生きる伝説として数々の記録や記憶を残している競馬界のレジェンド、武豊騎手。
その中でも今回は記憶に残るような記録の中からいくつか厳選してご紹介していきます。
その1 31年連続重賞勝利(継続中)
現在、JRAに在籍している騎手の中でも重賞を勝ったことがない騎手はたくさんいますが、武豊騎手はそういった騎手を知ってか知らずか、デビューした1987年から31年連続重賞勝利の記録を継続しています。
もちろん海外遠征が多かった年、怪我で長期離脱した年、そして全盛期を過ぎた現在など必ずしも順風満帆だったわけではありませんが、達成し続けること自体が既に伝説となっています。
1987年 69勝 重賞 3勝(GⅠ 0勝GⅡ 2勝GⅢ 1勝)代表馬トウカイローマン
1988年 113勝 重賞 6勝(GⅠ 1勝GⅡ 3勝GⅢ 2勝)代表馬スーパークリーク
1989年 133勝 重賞 11勝(GⅠ 4勝GⅡ 3勝GⅢ 4勝)代表馬イナリワン
1990年 116勝 重賞 9勝(GⅠ 4勝GⅡ 3勝GⅢ 2勝)代表馬オグリキャップ
1991年 96勝 重賞 9勝(GⅠ 1勝GⅡ 4勝GⅢ 4勝)代表馬メジロマックイーン
1992年 130勝 重賞 3勝(GⅠ 1勝GⅡ 2勝GⅢ 0勝)代表馬メジロマックイーン
1993年 137勝 重賞 12勝(GⅠ 4勝GⅡ 2勝GⅢ 6勝)代表馬ベガ
1994年 134勝 重賞 10勝(GⅠ 2勝GⅡ 4勝GⅢ 4勝)代表馬オグリローマン
1995年 134勝 重賞 8勝(GⅠ 2勝GⅡ 0勝GⅢ 6勝)代表馬ダンスパートナー
1996年 159勝 重賞 15勝(GⅠ 2勝GⅡ 6勝GⅢ 7勝)代表馬ダンスインザダーク
1997年 168勝 重賞 19勝(GⅠ 3勝GⅡ 5勝GⅢ11勝)代表馬エアグルーヴ
1998年 169勝 重賞 22勝(GⅠ 3勝GⅡ11勝GⅢ 8勝)代表馬ファレノプシス
1999年 178勝 重賞 12勝(GⅠ 4勝GⅡ 4勝GⅢ 4勝)代表馬スペシャルウィーク
2000年 130勝 重賞 9勝(GⅠ 2勝GⅡ 3勝GⅢ 4勝)代表馬エアシャカール
2001年 65勝 重賞 5勝(GⅠ 3勝GⅡ 0勝GⅢ 2勝)代表馬トゥザヴィクトリー
2002年 133勝 重賞 11勝(GⅠ 4勝GⅡ 1勝GⅢ 6勝)代表馬ファインモーション
2003年 204勝 重賞 13勝(GⅠ 2勝GⅡ 5勝GⅢ 6勝)代表馬ゴールドアリュール
2004年 211勝 重賞 17勝(GⅠ 3勝GⅡ 4勝GⅢ10勝)代表馬ダンスインザムード
2005年 212勝 重賞 23勝(GⅠ 6勝GⅡ 6勝GⅢ11勝)代表馬カネヒキリ
2006年 178勝 重賞 19勝(GⅠ 6勝GⅡ 7勝GⅢ 6勝)代表馬ディープインパクト
2007年 156勝 重賞 15勝(GⅠ 3勝GⅡ 7勝GⅢ 5勝)代表馬メイショウサムソン
2008年 143勝 重賞 3勝(GⅠ 2勝GⅡ 0勝GⅢ 1勝)代表馬ヴァーミリアン
2009年 140勝 重賞 7勝(GⅠ 2勝GⅡ 0勝GⅢ 5勝)代表馬ウオッカ
2010年 69勝 重賞 6勝(GⅠ 1勝GⅡ 2勝GⅢ 3勝)代表馬ローズキングダム
2011年 64勝 重賞 6勝(GⅠ 0勝GⅡ 1勝GⅢ 5勝)代表馬ヤマニンキングリー
2012年 56勝 重賞 3勝(GⅠ 1勝GⅡ 2勝GⅢ 0勝)代表馬サダムパテック
2013年 97勝 重賞 11勝(GⅠ 2勝GⅡ 3勝GⅢ 6勝)代表馬キズナ
2014年 86勝 重賞 7勝(GⅠ 0勝GⅡ 4勝GⅢ 3勝)代表馬トーセンスターダム
2015年 106勝 重賞 10勝(GⅠ 1勝GⅡ 3勝GⅢ 6勝)代表馬コパノリッキー
2016年 74勝 重賞 6勝(GⅠ 2勝GⅡ 2勝GⅢ 2勝)代表馬キタサンブラック
2017年 82勝 重賞 13勝(GⅠ 4勝GⅡ 1勝GⅢ 8勝)代表馬キタサンブラック
その2 JRA年間200勝
