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長く続いたノーザンテーストの牙城をようやく崩したリアルシャダイ、そのリアルシャダイを止めたトニービンの登場で、日本のリーディングサイアー争いが混沌を極めた時代もありました。
しかしその流れを一気に食い止めたのが、リアルシャダイと同じくロベルトの力強い血のパワーでした。
初年度(1991年産)から牡牝クラシックホースを出し、しかも牡馬のほうは、その後永遠に名前を残すことになった三冠馬ナリタブライアン・・・その大種牡馬の名は、ブライアンズタイムです。
代表産駒の一覧を紹介
もちろん初年度のナリタブライアンはあまりにも強烈なインパクトを残しましたが、女傑ヒシアマゾンと互角の戦いを繰り広げたオークス馬チョウカイキャロルもすごい馬だなぁ・・・というインパクトがありました。
しかし2年目以降もブライアンズタイムの猛威はとどまらず、サンデーサイレンスという神がかった種牡馬が導入されてもなお、長きにわたってその存在感を発揮し続けました。
順を追って見てみましょう。
初年度産駒
ナリタブライアン(母の父ノーザンダンサー)・・・クラシック三冠馬、朝日杯
チョウカイキャロル(母の父ミスタープロスペクター)・・・オークス
2世代目
マヤノトップガン(母の父ブラッシンググルーム)・・・菊花賞、有馬記念、宝塚記念、天皇賞春
4世代目
サニーブライアン(母の父スイフトスワロー)・・・皐月賞、日本ダービー
シルクジャスティス(母の父サティンゴ)・・・有馬記念
5世代目
ファレノプシス(母の父ストームキャット、ナリタブライアンの従妹)・・・桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯
7世代目
シルクプリマドンナ(母の父ノーザンダンサー)・・・オークス
8世代目
ダンツフレーム(母の父サンキリコ)・・・宝塚記念
タイムパラドックス(母の父アルザオ)・・・JCダート、川崎記念、帝王賞、JBCクラシック
9世代目
ノーリーズン(母の父ミスタープロスペクター)・・・皐月賞
タニノギムレット(母の父クリスタルパレス)・・・日本ダービー、現種牡馬(ウオッカを輩出し父娘ダービー制覇)
14世代目
ヴィクトリー(母の父トニービン)・・・皐月賞
17世代目
レインボーダリア(母の父ノーザンテースト)・・・エリザベス女王杯
他にも、地方競馬所属のトーホウエンペラーやフリオーソら、「地方の英雄」と呼ばれた産駒も輩出し、まさに芝でもダートでも素晴らしい産駒を輩出し続けたブライアンズタイムでした。
さらに、2歳王者に輝いたマイネルマックスもブライアンズタイム産駒でした。
産駒の特徴
上記の産駒の紹介でもわかるように、ブライアンズタイム自身が種牡馬として20世代以上の活躍をし続けたというタフさが、産駒の多くにも宿っていました。
道悪競馬のような底力勝負にはめっぽう強く、欧州競馬の勝負強さとは異なり、アメリカ競馬のパワーで圧倒するイメージの産駒が多いです。
また、上記のからもわかるように、基本的にはクラシックディスタンスでこそというタイプが多かったです。
やはり長い距離を走っても途切れない集中力と爆発力が、ブライアンズタイム産駒の最大の魅力でしょう。
産駒の成績
ブライアンズタイムは現在まで23シーズンにわたって産駒が活躍しています。
この時点でもうほんとうに頭が下がる思いなのですが、これまでで633頭が1705勝をマークするというこの数字は、もうあきれるばかりの素晴らしさです。
ブライアンズタイム自身は2013年にすでに死亡していますが、今年のリーディングサイアー争いでも2016年10月24日現在で36位(11頭が13勝、重賞1勝)というすごさ、驚くばかりです。
デビューが期待される注目産駒
現2歳世代、中央競馬ではブライアンズタイム産駒がたった1頭登録されています。
まさにこの馬がラストクロップ、その名はトゥルーヒーロー。
大種牡馬のラストクロップにふさわしい、いい名前です。
母の父にはサンデーサイレンス系では珍しいステイヤータイプのスペシャルウィークということで、デビューを間近に控えます。
まとめ
まだブライアンズタイム産駒の活躍が終わりを告げるまでには間がありますが、サンデーサイレンス産駒の終焉がそうであったように、その時、ほんとうにひとつの時代が終わったと感じられると思います。
今から目に焼き付けたい気持ちです。