ヴィクトリアM(GⅠ) 4歳以上牝 東京芝1600ｍ
出走馬紹介
☆ ショウナンパンドラ
昨年のジャパンカップ(GⅠ)を牡馬相手に快勝し、前走の大阪杯(GⅡ)でも、アンビシャスや天皇賞馬キタサンブラック相手に善戦するなど、牝馬同士なら能力上位は間違いないでしょう。昨年の同レースでは8着と敗れましたが、まだ本格化前と見れば度外視してよく、適性距離的に1600ｍは短いかもしれませんが、地力で好勝負に持ち込んでくる可能性は高そうです。
☆ ミッキークイーン
昨年のジャパンカップでは8着と初めて崩れるも、勝ち馬ショウナンパンドラとは0.3秒差で大きくは負けておらず、前走の阪神牝馬S(GⅡ)もスローの前残りの中、ただ1頭後方から鋭い脚で急追しての2着で、負けて強しの内容でした。
潜在能力で言えばショウナンパンドラと並んでトップクラスでしょうが、前走のやや追走に苦労していた1600ｍの距離と、骨折休養から今週復帰予定の浜中騎手の実戦勘がどう出るでしょうか。
☆ ストレイトガール
前哨戦はそれほど仕上げてこない厩舎ではありますが、それを含めても前走スローで楽に先行しながらも、直線ほとんど抵抗できずに失速したのは正直物足りない内容でした。
昨年の覇者で、一昨年も3着とコース実績は断トツで、大敗からも平気で巻き返すタイプではありますが、急遽引退を撤回しての現役続行の影響が出ている可能性もあり、能力の衰えかどうか今回が試金石となりそうです。
☆ スマートレイアー
過去2年の同レースは、後方から33秒台の末脚で急追するも届かずでしたが、昨年の米子Sで先行してから成績が安定し、今年に入っての2戦は逃げ切りで重賞を連勝し、本格化に加えて脚質も自在性が出てきました。
近年先行有利の傾向が強くなった同レースの性質も追い風で、有力処に後方待機組が多い今回のメンバーで一番展開のカギを握るのがこの馬でしょう。
☆ クイーンズリング
昨年のクラシック戦線では後方からのレースが多かったですが、前走の京都牝馬S(GⅢ)では重馬場の淀みない流れを強気に先行し、最後までしっかり伸びて押し切る強い内容でした。
どちらかというと一瞬の切れよりも長くいい脚を使うタイプで、極端に速い馬場だと不安は残りますが、本番馬場が渋るようだと要注意の1頭でしょう。
☆ マジックタイム
昨秋復帰以降は、ペースや馬場状態に関係なく確実に追い込んで好走しており、前走のダービー卿CT(GⅢ)では軽ハンデの恩恵はあったものの、牡馬相手に叩き合いで競り勝つ勝負根性まで見せ、一気に本格化しました。
近年後方待機組が苦戦している同レースですが、本格化したハーツクライ産駒の勢いは無視できず、人気がなくても非常に怖い1頭です。
☆ ルージュバック
昨年のオークス(GⅠ)の内容から、能力的にはミッキークイーンと遜色ないものがあります。
しかし、昨秋順調さとリズムを欠いた影響か、前走の中山牝馬S(GⅢ)では目標にされる厳しい展開もあり、勝ち切れずの2着惜敗でした。
マスコミの影響か実力以上に人気するタイプで、能力は認めつつも必要以上に人気するようなら手は出し辛そうです。
注目レース紹介
★阪神牝馬S（GⅡ）阪神芝1600ｍ 外
二の脚で楽に先頭に立ち、スローな流れで直線も逃げ粘るスマートレイアーを、残り100ｍで一気にエンジンが掛かったミッキークイーンが追い詰めましたが、最後は余裕をもってスマートレイアーが逃げ切りました。
3着のウインプリメーラ、4着のカフェブリリアントも先行して最後までしっかり脚を使っている好レースで、本番あまりに人気が無さそうなら要注目でしょう。
★中山牝馬S（GⅢ）中山芝1800ｍ
超スローペースで進み、向こう正面で一気にマクる馬が出てくる中、3コーナーで自分から動いたルージュバックと、それをマークしていたシュンドルボンが直線坂を上がって一騎打ちとなり、最後は斤量差の分シュンドルボンがG前交わしました。
内容的にはルージュバックの方が強い内容であったと言えそうです。
★京都牝馬S（GⅢ）京都芝1600ｍ 外
重馬場の淀みない流れでレースが進み、直線スナッチマインドが一瞬の脚で抜け出すも、それを見て仕掛けたクイーンズリングがじわじわ脚を伸ばし、大外から長くいい脚を使って差を詰めたマジックタイムを抑えての完勝でした。
厳しい展開とペースを先行して押し切ったクイーンズリングのレースは、着差以上に強い内容であったと思います。
★大阪杯（GⅡ）芝2000ｍ
比較的楽なペースでキタサンブラックとアンビシャスが先行する中、ショウナンパンドラが4コーナー手前から早めに仕掛け、直線も前2頭には届かないものの最速の上がりで追い詰め、休み明けとしては好内容のレースでした。
地力強化は間違いなく、牡馬相手でも能力はトップクラスと言えるでしょう。