2017年のJRA年間リーディングは、C.ルメール騎手が199勝で獲得しましたが、武豊騎手以来の史上2人目の200勝にはわずかに手が届きませんでした。
199勝目から10レースほど騎乗し、単勝1番人気5頭、2番人気3頭、3番人気1頭と有馬記念の8番人気(クイーンズリング)以外は上位人気ばかり騎乗していたにも関わらず2着4回、3着1回とプレッシャーがかかったのかもしれない結果に終わります。
しかし、武豊騎手の場合はこういった記録を特に何事もなくクリアしてしまうことが多く、しかも2003年に初めて204勝を達成すると、2004年211勝、2005年212勝と3年連続で達成してしまいました。
その3 史上最速のJRA年間100勝
2005年の年間212勝はJRA史上の最多勝記録ですが、100勝のメモリアル勝利が当時からの競馬ファンであれば誰でも知っているレースでした。
それは、5月29日東京競馬場10レースで行われた東京優駿・日本ダービー、騎乗したのは現在は名種牡馬の道を突き進みますが、当時は無敗の三冠馬へ向けてひた走る伝説の名馬ディープインパクトに騎乗してのものでした。
この時点で日本ダービー初となる4勝目(1998年・スペシャルウィーク、1999年・アドマイヤベガ、2002年・タニノギムレット)を飾った武豊騎手ですが、その後2013年にキズナで5勝目をあげ、日本ダービー最多勝記録も更新しています。
その4 同一重賞最多勝
日本ダービーはこれまでに5勝している他、2017年末でJRA重賞323勝の武豊騎手にとって、同じレースを複数回勝利することももはや当たり前ですが、同一重賞最多勝としては2017年にスマートレイアーで勝利したGⅡ京都大賞典があげられます。
1987年 トウカイローマン
1989年 スーパークリーク
1990年 スーパークリーク
1991年 メジロマックイーン
1993年 メジロマックイーン
1996年 マーベラスサンデー
2005年 リンカーン
2016年 キタサンブラック
2017年 スマートレイアー
京都大賞典にはこれまで18回騎乗して、9勝2着1回3着1回の勝率50%、複勝率61.1%という驚異の数字を残していて、今後も記録更新が続き、正に伝説と言える記録となりそうです。
その5 1日8勝
最後は2002年12月7日阪神競馬場で達成した1日8勝の最多勝記録をご紹介します。
1日8勝は、武豊騎手以外にC.ルメール騎手が2016年11月6日に東京競馬場で達成していますが、武豊騎手のすごいところは8勝のすべてが単勝1番人気に騎乗しての勝利だったことにあります(C.ルメール騎手は1番人気で6勝、2番人気で2勝)。
単勝の配当を見ればわかりますが、いかに目の肥えた競馬ファンに支持されて、しかも人気どおりに勝利しているかがわかります。
1レース 2歳新馬 ダート1800m ツルマルバクシン 単勝110円
2レース 2歳未勝利 ダート1400m ローレルロイス 単勝150円
6レース 2最新馬 芝1400m ギャラントアロー 単勝130円
8レース 3歳1000万 芝1200m リビングデイライツ 単勝210円
9レース エリカ賞 芝2000m アドアイヤグルーヴ 単勝110円
10レース 北摂特別 芝1400m ウォーターゴーラン 単勝190円
11レース ギャラクシーステークス ダート1400m ビワシンセイキ 単勝140円
12レース 3歳1000万 ダート1800m シロキタゴッドラン 単勝200円
強い馬に乗っているのだから勝って当たり前と考えられなくもないですが、ここまで人気を一本かぶりする馬ばかりに騎乗し、そのすべてで期待に応えるということは並大抵のことではありません。
今後もここまでの記録は破られることはないであろう伝説の大記録と言えます。
まとめ
ここまで、武豊騎手にまつわる記憶に残るような記録の中からいくつかご紹介していきましたが、紹介しなかった数々の伝説を持っているばかりか、これからもまだまだ様々な伝説を残していきそうです。
2018年以降も武豊騎手の活躍からは目が離せません。