとドゥラメンテの落鉄

トップへ戻る