2016年の札幌2歳ステークス(G3)を制したトラストをはじめ、数多くの重賞勝ち馬を輩出している名物馬主・岡田繁幸さんをピックアップ!
「マイネル」でおなじみのサラブレッドクラブ・ラフィアンの代表を務めていたほか、「コスモ」のビッグレッドファームなどを束ねている実力者であることから、「総帥」と呼ばれている岡田繁幸さん。
そんな岡田総帥が自身の勢力の拡大を狙って、種牡馬・アイルハヴアナザーを8億円という大金で購入!
果たして、アイルハヴアナザー産駒は岡田総帥の期待に応える活躍を見せることができるのでしょうか。
岡田総帥とは
まずは、岡田総帥のことを詳しく知らない方へ向けて、簡単に岡田総帥のプロフィールをご紹介しましょう。
岡田総帥は1950年生まれで現在66歳。
北海道静内町出身で、実家は牧場を営んでいました。
日本大学の獣医学部を中退した後に、世界有数の馬産地であるアメリカへと渡り、馬産の修行に励みます。
岡田総帥の名が全国の競馬ファンに知れ渡ったのは1986年の日本ダービー。
14番人気のグランパズドリームという馬の馬主だった岡田総帥。
田原成貴騎手とのコンビで優勝を狙いましたが、1着のダイナガリバーに半馬身及ばずの2着。
日本ダービー制覇はならなかったものの、14番人気ながら2着に健闘したことがきっかけとなり、岡田総帥の存在が知られるようになりました。
以後、自身の目標を「日本ダービー優勝」に定め、日本ダービーを勝てる馬の生産に全精力を注いでいます。
現在はサラブレッドクラブ・ラフィアンの代表の座を長男の紘和さんに譲っていますが、「岡田繁幸」の名義で多くの競走馬を所有する個人馬主として活躍しています。
2016年デビューのアイルハヴアナザー産駒
ディープインパクトなど、サンデーサイレンス系の種牡馬が活躍馬の大半となっている現状を打破するため、岡田総帥が8億円もの資金をつぎ込んで購入したアイルハヴアナザー。
アイルハヴアナザーは2012年のケンタッキーダービーとプリークネスステークスを優勝している「米国二冠馬」。
実績は申し分ありません。
そんなアイルハヴアナザー産駒の成績を調べてみました。(2016年11月20日時点)
これまでに57頭デビュー(出走は162戦)していて、10頭勝ち上がっています。
内訳は、芝で111戦して5勝(勝率4.5%)、ダートで51戦して5勝(勝率9.8%)。
ダイワメジャー(188戦)、ステイゴールド(164戦)に次ぐ出走数を誇っていながら、10頭しか勝ち上がっていないのは少々物足りません。
特に芝レースの勝率が低迷しているところが気になります。
産駒デビュー前には「芝のスピードにも対応可能」という評価が多かったのですが、蓋を開けてみると芝のスピードに対応できないケースが目立っています。
厳しい船出となったアイルハヴアナザー産駒の中で最も期待できる馬が、栗東の宮徹厩舎に所属している牝馬・シグルーン(母・ワルキューレ)。
シグルーンは岡田総帥の弟・岡田牧雄さんが所有している馬で、強豪がそろったアルテミスステークス(G3)で3着に入っています。
新馬戦では評判のディープインパクト産駒・カデナ(牡・中竹和也厩舎)を退けていますし、さらなる飛躍が期待できる能力馬です。
順調に賞金加算することができれば、2017年の桜花賞やオークスにも出走するはずですので、今後の動向にご注目ください。
まとめ
「日本ダービー優勝」という悲願達成へ向けて、8億円でアメリカの種牡馬・アイルハヴアナザーを購入した岡田総帥。
現時点でのアイルハヴアナザー産駒は期待されていたような成績を残せていない状況ですが、晩成型である可能性も十分ありますので、まだ見限る必要はないと思います。
アルテミスステークス3着のシグルーンをはじめ、アイルハヴアナザー産駒たちの巻き返しに期待したいです。