2016年秋から海外競馬の馬券発売がスタート!
これまで以上に海外競馬に興味を持つ競馬ファンがとても多くなっているようです。
ここでは、ラニやヌーヴォレコルトも出走したアメリカ競馬の歴史や特徴、主なレースを紹介しながら、アメリカ競馬の魅力に迫っていきます!
アメリカ競馬の歴史
イギリスの管理下に置かれていた1620年代にアメリカ競馬が誕生。
イギリスからの移民がバージニア州などで競馬を行ったのが起源といわれています。
1861年から1865年にかけて発生した南北戦争によってアメリカ競馬は存続の危機に陥るのですが、戦争の影響が少なかったアメリカ北部で徐々に競馬が復活。
しかし、八百長などの不正行為が横行したため、19世紀末から保守層を中心に競馬を廃止しようという動きが広まり、20世紀に入ると、各州で競馬を禁止する法律が次々に成立していきます。
競馬の運営団体は、不正行為の取り締まりを徹底し、競馬復活への機運を高め、1913年にニューヨーク州にあるベルモント競馬場とサラトガ競馬場を再開させることに成功。
以後、競馬の歴史が深いヨーロッパ競馬とともに世界の競馬界を引っ張る存在として確固たる地位を確立させています。
アメリカ競馬の特徴、日本競馬との違い
アメリカ競馬にはどんな特徴があるのでしょう?
また、アメリカ競馬と日本競馬との違いはあるのでしょうか?
アメリカの競馬人気は?
2015年のJRAの売り上げが約2兆5,000億円であるのに対し、アメリカ競馬の売り上げは約1兆7,000億円ですから、日本よりもアメリカの競馬は人気が無いのでは?と思われるかもしれません。
でも、アメリカ人が選ぶ20世紀のトップアスリートベスト100の中にセクレタリアトなどの競走馬がランクインしていますので、アメリカ競馬の人気が低いというわけではないと思います。
年間生産頭数はどれくらい?
日本競馬の年間生産頭数は約7,000頭ですが、アメリカ競馬の年間生産頭数は約32,000頭で、日本競馬を圧倒しています。
アメリカはダートがメイン?
芝レースが主流となっている日本競馬とは違い、アメリカ競馬はダートレースが主流。
アメリカ競馬では能力の高い馬はダートレースを中心にして活躍していて、日本競馬とは真逆の状況になっています。
競馬のレベルの違い
先日行われたブリーダーズカップ・フィリー&メアターフに出走したヌーヴォレコルトは13頭立ての11着に敗れているように、アメリカ競馬のレベルは低くありません。
でも、アメリカ競馬と日本競馬とでは芝・ダートの馬場の質が全然違いますので、仮にアメリカの馬が日本のレースに出走しても、良い結果が出るとは限りません。
賞金の違い
賞金が高い海外レースというと、UAEで開催されるドバイワールドカップが有名ですが、そのドバイワールドカップを超える高額賞金レースが2017年1月にアメリカ競馬で新設されます。
レース名はペガサスワールドカップ。
賞金総額は約13億円。
ドバイワールドカップの賞金総額約11億円を大きく上回るレースです。
日本競馬でトップの賞金総額のレースはジャパンカップの6億2,400万円ですから、ジャパンカップの倍以上の賞金総額を誇るレースがアメリカ競馬で誕生します。
アメリカの最高峰のレース
アメリカ競馬の最高峰のレースといわれているのが、ブリーダーズカップ・クラシック(ダート2,000m)です。
UAEのドバイワールドカップが上半期のダート王決定戦であるのに対し、ブリーダーズカップ・クラシックは下半期のダート王決定戦になります。
日本馬は5度ブリーダーズカップ・クラシックに挑戦しましたが、1997年のタイキブリザード、2004年のパーソナルラッシュの6着が最高着順です。
2016年にラニがチャレンジしたクラシック三冠(ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークス)もアメリカ競馬の中でも特別な存在になっています。
また、ブリーダーズカップ・クラシックと同日に開催される、ブリーダーズカップ・マイル、ブリーダーズカップ・ターフも世界の強豪が集結するハイレベルなレースとして知られています。
まとめ
日本競馬よりも年間生産頭数が多く、芝レースよりもダートレースの方が盛ん、という特徴があるアメリカ競馬。
日本馬が出走するレースに限り、アメリカ競馬の馬券も買えるようになりましたから、この機会にアメリカ競馬のことを深く知ってみるのも良いのではないでしょうか。