日本競馬の悲願ともいえる「凱旋門賞」の制覇。
その世界最高峰のレースにおいて、日本人騎手の最高成績は蛯名正義騎手が1999年に挑んだ「エルコンドルパサー」の2着となります。
当時の世界最強馬「モンジュ―」を相手に最後までデットヒートを繰り広げました。
また、蛯名騎手は2010年にも「ナカヤマフェスタ」で同レースを2着となりました。
30年目の大ベテランの域に達している蛯名騎手。
そんな蛯名騎手をここでご紹介していきましょう。
経歴とレース戦績
蛯名騎手は1987年にデビューを飾り、同期には現役の武豊騎手がいます。
デビュー年には30勝を挙げ、関東の新人騎手賞を受賞。
2年目となった翌年は43勝を挙げますが、以降、5年間はなかなか勝ち星が挙がらず、年間20~30勝程度の勝ち星となっていました。
同期の武豊騎手が華々しい活躍をする一方で、蛯名騎手は「そこそこ乗れる関東の若手騎手」という認識でした。
1994年からコンスタントに勝ち鞍を増やしていき、10年目となった1996年、蛯名騎手は念願のG1を天皇賞・秋で騎乗した「バブルガムフェロー」で勝利します。
この勝利は「バブルガムフェロー」の主戦騎手だった岡部幸雄氏がもう一頭のお手馬「タイキブリザード」でアメリカ遠征中だった為に、蛯名騎手が指名されました。
なお、このレースには、この年の天皇賞・春を制して1番人気の「サクラローレル」、すでにG1を3勝中の「マヤノトップガン」、重賞4連勝中の「マーベラスサンデー」が人気を形成し、蛯名騎手は4強の中で4番手の評価でしたが、蛯名騎手は見事その期待に応えたことになります。
蛯名騎手は2001年には133勝を挙げて全国リーディングを獲得。
2004年には「アパパネ」で牝馬三冠を達成しています。
また、2012年には史上7人目となるJRA2000勝を達成しています。
蛯名騎手は2016年5月23日現在で、JRA通算2425勝を挙げており、重賞123勝でG1を25勝しています。
しかし、日本ダービーには23回騎乗して2着が2回あり、未だに勝利していません。
2014年には皐月賞馬の「イスラボニータ」で1番人気に支持されて二冠に挑みましたが、盟友の横山典弘騎手にわずかの差で敗れています。
勝負強い騎乗が持ち味で、「アパパネ」のように全て1番人気で三冠を制したり、2002年のマイルCSでは11番人気の「トウカイポイント」で波乱を演出しています。
2016年の注目レースは?
2016年の蛯名騎手で注目するのは、何と言っても皐月賞を制した「ディーマジェスティ」で臨む日本ダービーでしょう。
今年のメンバーはハイレベルと言われ、皐月賞組はもちろん、別路線組も大物感あふれるライバル馬がいます。
30年目となった今年、蛯名騎手は悲願のダービーを制することができるでしょうか。
注目したいですね。