サウスヴィグラス
出典:wikipedia
今回はサウスヴィグラス産駒の特徴や成績、最も得意としている条件などについてまとめました。
サウスヴィグラス産は1998~2002年に活躍した競走馬で、ダート路線を中心に活躍をした馬です。
1998年のデビュー戦からダートを走り続け、オープンクラスでコンスタントに活躍を続けるものの、なかなか重賞の舞台では一歩及ばないレースが続いていました。
そして6歳になった1月の根岸ステークス(G3)で待望の重賞初制覇を飾ると、3月の地方交流レースの重賞黒船賞(G3)から破竹の6連勝を飾ります。
引退レースとなった地方交流G1、JBCスプリントで見事にG1初制覇を果たし、有終の美を飾って引退しました。
自身が走ったレースのほとんどがダートの短距離レースで、現役生活の2~7歳までで16勝を挙げる活躍をしました。
サウスヴィグラスの代表産駒一覧
サウスヴィグラスは2003年に引退し、その後に種牡馬となりました。初年度産駒は2003年にデビューをしており、現在も産駒が続々とデビューをしています。
以下はサウスヴィグラスの代表産駒です。
※カッコ内は主な重賞勝ち鞍
・コーリンベリー(JBCスプリントJpn1、東京スプリントJpn3、かきつばた記念Jpn3)
・ナムラタイタン(武蔵野ステークスG3)
・トーホウドルチェ(マリーンカップG3)
産駒の特徴
代表産駒を見ると分かるように、サウスヴィグラス産駒は自身が活躍したダート路線を中心に活躍しており、特にダートの短距離を得意としているのが特徴と言えます。
重賞ウイナーこそまだまだ少ないものの、オープンクラスや準オープンクラスまではコンスタントに勝ち上がって行く産駒が多いことも特徴と言えます。
そのため、いわゆる平場のダートレース、特に1200m~1400mといった短距離でサウスヴィグラス産駒が出走すると比較的馬券に絡んでくる特徴があります。
また、日本競馬はダート路線で活躍するには中央だけでなく、地方競馬に遠征することも珍しくなく、地方競馬との交流が活発に行われています。
そのため、中央所属から地方競馬の交流重賞に挑戦したり、あるいは活躍の場を求めて地方競馬に移籍するといった産駒も多くいるのが特徴と言えるでしょう。
地方競馬はダートレースしかなく、1000mや1200mといった短距離レースも多く組まれているので、地方競馬のリーディングサイアーでは上位に入ることもあるくらい、地方競馬では活躍できている産駒が多いことも特徴として挙げられます。
産駒の成績
サウスヴィグラス産駒はすでにダートにおいて300勝以上をあげています。
代表産駒の一頭であるコーリンベリーは2013年にデビューし、現在の現役で活躍しています。
コーリンベリーはデビュー戦こそ芝コースを使われたものの惨敗。
続く未勝利戦はサウスヴィグラス産駒が得意とするダート1200mに出走すると、13番人気という低評価を覆して勝利。
その後もダート1200~1600mを中心にオープンクラスで活躍を続けます。
そして古馬となった2015年の5月に名古屋で行われたかきつばた記念で重賞初制覇。
そしてその年の11月に行われたJBCスプリントでも並みいる強豪馬を抑えて逃げ切り勝ちを収め、見事に父と同じG1レースを勝利しました。
もう1頭の代表産駒、ナムラタイタンもやはりダート路線で活躍。
重賞の武蔵野ステークス勝利を含む全9勝はいずれもダート1400~1600mと傾向がはっきりしており、ダート界でコンスタントに走り続けた代表産駒の1頭と言えます。
産駒のベスト条件
それでは、サウスヴィグラス産駒はどのような条件が合っているのか(あるいは苦手なのか)を見ていきましょう。
得意な距離:ダート1200m
ここまで書いた内容で既にお察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、サウスヴィグラス産駒はダート1200mまでの短距離が最も活躍の場が多く、200勝以上を挙げています。
