赤と黒のタテジマの勝負服が印象的なJRA馬主・栄進堂をピックアップします。
栄進堂が所有している「エイシン」や「エーシン」の冠名がついている馬が毎年のように活躍していますが、栄進堂がどんな馬主なのかを知っている方はそんなに多くないと思います。
ここでは、栄進堂の本業や主な所有馬をご紹介するほか、「エイシン」と「エーシン」との違いについても分かりやすく解説します。
栄進堂の本業
栄進堂は大阪府大阪市中央区に本社を構えている企業です。
事業内容は「おもちゃの製造・販売」。全国的に知られているおもちゃ会社ではありませんが、関西エリアでは根強い人気を誇っています。
かつては鉄道模型のリーディングカンパニーとして活躍していたものの、現在は鉄道模型の権利を中国の企業へ売りに出しています。
2013年3月に亡くなった元会長・平井豊光さんが馬主としての地位を確立させ、長男の平井宏承さん、次男の平井克彦さんも馬主資格を取得。
馬主の名義こそ「栄進堂」となっていますが、実際は本業の中核を担っている平井家の面々が馬主業をしています。
主な所有馬一覧
栄進堂が所有していた主な競走馬の一覧をご覧いただきましょう。
エイシンヒカリ(2011年生まれ)
馬名の由来:「エイシン」+超特急の名称
主な勝ち鞍:2016年・イスパーン賞(仏G1)、2015年・香港カップ(香港G1)
日本でのG1勝利はありませんが、フランスと香港でG1レースを1勝ずつしています。
2016年12月11日に行われる香港カップで現役を引退する事になっています。
エイシンブルズアイ(2011年生まれ)
馬名の由来:「エイシン」+標的の中心に大当たりすること
主な勝ち鞍:2016年・オーシャンステークス(G3)
1800mの毎日杯(G3)で2着に入ったことはありますが、古馬になってからは1200m路線を中心に活躍しています。
エイシンフラッシュ(2007年生まれ)
馬名の由来:「エイシン」+閃光
主な勝ち鞍:2010年・日本ダービー(G1)、2012年・天皇賞秋(G1)
現役中に重賞を4勝しているのですが、そのうち3勝が東京コース、という東京巧者でした。
栄進堂の悲願となる日本ダービー初制覇を達成したのがこの馬です。
エイシンプレストン(1997年生まれ)
馬名の由来:「エイシン」+アメリカの地名
主な勝ち鞍:1999年・朝日杯3歳ステークス(G1)
2002年&2003年・クイーンエリザベス2世カップ(香港G1)
2001年・香港マイル(香港G1)
日本でのG1制覇は朝日杯3歳ステークスだけですが、世界の強豪がそろう香港のG1を3つも勝利しています。
エイシンデピュティ(2002年生まれ)
馬名の由来:「エイシン」+父名(フレンチデピュティ)の一部
主な勝ち鞍:2008年・宝塚記念(G1)
4歳時に出走した2007年・エプソムカップ(G3)で重賞初制覇を決めてから軌道に乗り、2008年の宝塚記念(G1)ではメイショウサムソンとの接戦を制してG1初制覇を果たしました。
エイシンアポロン(2007年生まれ)
馬名の由来:「エイシン」+ギリシャ神話の太陽神
主な勝ち鞍:2011年・マイルチャンピオンシップ(G1)
2009年の朝日杯フューチュリティステークスで2着に入るなど、2歳時から第一線で活躍し、2011年のマイルチャンピオンシップでは池添謙一騎手を背にG1制覇を果たしました。
エイシンチャンプ(2000年生まれ)
馬名の由来:「エイシン」+チャンピオン
主な勝ち鞍:2002年・朝日杯フューチュリティステークス(G1)
福永祐一騎手とのコンビで朝日杯フューチュリティステークスを優勝し、JRA賞の最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得しました。
エイシンサニー(1987年生まれ)
馬名の由来:不明
主な勝ち鞍:1990年・オークス(G1)
キャリア14戦目となった1990年のオークスをレースレコードで優勝。
鞍上は牝馬のお手馬が多かった岸滋彦騎手。
エーシンフォワード(2005年生まれ)
馬名の由来:「エーシン」+攻める
主な勝ち鞍:2010年・マイルチャンピオンシップ(G1)
2010年のマイルチャンピオンシップでは13番人気という低評価で出走したものの、岩田康誠騎手の果敢なイン突きで上位人気馬たちを蹴散らし、G1初制覇を果たしました。
エーシンモアオバー(2006年生まれ)
馬名の由来:「エーシン」+その上に
主な勝ち鞍:2012年&2014年・名古屋グランプリ(G2)
JRAでの重賞では勝てなかったものの、名古屋グランプリ(G2)と白山大賞典(G3)を2度優勝。
圧倒的な先行力を武器に、地方競馬の交流重賞で活躍しました。
エイシンとエーシンの違い
「エイシン」は平井豊光さん名義(のちに次男・平井克彦さんが引き継ぐ)の馬に採用された冠名で、「エーシン」は平井宏承さん名義の馬に採用された冠名となります。
誰名義の馬なのかをハッキリ区別するために「エイシン」と「エーシン」の冠名を使い分けていましたが、2011年に生産された馬からは「エイシン」に統一されています。
今後、「エーシン」の冠名が採用された馬がレースに出走することはありませんが、母親の中には「エーシン」の冠名の馬が多く存在していますので、馬柱で確認してみてくださいね。
まとめ
日本のG1だけではなく、エイシンヒカリやエイシンプレストンが海外のG1を勝つなど、国内外で活躍している栄進堂。
まもなくエイシンヒカリが引退してしまうのは残念ですけど、周期的に名馬が輩出されるのが栄進堂の特徴でもありますので、「ポスト・エイシンヒカリ」の誕生に期待したいです。