勝率は9.8%、連対率19%、複勝率は27.5%となっており、いずれも他の距離の中で最も良い数字を残しています。
また、続いて得意としているのはダート1400mで、勝率7.4%、連対率15.4%、複勝率22.3%となっています。
ちなみにダート1600mと1800mでは率としては同じくらいの傾向あり、1600mは勝率8.5%、連対率16.3%、複勝率19.9%となっています。
1800mは勝率6.4%、連対率12.1%、複勝率20.3%となっており、勝率と連対率では1600mに少し及ばないものの、複勝率ではほぼ同率となっています。
なお、出走数は1800mの方が多いため、40勝近い成績を挙げています。
苦手な距離:ダートの中長距離
ダートの2000m以上になるとガクッと成績を落とし、未だに1勝も挙げていません。
2着も一度もなく、3着が2000mで1回あるだけです。
そもそも出走している産駒自体が少ないですが、基本的にはダートにおいても2000m以上のレースにサウスヴィグラス産駒が出走してきた場合は、血統的には割引と考えたほうが無難かもしれません。
得意なコース:ダートの中山・阪神・京都
ダートの中でも、比較的主要なレースが多く組まれている中山競馬場、阪神競馬場、京都競馬場での好走が目立ちます。
それぞれ50勝以上を挙げており、この3場だけで全ダートコースの勝ち鞍の半分程度を稼いでいると言えます。
中山のダートは勝率が7.8%、連対率が14.8%、複勝率が24.3%となっています。
また、阪神は勝率9.6%、連対率18.6%、複勝率26.9%と中山を上回っており、京都は勝率7.8%、連対率16.8%、複勝率24.4%とこちらも高い数字を残しています。
苦手なコース:芝コースは全般的に苦戦気味
芝コースは出走する産駒自体が少ない傾向にはありますが、全般的に苦戦している傾向にあります。
特に函館、中京、阪神ではいまだに未勝利となっており、阪神の芝コースにいたっては勝率0%、連対率2.6%、5.5%とかなり苦戦しているようです。
ダートコースでは好成績を挙げている阪神ですが、芝では苦戦を強いられているようです。
唯一好走傾向にあるのは福島競馬場の芝コースで5勝を挙げており、勝率7.9%、連対率12.7%、複勝率20.6%となっていますので、福島競馬場の芝のレースにサウスヴィグラス産駒が出走してきた場合は馬券的には面白いかもしれませんね。
相性の良い血統
サウスヴィグラス自身は外国産馬となっており、父は日本でも短距離を中心に活躍馬を輩出しているエンドスウィープです。
サウスヴィグラスの血統背景からも分かるように、距離は短いほうが良さそうな傾向にあるので、繁殖牝馬も短距離で活躍した馬や、短距離傾向にある血筋の馬が合っていると考えられます。
また、ダートでの活躍が期待できるため、ブライアンズタイム、アフリート、マイニングといった日本のダート競馬で活躍している産駒を輩出している血統が繁殖牝馬に入っていると相性が良いと言えそうです。
まとめ
サウスヴィグラス産駒についての傾向をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
こうしてみると、やはり父が走ってきた成績が産駒にも受け継がれる傾向にあることがよく分かります。
例えばディープインパクトのように万能なタイプの種牡馬もいますが、サウスヴィグラスのように「ダートの短距離」とはっきりとした傾向が産駒にも受け継がれると言うのは、特にサウスヴィグラスの現役時代を知っている人や、実際に現地で観戦してその走りを見たことのある人なら感慨深いものがあるのではないでしょうか。
まだまだ重賞路線で活躍している産駒は多くありませんが、コンスタントに勝ち上がっていく産駒が多いのも、関係者からしても馬券を買うファンからしても、頼もしい存在と言えますね。
※本記事に掲載している成績は2016年11月時点のものです。